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2012年3月26日
国立大学法人東北大学金属材料研究所
株式会社日立製作所

東北大学金属材料研究所が
「新規材料設計による抜本的な新エネルギー創成と環境問題解決」を
めざす
新「スーパーコンピューティングシステム」を稼働開始

日立のスーパーテクニカルサーバ「SR16000モデルM1」を採用し、
物質・材料設計分野の国内研究機関でトップクラスとなる総合理論演算性能300TFLOPS(テラフロップス)*1を実現

[画像]新「スーパーコンピューティングシステム」

  国立大学法人東北大学金属材料研究所(所長:新家 光雄/以下、本研究所)は、物質・材料設計分野研究用の新「スーパーコンピューティングシステム」を4月16日から稼働します。新システムは、物質・材料設計分野の国内研究機関としてはトップクラスとなる300TFLOPSの総合理論演算性能を有し、従来システムと比べ約40倍の性能となります。本研究所では新システムを活用し、太陽光発電のソーラーパネルや燃料電池などの新規材料設計による抜本的な新エネルギー創成と環境問題解決に向けた研究を更に加速します。例えば、燃料電池用電極の理論設計の研究においては第一原理シミュレーション計算にかかる時間が10分の1程度に短縮されるなど、研究のさらなる効率化、スピード化が期待されます。
  なお、新システムでは、株式会社日立製作所(執行役社長:中西 宏明/以下、日立)の科学技術計算分野向けスーパーテクニカルサーバ「SR16000モデルM1」を採用しています。

国立大学法人東北大学金属材料研究所の物質・材料設計分野の研究について

  本研究所は、物質・材料の学術研究および応用研究の世界的中核拠点の一つとして、また全国共同利用研究所として、研究の高度化とその社会への還元を実現する研究を行っています。例えば、本研究所は、低炭素社会を実現する施策の一つとして注目されている太陽光発電において、一般社会へのさらなる普及につながる安価で安全な太陽光発電のソーラーパネル材料の開発や、ガソリン燃料に代わるクリーンなエネルギー源として期待される水素を高密度に貯蔵し、かつ安全に運搬するための課題解決に向けた材料設計(水素吸蔵新材料設計)、さらには、希少元素の代替材料の探索や非鉛材料の設計といった研究を行い、世界的にも注目される数多くの高度な研究成果を挙げてきました。
  なお、本研究所では、材料設計研究用アプリケーションプログラムの一つとして独自に開発した、電子波動関数を平面波基底(PWs)と数値原子軌道基底(AOs)の線形結合で表現する「全電子混合基底法」による第一原理分子動力学プログラム「TOMBO」(TOhoku Mixed-Basis Orbitals ab-initio program)を利用しています。日立は、この「TOMBO」を、スーパーコンピュータ上でより効率よく動作させ高い実行性能を実現するために、本研究所と連携しプログラムチューニング作業を行ってきました。新システムにおいても、SR16000により提供される最適化FORTRANとライブラリなどにより高い実行性能が期待されます。

新スーパーコンピューティングシステムについて

  新システムの中核を構成する日立の「SR16000モデルM1」は、1ノード*2あたりの理論演算性能980.48GFLOPS*3を有し、新システム全体として総合理論演算性能300TFLOPSの性能を実現します。これは従来のシステムと比較して約40倍の性能向上となります。主記憶容量はシステム全体で42.25TB(テラバイト)*4を実装しており、本研究所で利用される大容量メモリを必要とするプログラムに対しても、最適な計算環境を実現します。
  ストレージシステムには、日立のミッドレンジディスクアレイ「Hitachi Adaptable Modular Storage(日立アダプタブルモジュラーストレージ)2500」を採用し、1.435PB(ペタバイト)*5の大容量のディスクにより大規模分子設計における分子軌道計算途中結果などの大容量データの保存に充分耐えうる性能を実現します。加えて、長時間アクセスしないドライブの回転を停止させることで消費電力を削減するPower Saving機能を実装しています。
  さらに、複数ノードから構成されるクラスタシステム上に共有ファイルシステムを提供するソフトウェアとして「Hitachi Striping File System」を採用しています。

今後について

  本研究所は、新システムによる材料設計シミュレーション研究を推進し、物質・材料の学術研究ならびに応用研究の世界的中核拠点の一つとして、研究の高度化と社会への還元に資する役割を果たしていきます。
  また、日立は長年にわたって培ってきたスーパーコンピューティング技術を結集し、今後も最先端技術を取り入れた、高性能、省電力なスーパーコンピューターシステムの提供を通して科学技術の発展に寄与します。

用語説明

*1
TFLOPS(テラフロップス): 浮動小数点演算を1秒間に1兆回実行する能力。
*2
ノード: スーパーコンピューターシステムを構成する独立した演算処理単位で、サーバを意味する。
*3
GFLOPS(ギガフロップス): 浮動小数点演算を1秒間に10億回実行する能力。
*4
TB(テラバイト): 約1兆バイト
*5
PB(ぺタバイト): 約1,000兆バイト

新「スーパーコンピューティングシステム」の概要図

[概要図]新「スーパーコンピューティングシステム」の概要図

新システムで採用した日立製品

  • スーパーコンピュータ:スーパーテクニカルサーバ「SR16000モデルM1」
  • ストレージシステム:ミッドレンジディスクアレイ「Hitachi Adaptable Modular Storage 2500」
  • ファイルサーバ:エンタープライズサーバ「EP8000」
  • ファイルシステム:分散共有ファイルシステム「Hitachi Striping File System」

他社所有商標に関する表示

  • 記載の法人名、製品名は、それぞれの法人の商標または登録商標です。

国立大学法人東北大学 金属材料研究所に関するホームページ

新「スーパーコンピューティングシステム」に採用されている日立製品に関するホームページ

本件に関するお問い合わせ先

国立大学法人東北大学金属材料研究所
計算材料学センター責任部門 [担当:川添良幸、水関博志]
〒980-8577 宮城県仙台市青葉区片平2-1-1
TEL : 022-215-2050(直通)

株式会社日立製作所 情報・通信システム社 公共システム営業統括本部
カスタマ・リレーションズセンター [担当:西本、佐々木]
〒136-8632 東京都江東区新砂一丁目6番27号 新砂プラザ

以上

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