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企業情報ニュースリリース

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2021年4月12日

上下水道事業クラウドサービス O&M支援デジタルソリューションに、
AIを活用した設備診断、水質予測、運転支援の新機能を拡充し提供開始

運用・保全業務のDXを加速し、高効率・安定運営とノウハウ継承を支援

  株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭/以下、日立)は、上下水道事業における運用・保全業務の可視化・省力化・効率化やノウハウの継承などを支援するクラウドサービスO&M(Operation & Maintenance)支援デジタルソリューション(以下、本サービス)のラインアップに、AIを活用した設備診断、水質予測、運転支援の新機能を拡充し、本日から提供開始します。
  具体的には、ポンプやブロワなどの設備の状態を診断することでコンディション・ベースド・メンテナンス*1を可能とする「設備状態診断機能」、原水水質を予測し、薬品注入量などの適正化を支援する「水質予測機能」、学習した運転員のノウハウ・判断に基づいて将来の需要予測や運転計画を提案する「プラント運転支援機能」を追加しました。さらに、クラウドに集約した監視・点検データを組み合わせて運転管理や保全に有用な指標を算出・表示する「データ見える化機能」もラインアップに加え、データ解析系サービスを拡充しました。
  これらにより、生活に欠かせない水インフラの運用・保全業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速し、高効率・安定運営とノウハウ継承を支援します。
  今後日立は、今回追加した機能を含めた本サービスを、先進的なデジタル技術を活用したLumada*2ソリューションとして、上下水道事業体などに提供していきます。

  近年、国内の上下水道事業では、プラントの老朽化に伴う維持・更新の追加投資や、人口減少に起因する事業収入の減少などにより、事業運営のさらなる効率化が求められています。また、熟練技術者の減少に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、現場技術者の安全を確保しつつ水の安定供給を行うことが急務となっており、これまで以上に、先進のデジタル技術を活用し、人や場所に依存しない高効率で安定的な運用・保全業務への変革とノウハウの継承が求められています。

  こうしたニーズに対応するため、日立では、2018年10月から提供を開始*3した上下水道事業クラウドサービス O&M支援デジタルソリューションに、このたび、AIやアナリティクスを活用して運用・保全業務を効率化するデータ分析系機能のラインアップを新たに追加し、提供を開始します。
  今回追加した機能の概要・特長は以下のとおりで、国内の複数プラントでの実証試験を経て性能を確認しています。

(1) 設備状態診断機能

  ポンプやブロワなどの設備の運転データを収集し、AIの一種のデータクラスタリング技術であるART*4(適応共鳴理論)手法を用いて、過去の正常な設備の運転データを事前学習させることで、予兆診断の基準となるデータの相関関係を分類し、正常データのカテゴリーを自動生成します。その上で、実際の設備運転時に取得した新規データを自動分類し、正常カテゴリーと比較することにより、運転状態が正常かどうかを診断します。これにより、不具合などの状態変化を早い段階で捉えるコンディション・ベースド・メンテナンスが可能となり、大規模な故障に伴う損失コストの抑制や、整備間隔の延長などによる保全コスト縮減に貢献します。
  日立が運用を受託している浄水場において、取水、配水設備を対象に本機能の実証試験を行い、取水ポンプや配水ポンプの運転状態の変化の検知が可能となることを確認しました。この実証試験を実施した浄水場では、診断結果を日常点検に反映し、診断によって点検を強化するポイントを変える運用を行っています。

[画像]「設備状態診断機能」概念図
「設備状態診断機能」概念図

(2) 水質予測機能

  AIの一種であるディープラーニング技術を用いて、過去の運転実績データと環境条件(天候・水源)などのオープンデータを学習データとして予測モデルを構築し、予測結果を逐次提示します。数時間先の原水の状態や処理水の水質を予測することで、良好な水質を得るための客観的で適切な運転条件設定を支援することが可能です。これにより、業務の標準化、熟練者のノウハウ・判断に依存しない水質管理を行うことができます。
  日立が運用を受託している浄水場において、本機能の実証実験を行い、降雨や渇水の際に、監視システムに併設された端末から原水濁度や電気伝導率の予測値を表示し、それに基づいて取水運転の調整や薬品注入を決定するための判断材料として活用できることを確認しました。

