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日立の電子フォームワークフローによりシームレスな基幹システム連携を実現。
業務のスピードアップと情報精度の向上に大きな成果

東大阪市に本社を置く精密ナットのリーディングカンパニーである株式会社フセラシ(以下、フセラシ)では、日立の電子フォームワークフローを使って、基幹システムと連携する業務ワークフローを複数構築し、運用している。起票時のデータ入力では、基幹システムのマスタデータを用いて、すばやく正確に行うことができる。
フセラシは、ワークフローシステムの構築によって、業務のスピードアップと情報精度の向上を実現。取引先からの問い合わせにも迅速に対応できるなど、サービスの向上につながっている。

業務処理のスピードアップと情報精度の向上を目指す

木村 正夫 氏の写真
株式会社フセラシ
情報処理部
部長
木村 正夫 氏

フセラシでは、迅速に顧客対応ができるよう、全国に8つの営業拠点を展開している。同時に、価格体系や商品番号管理を一元化するため、神奈川県に営業本部を設置して統括。製造については、全国に4つの工場を展開し、大阪府の製造本部が全体を取り仕切っている。

従来は、受注や生産にかかわる情報を関連部門や工場に手書き文書をFAXして伝えており、時間がかかっていた。また、情報は最終的に情報処理部でチェックし、基幹システムに手入力していたため、正確な入力の確保や各部署からの問い合わせ対応などに大変な手間がかかっていた。

「情報伝達を正確に行い、お客さまへの対応をスピードアップしたい。何年も前からワークフローシステムを導入したいと考えていましたが、なかなか良いソリューションに出会えなかったのです」と木村氏は語る。

投資効果が高い業務システムを構築

日立の電子フォームワークフローを評価したのは、業務の進捗状況がひと目でわかりやすく表示されていた点である。

Microsoft® ExcelやMicrosoft® Wordの帳票を変換してそのまま電子フォームとして利用できるのも重要なポイントだった。

「使い慣れた帳票イメージにより、違和感なくユーザーが受け入れ、操作教育の短縮につながりました。また、利用者自身が作った帳票レイアウトをそのまま使えるというのは、とても重要なことです。ワークフロー開発に利用者が参画でき、情報システム部門と対話が生まれるからです」と木村氏は指摘する。

そしてもうひとつ重視したのが、基幹システムとの連携である。

情報処理部では、旅費精算などのワークフローではなく、会社にとっての投資効果が明瞭にわかるシステムを最初に作り、その成功例をアピールすることで利用を拡大していきたいと考えた。

「投資効果が明瞭にわかるのは、基幹システムと連携する業務です。しかし、やりたいことを具体的に詰めていくと、他のワークフロー製品ではさまざまな制限がありました。要件をすべて実現できたのは、日立の電子フォームワークフローだけでした」と木村氏は明かす。

既存の基幹システムに正確なデータを自動登録

岡田 耕平 氏の写真
株式会社フセラシ
情報処理部
主任
岡田 耕平 氏

井上 ムツ子 氏の写真
株式会社フセラシ
情報処理部
主任
井上 ムツ子 氏

吉田 素生 氏の写真
株式会社フセラシ
情報処理部
吉田 素生 氏

梅木 大輔 氏の写真
株式会社ニッセイコム
関西支社
営業第2部第1課
梅木 大輔 氏

現在、2つのワークフローステムが稼働しており、3つ目も近くカットオーバーする。業務内容は、商品コードや商品単価マスタを変更するワークフローと外製工程を管理するマスタを変更するワークフローなどである。

3つのワークフローシステムに共通しているのは、基幹システムと密に連携していることだ。

たとえば、外製工程管理マスタのワークフローシステムは、既存の販売管理システムと生産管理システムからデータを抽出し、複雑な承認ルートを経て確定した後、販売管理システムと生産管理システムに書き込まれる。これまでは、この2つの基幹システムに対して、個別に手入力していたものが、ワークフローシステムにより、同時に自動更新されるのだ。基幹システム間のデータの整合性も確保できた。

「基幹システムを自動的に書き換えてしまうのですから、テストは入念に行いました。即座に書き換える場合と、プールしておいて指定した日時に書き換える場合と、2つのルートも用意しました」と吉田氏は説明する。

