ニュースリリース

幅広い業務のデジタル変革をワンストップで支援するサービス群・基盤を
「製造業向けDXクラウドソリューション」として体系化

日立の幅広い分野・領域のソリューション提供実績や、蓄積してきた知見・ノウハウ、デジタル技術を活用

「製造業向けDXクラウドソリューション」体系図

  株式会社日立製作所(以下、日立)は、製造業のお客さまの幅広い業務のデジタル変革をワンストップで支援する各種サービス群およびクラウド基盤を「製造業向けDXクラウドソリューション」(以下、本ソリューション)として新たに体系化し、9月より提供を開始しました。本ソリューションは、日立がお客さまの課題解決を通して蓄積してきた知見・ノウハウ、デジタル技術を生かした多種多様なサービスを、豊富な提供実績を有し運用の効率性と堅ろうなセキュリティを両立する「ComiComiCloud*1」(従量課金型プライベートクラウドサービス、コミコミクラウド)を基盤に提供するものです。これにより、設計プロセス、計画系業務、ワークスタイルの変革を実現し、業務の高度化・効率化に貢献していきます。

*1

「ComiComiCloud」は株式会社日立製作所の日本における登録商標です。

背景

  昨今、労働人口の減少、環境に配慮した事業推進、不確実性の高まりなど、製造業を取り巻く課題は複雑かつ複合的になるとともに、急速に変化しています。これに対応するため、AIやデータ処理技術などのデジタル技術によるDX推進が急務です。また、製造業のDXにおいては、従来、個別最適となっているエンジニアリングチェーン*2、サプライチェーンのそれぞれの業務を、データで見える化・分析し、エンジニアリングチェーンにフィードバックして全体最適すること、サプライチェーンの複雑な制約やKPIを考慮した最適な計画立案およびスピーディーに生産計画を立案すること、コーポレート部門の業務標準化と問題解決力を強化し、事業部門でもそのノウハウを利活用することが競争力強化につながります。
  このたび、日立は自ら製造業として培ってきたOTやIT、および製造業の幅広い分野・領域のお客さまの課題解決を通して獲得した多くの知見・ノウハウ(ドメインナレッジ)を生かし、お客さまのDXニーズにより的確に応える本ソリューションを新たに体系化しました。

*2

製造プロセスにおける設計部門を中心とした業務で、企画、設計・試作、生産準備、保守までの一連の業務のプロセスのこと。

「製造業向けDXクラウドソリューション」のサービスラインアップ

1. エンジニアリングチェーンのためのDX推進支援サービス

モノづくりのECMとSCMをシームレスに連携させ、製造現場の品質情報とメンテナンス情報を設計にフィードバックするプロセスを確立することにより、設計段階での不良を抑止し、製品の品質や作業効率を向上させます。

• 3D CAD上であらかじめ登録しておいた設計ルールに違反していないかをチェックし、チェックの工数削減や漏れ防止、手戻り・設計不良・設計変更の低減を実現。(気付き支援CADシステム)
• 業務手順を階層化し、ノウハウや過去データを関連付けて表示することで、"資料を探す"、"誰かに聞く・確認する"といった時間を削減するとともに、作業品質を平準化。(業務ナビゲーションシステム)
• 設計・製造からの不良や問題点などの品質情報をデータベースに格納し、それをAIが解析・学習することでキーワードや情報の関連性が不明な場合でも、解決のための関連情報を検知・把握。(文書活用促進ソリューション)
• 標準化された業務手順を遂行することで、製造からフィードバックされた品質情報を参考にしながら、標準化されたプロセスに従い効率的に設計を進めることが可能。(業務ナビゲーションシステム＋文書活用促進ソリューション)
• セキュリティの確保されたクラウド環境上の仮想デスクトップを活用して、場所や端末に依存せず安全な作業環境を実現。(3次元仮想デスクトップ)
• 3D CADデータから3Dの組み立て手順書を自動生成。熟練者と若手の技能差の縮小と、手順書作成における生産性を向上。(組立ナビゲーションシステム)
• プロジェクト関係者間で開発工程の計画・進捗、作業負荷状況を可視化し、円滑なプロジェクト推進およびプロジェクトの先手管理を実現。(開発日程管理サービス)