[画像]「水質予測機能」概念図
「水質予測機能」概念図

(3) プラント運転支援機能

  浄水場のろ過池や配水設備では、運転員のノウハウ・判断に基づいて手動操作される運用も依然として残っています。本機能は、AIの一種である強化学習技術や統計解析により、運転員の知識や設備運用条件などのノウハウ・判断を学習し、学習した条件に基づいて将来の需要予測や運転計画を提案することで、運転員の業務を支援します。これにより、業務の標準化、熟練者のノウハウ・技能継承を支援することが可能になります。
  日立が運用を受託している浄水場において、配水ポンプの運用を対象に本機能の実証実験を行い、水量、水圧や配水池水位の許容範囲、所定時刻での目標値などの条件を学習させ、24時間後までのポンプやバルブ等の操作時刻と操作量のガイダンスを表示し、それに基づいて操作を行うことで、適切な運用が可能となることを確認しました。

[画像]「プラント運転機能」概念図
「プラント運転機能」概念図

(4) データ見える化機能

  クラウドに集約した監視・点検データに加え、これらを組み合わせて運転管理や保全に有用な指標を算出します。これまで、多くのデータからその時々に必要な情報を収集・整理するために時間を要していましたが、本機能によって、最新データの検索・トレンド表示・ダウンロードをスピーディーに実行できます。
  日立が運用を受託している浄水場において、本機能の実証試験を行い、河川データを含めて見える化を進め、報告書の作成や可視化された設備の稼働状況を参考として運転条件の検討などで利用できることを確認しました。

(5) 残塩管理機能 (2021年中に提供開始予定)

  配水池や給水栓における残塩の目標値を満足させるための塩素剤の注入率推奨値を反応モデルと塩素注入率や水温などのデータを用いて算出し、プラント運用条件に反映することで、適切な水質での安定供給を支援します。
  日立が運用を受託している浄水場の急速ろ過、緩速ろ過設備において実証試験を行い、本機能を用いることで平常時の残塩管理支援として有用であることを検証しました。現在、提供に向けて準備を進めています。

  日立は、水総合サービスプロバイダーとして、長年培った水事業におけるOT*5およびプロダクトの実績・ノウハウに、多様な分野での豊富な実績と知見を持つITを組み合わせて、上下水道事業を担うお客さまが抱える課題解決への貢献を通じて、社会価値、環境価値、経済価値の向上をめざしていきます。

*1
コンディション・ベースド・メンテナンス:状態基準保全のことで、設備に対して、劣化状況や故障リスクを考慮してメンテナンス要否を判断し、故障や使用限度前にメンテナンスを実施する考え方
*2
Lumada: お客さまのデータから価値を創出し、デジタルイノベーションを加速するための、日立の先進的なデジタル技術を活用したソリューション・サービス・テクノロジーの総称。
*3
IoTを活用した上下水道事業のクラウドサービス O&M支援デジタルソリューションを提供開始
*4
ART: Adaptive Resonance Theory (適応共鳴理論)。教師なし学習を行うニューラルネットの一種
*5
OT: Operational Technology(制御・運用技術)

関連情報

日立製作所について

  日立は、IT(Information Technology)、OT(Operational Technology)およびプロダクトを組み合わせた社会イノベーション事業に注力しています。2019年度の連結売上収益は8兆7,672億円、2020年3月末時点の連結従業員数は約301,000人でした。日立は、モビリティ、ライフ、インダストリー、エネルギー、ITの5分野でLumadaを活用したデジタルソリューションを提供することにより、お客さまの社会価値、環境価値、経済価値の3つの価値向上に貢献します。

お問い合わせ先

株式会社日立製作所 水・環境ビジネスユニット

以上

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