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Hitachi

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2011年11月25日
国立大学法人東京大学情報基盤センター
株式会社日立製作所

国立大学法人東京大学情報基盤センター、
「大規模SMP並列スーパーコンピューターシステム」を本格稼働

日立のスーパーテクニカルサーバ「SR16000モデルM1」を採用

[画像]東京大学情報基盤センター「大規模SMP並列スーパーコンピューターシステム」(スーパーテクニカルサーバ「SR16000モデルM1」)

  国立大学法人東京大学情報基盤センター(センター長:石川 裕/以下、東京大学情報基盤センター)は、10月 3日から試験運転していた「大規模SMP*1並列スーパーコンピューターシステム」を、本日11月25日から本格稼働します。なお、本システムでは、株式会社日立製作所(執行役社長:中西 宏明/以下、日立)の科学技術計算分野向けスーパーテクニカルサーバ「SR16000モデルM1」(以下、「SR16000モデルM1」)を採用しています。

*1
SMP(Symmetric Multi Processor): 複数のCPUで並行に処理を行い、あたかも1つの高性能なCPUのように動作させる技術。

  東京大学情報基盤センターは、学術研究や社会貢献を目的として、最先端のスーパーコンピューターシステムを導入し、全国の大学・研究機関に対して高水準な大規模計算サービスを提供しています。2010年からは、スーパーコンピューターシステムを有する全国8大学の情報基盤センターで構成するネットワーク型拠点「学際大規模情報基盤共同利用・共同研究拠点」の中核拠点となっています。これらの取り組みにより、東京大学情報基盤センターは、日本の科学技術の発展に大きな役割を果たしており、大規模計算を必要とするさまざまな分野の研究者に利用されています。特に大気・海洋科学の分野では、大量の大気循環、海洋循環シミュレーションの計算結果と実観測データの対比・検証を繰り返して行う必要がある地球規模の気候モデルの開発において顕著な成果をあげています。

  本システムは、1ノードあたり32台の演算プロセッサー、主記憶は200GBで構成されており、これらの計算ノードを56台搭載しています。従来システム「ベクトル並列型スーパーコンピューター」との高い互換性を有している一方で、1台の計算ノード*2の理論演算性能*3は、従来システムと比較し約6倍の約980GFLOPS*4に向上し、システム全体では54TFLOPS*5の演算性能を有しています。ソフトウェア、開発環境の高い互換性により、研究者は移行にともなう負担を感じることなく利用を継続できるとともに、さらに高速、高性能な科学技術計算処理を行う環境が提供されます。
  また、「SR16000モデルM1」は、最新のPOWER7®プロセッサーおよび電力効率化技術を搭載しているため、従来比約12倍の優れた電力性能比*6を実現します。さらに、プロセッサーの発熱を冷却水によって効率的に冷却する技術により、サーバの総発熱量の100%排熱を実現して空調機の使用量を抑制するなど環境面にも配慮しています。

*2
ノード: スーパーコンピューターシステムを構成する独立した演算処理単位でサーバを意味する。
*3
理論演算性能: 実際にプログラムを実行したときの性能ではなく、同時に動作可能な全ての演算機が動作したときの性能。
*4
GFLOPS(ギガフロップス): 浮動小数点演算を1秒間に10億回実行する能力。
*5
TFLOPS(テラフロップス): 浮動小数点演算を1秒間に1兆回実行する能力。
*6
電力性能比: 理論演算性能を最大消費電力で除した値。

  東京大学情報基盤センターは今後も学術研究や、社会貢献をめざした計算機資源の提供を行っていきます。
  また、日立は長年にわたって培ってきたスーパーコンピューティング技術を結集し、今後も最先端技術を取り入れたテクニカルサーバの開発を進め、高性能、省電力なスーパーコンピューターの提供を通して科学技術の発展に寄与します。

東京大学情報基盤センターにおける「SR16000モデルM1」と「SR11000モデルJ2」の比較

項目 「SR16000モデルM1」
(新システム)
「HITACHI SR11000モデルJ2」
(旧システム)
システム性能 54,906.88GFLOPS 18,841.6GFLOPS
ノード数 56 128
1ノード当たりの
主記憶容量
200GB 128GB
ノード性能 980.48GFLOPS 147.2GFLOPS
1コア当たりの
演算性能
30.64 GFLOPS 9.2GFLOPS
1ノード当たりの
コア数
32 16
SMT機能*7 あり
(最大4スレッド/コア)
なし
ノード間
ネットワーク
階層型完全結合 3次元クロスバ
ノード間
転送性能
96GB/s(単方向)×双方向 12GB/s(単方向)×双方向
磁気
ディスク
装置
556TB 94.2TB
OS
及び構成
AIX V7.1(クラスタ構成) AIX V5.3(クラスタ構成)
*7
SMT(Simultaneous Multithreading):1つのCPUコアで複数のスレッドを同時に実行する技術。

東京大学情報基盤センターについて

  スーパーコンピューティング部門、情報メディア教育部門、図書館電子化部門およびネットワーク部門の合計4部門から構成されています。本システムを運用するスーパーコンピューティング部門は、学術研究・教育を目的として一貫してその時代における最先端の計算機システムを導入し、全国の大学・研究機関や企業に対して高水準な大規模計算サービスを提供しています。

「学際大規模情報基盤共同利用・共同研究拠点」について

  北海道大学、東北大学、東京大学、東京工業大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学のスーパーコンピューターを有する8つの施設を拠点とし、その中で東京大学情報基盤センターがその中核拠点として機能するネットワーク型の共同利用・共同研究のための拠点です。地球環境、エネルギー、物質材料等の科学・工学分野における科学技術シミュレーションなど超大規模数値計算系応用分野や、ゲノム情報やセンサーネットワークからの時系列データといった超大規模データ処理系応用分野などこれまでに解決や解明が極めて困難とされてきた問題について、共同利用・共同研究によって、研究テーマの一層の発展をめざしています。

関連情報

他社所有商標に関する表示

  • POWER7、AIX は米国およびその他の地域における米国International Business Machines Corpの商標および登録商標です。
  • その他、記載の法人名、製品名は、それぞれの法人の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

国立大学法人東京大学情報基盤センター 総務係
TEL : 03-5841-2710

株式会社日立製作所 情報・通信システム社 公共システム営業統括本部
カスタマ・リレーションズセンタ [担当:西本、荒川]
〒136-8632 東京都江東区新砂一丁目6番27号 新砂プラザ

以上

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