2. サプライチェーンのためのDX推進支援サービス

SCMの起点となる計画策定にAIや高速MRP*3エンジンを活用することで、複雑な制約条件やKPIを考慮した最適な計画の立案やスピーディーな生産計画の立案に貢献し、計画系業務変革を実現します。

• 計画業務における制約条件やKPIをAIにセットアップしたうえで、供給計画や商品情報など、計画に必要なデータを入力することで、膨大な組み合わせの中から素早く最適な計画を自動で立案。(計画系業務最適化サービス)
• 日立が独自開発した高速MRPエンジンを活用し、スピーディーな生産計画の立案と変更を支援。計算が速いだけでなく、飛び込みの受注や急な欠品などのさまざまな計画変更要因に対して影響範囲を高速に分析し、再計算範囲を限定できるため、問題点の解消に向けた反復計算にも容易に対応。(「SCPLAN*4」(サプライチェーンプラニングサービス))
  https://www.hitachi.co.jp/products/it/industry/solution/scm_scplan/index.html

*3

MRP(Material Requirements Planning):資材所要量計画

*4

「SCPLAN」は株式会社日立製作所の日本における登録商標です。

3. 部門横断業務のためのDX推進支援サービス

コーポレート部門および事業部門の業務標準化とAIによる問題解決力の強化により、全社一体となるワークスタイル変革を実現します。

• さまざまな業務を実施する中で、決められた手順でノウハウを共有しながら業務負荷を軽減。作業者に依存せず、作業品質の平準化を実現。(業務ナビゲーションシステム)
• 業務の途中で疑問が生じた場合、実行している業務名やキーワードを検索することで、関連性の高い過去の業務データや事例をAIが"観点マップ"として可視化し、慣れた作業者でなくては思いつかないような情報を提示。蓄積された情報を有効に利活用し、業務の効率化と品質の向上に貢献。(文書活用促進ソリューション)

4.「ComiComiCloud」(従量課金型プライベートクラウドサービス)

お客さまの指定場所に日立資産のハードウェアを設置し、本ソリューションのサービス提供基盤となるお客さま占有のプライベートクラウド環境を構築するとともに、運用・保守を日立が実施します。安定した性能と堅ろうなセキュリティを確保できるため、お客さまのノウハウを伴う重要なデータを扱う環境として適しています。また、基本料金が不要な従量課金制のシンプルな料金体系で、ITコストの最適化や運用コストの低減を実現します。

本ソリューションの概念図

サービス紹介動画

Hitachi Social Innovation Forum 2023 JAPANでの紹介について

本ソリューションは、日立が2023年9月20日(水)〜21日(木)に開催する「Hitachi Social Innovation Forum 2023 JAPAN」において、ご覧いただけます。展示テーマ「産業・都市のDX」内、「不確実性の時代を変革の好機に 〜日立が描く産業の未来〜」展示ブースにおいて両日10:30から開催するミニセッションで紹介する予定です。

日立製作所について

  日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。お客さまのDXを支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、幅広い産業でプロダクトをデジタルでつなぎソリューションを提供する「コネクティブインダストリーズ」の事業体制のもと、ITやOT(制御・運用技術)、プロダクトを活用するLumadaソリューションを通じてお客さまや社会の課題を解決します。デジタル、グリーン、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長をめざします。2022年度(2023年3月期)の連結売上収益は10兆8,811億円、2023年3月末時点で連結子会社は696社、全世界で約32万人の従業員を擁しています。

お問い合わせ先

株式会社日立製作所 インダストリアルデジタルビジネスユニット

以上