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企業情報ニュースリリース

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2022年5月24日

日立が、電力事業者をはじめとした企業向けに、設備の点検・監視・最適化を
支援する「Lumada Inspection Insights」を発売

日立エナジーと日立ヴァンタラのIT・OTを融合し、デジタルとグリーンの事業ポートフォリオを強化

[画像]画像データとAIを融合
画像データとAIを融合

  株式会社日立製作所(以下、日立)は、このたび、電力事業者をはじめとした企業向けに、送電網などの重要設備の点検、監視、最適化のためのデジタルソリューション「Lumada Inspection Insights」を発売します。Lumada Inspection Insightsは、日立エナジーと日立ヴァンタラが共同で開発したもので、衛星画像や、リモートセンシング技術の一つであるLiDAR*1、温度分布などの写真や動画を人工知能(AI)で解析することで、お客さまの設備点検の自動化と、安全性の向上、天候に関連するリスクや山火事による環境影響の低減、サステナビリティ目標の達成に貢献します。

*1
LiDAR: Leaser Imaging Detection And Ranging(レーザー画像検出と測距)。対象物にレーザー光を照射し、対象物に当たって跳ね返ってくるまでの時間差を計測することで、距離、位置や形状も検知することができる。

  本デジタルソリューションの発売は、日立が4月28日に発表した「2024中期経営計画」に沿ったものです。本計画において、日立はLumadaを中心としたデジタルとグリーンに関する事業ポートフォリオの強化による成長戦略を示しています。これは、お客さまとのLumadaによるデータ駆動型の価値協創サイクルを通じて社会イノベーション事業を推進し、持続可能な社会の実現を加速させるものです。IT・OT・プロダクト事業のポートフォリオ改革も継続していきます。

  Lumada Inspection Insightsは、日立ヴァンタラの「Hitachi Image Based Inspections」、「Hitachi Intelligent Infrastructure Monitoring」と、日立エナジーの「Hitachi Vegetation Manager」、「Hitachi Map」の四つのコア・ソリューションで構成されており、単体または包括的なソリューションとして提供することができます。本デジタルソリューションは、AIと機械学習を活用し、設備の状態やリスクを分析することで、障害や設備停止のさまざまな原因を特定します。また、予測分析により、運用や環境に関するリスクを評価することで、障害発生前の修繕を効率化することが可能になります。
  各ソリューションの詳細については、以下、「Lumada Inspection Insightsの四つのコア・ソリューション」を参照ください。

  日立エナジーのグリッドオートメーションビジネスユニット担当役員であるマッシモ・ダニエリは、「エネルギー転換は、現代において最も喫緊の課題の一つです。私たちは、お客さまと共に、カーボンニュートラルな未来を実現するための先駆的なデジタルソリューションを開発しています。今回、日立ヴァンタラと共同でLumada Inspection Insightsを発売します。本ポートフォリオは、適切な情報を必要なときに適切なチームに提供することを可能にし、信頼性、安全性、持続可能性の向上に貢献するものです。」と述べています。

  日立ヴァンタラのChief Digital Solutions Officerであるフランク・アントニサミーは、「データ駆動型になることは、デジタル化と持続可能性を加速するために不可欠です。日立グループは、データとAIを活用することで、さまざまな業務上・事業上の課題を解決し、ビジネス、社会、環境の改善に貢献します。私たちはお客さまと共に、産業資産の信頼性を向上させ、山火事を予防することで、持続可能な社会の実現に貢献します。」と述べています。

  Lumada Inspection Insightsは、マイクロサービス*2ベースの包括的な機能を備えており、さまざまなソースから、設備の状態や健全性、障害要因などを単一の画面で可視化することが可能です。お客さまは統合された洞察(インサイト)を元に、安全性、信頼性、俊敏性を向上させることができます。高解像度の自動化された正確な広域監視システムを使用することで、現地への移動や従業員の配置の最適化など、運用とメンテナンスに対する持続可能なアプローチが促進されます。

*2
アプリケーションを複数の独立した機能として構成し、機能同士を連携してサービスを実現させる手法

  世界中のあらゆる事業者が、前例のない気候変動対策に取り組んでいます。2021年に発生した全世界の山火事による二酸化炭素換算排出量は6,450メガトンと推定され、これは2020年の欧州連合(EU)における化石燃料排出量の約148%にあたります*3。これらの山火事やその他の異常気象は、送電線やその他の公益事業の設備にも多大な損害を与え、労働者の安全と送電網の信頼性を脅かしています。

*3
出典: Wildfires wreaked havoc in 2021, CAMS tracked their impact

  エネルギー分野における製品の分析会社であるIDC Energy Insightsのリサーチディレクター、ジョン・ヴィラリ氏は、「点検、計画、監視は、電力事業者が送電網の信頼性と回復力を維持するために行う最も重要な業務の一つです。Lumada Inspection Insightsは、さまざまなタイプのビジュアルデータと高度な分析およびAIを組み合わせたものです。これにより、電力事業者は意思決定を改善し、運用を最適化することで、信頼性、安全性、サステナビリティ目標を達成できます。」と述べています。

   なお、米国・テキサス州ダラスにおいて5月23日から開催されている北米最大級のエネルギー分野のイベント「DISRTIBUTECH INTERNATIONAL 2022」の日立ブースでは、Lumada Inspection Insightsを展示しています。