入力を正確にすばやく行うために、電子フォーム(1次画面)のほかに、基幹システムと連携した「2次画面」を用意した。起票者は2次画面でマスタデータを呼び出しながら入力する。完成した2次画面のデータは電子フォーム(1次画面)に貼り付き、ワークフローで流れていく。そして、最終承認が取れると基幹システムに自動で反映される。

「マスタデータを呼び出すことができるかどうかは、大きな分岐点でした。これができなければ、マスタデータのメンテナンス業務をシステム化することは不可能だったからです」と岡田氏は強調する。

さらにシステム構築を担当した株式会社ニッセイコムの梅木氏は、「日立の電子フォームワークフローは拡張性が非常に高い。だからこそ、当社が長年に渡り開発してきた基幹システムにきちんと連携できましたし、Java™で開発した2次画面を連携させることもできました。ほかにも、画面レイアウトの変更や、人事異動に応じて回覧先が動的に変わるしくみなど、運用形態に合わせたさまざまな作り込みをしています」と付け加える。

帳票画面
既存のExcel帳票を変換して利用した電子フォーム(1次画面)。
画像を拡大する(新規ウィンドウを表示)

帳票画面
<上>マスタデータを呼び出すことができる画面(2次画面)。こちらに入力したデータが電子フォーム(1次画面)に自動で反映される。 <下>PDF化された案件の帳票が検索できる画面。
画像を拡大する(新規ウィンドウを表示)

統制された業務プロセスをワークフローで実現

ワークフローシステムを構築したことによって、情報の伝達や業務処理のスピードが上がり、情報の精度も向上した。

「ワークフローは、正しい業務処理プロセスを確実に実行するうえでも重要な役割を果たしています。たとえば、注文残がある商品については、商品コードの変更を受け付けません」と岡田氏。こういった統制された業務プロセスをワークフローで実現したのである。

基幹システムへ情報を手入力していた情報処理部の負担も軽くなった。また、紙をファイリングしたり、問い合わせの電話に対応するといった作業からも解放された。

「完了した案件の帳票は、自動的にPDF化して、起票者にメールで送り、案件が完了したことを知らせるということを実現しています。また、後から問い合わせがあった場合でも共有サーバを検索してすぐに回答ができます」と井上氏は評価する。電子フォームワークフローは、柔軟に付加価値をつけることが可能なのだ。

「すでにいくつかの新しい業務構築の依頼が、ユーザーから寄せられています。今後のワークフロー開発は、ニッセイコムさんにサポートしていただきながら社内で取り組もうと考えています」と木村氏は語る。

GUI設計、業務プログラム開発、プロセス定義などをユーザー企業の開発者自身が容易に行える機能をそろえている日立の電子フォームワークフローは、フセラシの今後のビジネスも支えていく。

フセラシのワークフローシステム概要
フセラシのワークフローシステム概要

USER PROFILE

株式会社フセラシ

[本社] 大阪府東大阪市高井田11-74
[本部] 神奈川県愛甲郡愛川町中津4061-23
[創業] 1933年1月
[資本金] 3億30万円
[従業員数] 462名

熱間・温間・冷間の3タイプの圧造技術をはじめ、ミクロの精度で仕上成型を行う特殊技術を保有。自動車用ナットが中心であったが、最近では、携帯電話のバッテリー用マイクロ部品、ハイブリッドカーの電池部品やRC建築用ワンサイドボルトなどのハイテク分野に注力している。

PARTNER PROFILE

株式会社ニッセイコム

[本社] 東京都品川区大井1-47-1 NTビル
[関西支社] 大阪市中央区北浜3-5-29 日生淀屋橋ビル
[設立] 1974年2月
[資本金] 3億円
[従業員数] 737名

システムインテグレーション、サポート&サービス、ハードウェア&サプライの3事業でワンストップソリューションを提供。長年の業務システム開発のノウハウを活かして、日立の電子フォームワークフローを使った開発実績が豊富。

特記事項

  • この記事は、「日経コンピュータ2007年3月16日号」に掲載されたものです。
  • Cosminexus電子フォームワークフローセットEURの詳細については,ホームページをご覧ください。
  • Microsof、Excelは、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における商標、または登録商標です。
  • Javaは、米国およびその他の国における米国Sun Microsystems, Inc.の商標または登録商標です。
  • その他記載されている会社名、製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。
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