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企業情報ニュースリリース

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2014年1月31日
国立大学法人九州大学
株式会社日立製作所

九州大学がスーパーコンピュータ
「高性能アプリケーションサーバシステム」の本格稼働を開始

日立のテクニカルサーバ「HA8000-tc/HT210」などを採用、
従来システム比で、約28倍の性能を実現し、1TFLOPSあたりの消費電力は約17分の1に低減

  九州大学情報基盤研究開発センター(センター長 : 青柳 睦/以下、本センター)は、学内外の研究者にネットワークを介してスーパーコンピュータを利用した計算サービスを提供する研究用計算機システム「高性能アプリケーションサーバシステム」(以下、新システム)の試験稼働を終え、2013年12月27日から本格稼働を開始しました。

  新システムは、720.6TFLOPS*1の総合理論演算性能*2を有するシステムで、従来システムと比べ性能を約28倍向上し、また1TFLOPSあたりの消費電力は従来の約17分の1に低減しています。今後、本センターでは新システムを活用し、例えば、防災・減災に資する地球変動予測や次世代ものづくりといった研究を行うほか、さまざまな研究開発のさらなる効率化とスピード化を実現する計算機環境を研究者に提供していきます。なお、新システムは、株式会社日立製作所(執行役社長 : 中西 宏明/以下、日立)のテクニカルサーバ「HA8000-tc/HT210」965ノード*3をはじめ、スーパーテクニカルサーバ「SR16000 モデルVM1」などを採用しています。
  また、今回導入した「HA8000-tc/HT210」965ノードと本センターで稼働している高性能演算サーバを連携し、演算性能評価*4を実施した結果、1PFLOPS*5の実行性能を達成しました。

*1
TFLOPS(テラフロップス) : 浮動小数点演算を1秒間に1兆回実行する能力
*2
総合理論演算性能 : 同時に動作可能な全ての演算器が動作したときの理論上の性能
*3
ノード : スーパーコンピュータシステムを構成する独立した演算処理単位で、サーバを意味する
*4
世界のスーパーコンピュータの演算性能値をランキングするTOP500に利用されるLINPACKベンチマークプログラムの実行結果
*5
PFLOPS(ぺタフロップス) : 浮動小数点演算を1秒間に1000兆回実行する能力

  本センターは全国共同利用施設として、1969年から全国の大学や研究所の研究者に対し高度な計算サービスを提供しています。従来システムは2009年5月に稼働を開始し、学内外の研究者が流体解析や素粒子研究などの、多くの大規模科学技術計算を行ってきました。今回、高度化する研究者の要請に応えるため、演算性能を大幅に向上させた新システムの本格稼働を開始しました。

  新システムは日立の「HA8000-tc/HT210」を965ノード搭載し、712.5TFLOPSの理論演算性能を実現したPCクラスタ*6型のスーパーコンピュータを中核としたシステムです。「HA8000-tc/HT210」はCPUに最新のインテル® Xeon® プロセッサー E5-2697 v2が採用され、演算加速機構*7に最新のインテル ® Xeon Phi™コプロセッサー5110Pを搭載し、さまざまな分野の計算プログラムに対して高い計算性能を発揮します。本体には、消費電力を低減するための高効率電源や冷却ファンが採用されているほか、ラックには水冷装置を装備したドアが搭載されています。これにより、サーバから排出される熱が直接冷却されるため、本センターの空調設備への負荷も軽減できます。
  また、大容量のメモリを必要とする計算プログラムを実行する計算環境には、「SR16000 モデルVM1」を採用しました。「SR16000 モデルVM1」は1ノードに16TB*8の大容量共有メモリを実装し、CPUには32個のPOWER7®を搭載することで8.1 TFLOPSの理論演算性能を有しています。さらに、並列処理を実行する複数ノード間でファイルを共有するシステムとして、日立が独自に開発したソフトウェア「Hitachi Striping File System」を採用し、高速なデータ転送を実現しています。なお、ストレージには日立のユニファイドストレージ「Hitachi Unified Storage 100 シリーズ」を採用し、合計約4.1PB*9の大容量ディスク環境を実現するとともに、日立独自のストレージコントローラ自動負荷分散機能によって、特定のストレージに負荷の集中が始まった場合、自動的にストレージ内部で負荷を分散し処理が滞らないようにしています。また、一定期間使用しないハードディスクの回転を停止する機能を有しているため、消費電力も削減できます。

*6
PCクラスタ : 汎用プロセッサーを搭載したサーバを高速ネットワークで大量に並列接続して1つのシステムとして動作させる方式
*7
演算加速機構 : CPUの性能を向上するために組み込むハードウェア
*8
TB(テラバイト) : 約1兆バイト
*9
PB(ぺタバイト) : 約1,000兆バイト

  本センターは、今後も高性能な計算機資源を全国の研究者へ提供し、科学技術の発展に資する役割を果たしていきます。
  また、日立は、長年にわたって培ってきたスーパーコンピューティング技術を結集し、今後も最先端技術を取り入れた、高性能、省電力なスーパーコンピュータシステムの提供を通して科学技術の発展に寄与していきます。

「高性能アプリケーションサーバシステム」の概要図

[画像]「高性能アプリケーションサーバシステム」の概要図

*10
  ファイバーチャネル : データ転送方式の一つ。 主に、高い性能を有しているサーバと外部記憶装置を接続する際に利用される

「高性能アプリケーションサーバシステム」の外観

[画像]「高性能アプリケーションサーバシステム」の外観

関連情報


「高性能アプリケーションサーバシステム」に採用されている日立製品に関するWebサイト

日立テクニカルサーバ「HA8000-tc/HT210」について

[画像](左)「HA8000-tc/HT210」 (右)「HA8000-tc/HT210」専用ラック

  「HA8000-tc/HT210」は、科学技術計算用PCクラスタシステムに最適な高性能サーバです。インテル® Xeon® プロセッサーE5-2697 v2(12コア、2.70GHz)を搭載し、1ノードの理論演算性能は従来モデル*11比で1.5倍となる最大518.4GFLOPS*12を実現します。さらに、ノード間をInfiniBand*13で接続し、データ転送の高速化を実現します。

*11
  2012年11月発売の「HA8000-tc/HT210」
*12
  GFLOPS(ギガフロップス) : 浮動小数点演算を1秒間に10億回実行する能力
*13
  InfiniBand(インフィニバンド) : サーバー用の高速ネットワーク・インターフェイスの規格

他社所有商標に関する表示

  • インテル、Xeon、 Xeon Phiは米国およびその他の国におけるIntel Corporationの登録商標または商標です。
  • POWER、POWER7は、米国およびその他の国における米国International Business Machines Corp.の商標または登録商標です。
  • InfiniBandは、InfiniBand Trade Associationの商標またはサービスマークです。
  • その他、記載の会社名、製品名は、それぞれの会社の商標または登録商標です。

お問い合わせ先

九州大学情報基盤研究開発センター

准教授 渡部 善隆
電話 : 092-642-2295

株式会社日立製作所

情報・通信システム社 公共システム営業統括本部
カスタマ・リレーションズセンタ [担当 : 西本]
〒136-8632 東京都江東区新砂一丁目6番27号 新砂プラザ

以上

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