この映像は英語版です。

Lumada Inspection Insightsの四つのコア・ソリューション

(1) Hitachi Image Based Inspections

  高い塔に登る、ヘリコプターから写真を撮るといった従来の検査方法には技術員への危険が伴います。Hitachi Image Based Inspectionsは、画像データを高度なAIおよび機械学習機能で解析することで、これらの危険で、コストや時間のかかるアプローチを代替するものです。本ソリューションは、拡張性に優れた画像分析により、資産管理者が資産を特定し、欠陥を検出し、欠陥の重大度を分類できるように支援します。また、欠陥の評価を自動化し、何千もの画像の前処理・解析を迅速に行うことが可能なほか、ヒューマン・イン・ザ・ループ*4機能により、モデルベースとなるその分野の専門家による継続的なトレーニングが可能になり、幅広い資産と画像品質への対応を実現します。

*4
機械学習において、学習サイクルの中に人間からのフィードバックが含まれることを指す。

(2) Hitachi Intelligent Infrastructure Monitoring

  電力事業者やその他の資産集約型の組織は、サービス領域の安全性と提供するサービスの信頼性を確保する必要性に直面しています。このため、電力事業者は安全に関するインシデントを防止するための洞察(インサイト)を持ち、インシデントが発生したときに効果的に対応する必要があります。Hitachi Intelligent Infrastructure Monitoringは、スマートカメラ、3D LiDARセンサー、エッジゲートウェイを介して収集した映像データを、CRM*5やERP*6などのデータソースと統合することができます。これによりオペレーターは、変電所などの機密性の高いエリアに関する粒度の細かい継続的な3D情報を取得し、相関関係や因果関係、リアルタイムのインシデントを見つけることができます。

*5
CRM: Customer Relationship Management(顧客関係管理)
*6
ERP: Enterprise Resource Planning(企業資産計画)

(3) Hitachi Vegetation Manager

  Hitachi Vegetation Managerは、写真、ビデオ、Maxar*7衛星画像など、さまざまな画像と、AIや高度な分析技術を活用して、お客さまの植生作業活動や計画作業の精度と有効性を向上させます。衛星技術の導入により、電力事業者は自社の全サービス領域を調査し、自動的に送電線を確認し、規制への準拠を維持することができます。また、トラックやヘリコプターでの移動を最小限に抑えることで、コストと二酸化炭素排出量を削減することができます。Hitachi Vegetation Managerは、画像と気象・生態系・伐採計画データや機械学習を組み合わせることで、送電網全体の状況を一目で把握できるようにするとともに、洞察(インサイト)を深めることで、組織の意思決定を最適化します。

*7
米国の宇宙技術会社

(4) Hitachi Map

  Hitachi Mapは、EAM*8、APM*9、FSM*10、ADMS*11、GIS*12などの多数のアプリケーションからの情報を一つの使いやすい地理空間ビューに結合し、ユーザーが重要な情報にアクセスし、情報に基づいた意思決定を行い、即座にアクションを実行することを可能にします。ユーザーは、複数のシステムを確認したり、変化を解釈したりすることなく、重要な情報に直感的にアクセスできます。このアプローチは余分な重複作業を排除し、現場への不必要な移動による二酸化炭素排出を削減します。

*8
EAM: Enterprise Asset Management(企業設備管理)
*9
APM: Asset Performance Management(設備性能管理)
*10
  FSM: Field Service Management(現場作業管理)
*11
  ADMS: Advanced Distribution Management System(配電管理システム)
*12
  GIS: Geographic Information System(地理情報システム)

関連情報

日立製作所について

  日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。金融・官公庁・自治体・通信向けITサービスやお客さまのDXを支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、産業流通、水インフラ、ヘルスケア、家電・空調システム、計測分析システム、ビルシステムなどの幅広い領域でプロダクトをデジタルでつなぐ「コネクティブインダストリーズ」と、自動車・二輪車の分野で先進技術を提供する「オートモティブシステム」の事業体制のもと、ITやOT(制御・運用技術)、プロダクトを活用するLumadaソリューションを通じてお客さまや社会の課題を解決します。グリーン、デジタル、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長をめざします。2021年度(2022年3月期)の連結売上収益は10兆2,646億円、2022年3月末時点で連結子会社は853社、全世界で約37万人の従業員を擁しています。

日立エナジー関連情報

日立エナジーについて

  日立エナジーは、持続可能なエネルギーの未来へ向けた取り組みを加速する、グローバルな技術リーダーです。さまざまな分野のお客さまに、バリューチェーン全体にわたる革新的なソリューションとサービスを提供するとともに、お客さまやパートナーとの協創により、カーボンニュートラル実現に向けたエネルギー転換に必要な、デジタル技術を活用した変革を実現します。日立エナジーは、社会価値、環境価値、経済価値のバランスを取りながら、世界でより持続可能、より柔軟、より安心・安全なエネルギーシステムを構築する取り組みを進めています。スイス・チューリッヒに本社を置き、全世界90カ国に約38,000人の従業員を擁しており、140カ国以上の導入実績と、約1兆円の事業規模を有しています。

日立ヴァンタラについて

  日立製作所の100%子会社である日立ヴァンタラは、お客さまのデジタルに関する課題を解決し、お客さまを「今」から「次」へと導きます。お客さまとともに協創して、優れたビジネスの知見とデジタル技術をお客さまのビジネスとそのデータに適用することで、経済と社会の発展に貢献します。Fortune 100企業の80%以上が日立ヴァンタラを信頼し、新たな収益源の開拓、競争優位性の確保、コストの削減、顧客体験の向上、社会的・環境的価値の提供を支援しています。

以上

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