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2010年9月29日
株式会社日立製作所
日立(中国)有限公司

日立がSSTECと天津エコシティにおける具体的な協力内容について合意

中国でのスマートシティ事業への取り組みを強化

  株式会社日立製作所(執行役社長:中西宏明/以下、日立)は、このたび、中国−シンガポール天津エコシティ投資開発会社(Sino-Singapore Tianjin Eco-City Investment and Development Co., Ltd./以下、SSTEC)と、中国政府とシンガポール政府が協力事業として中国・天津市郊外に開発を進めている環境配慮型都市のモデルとして世界的に注目を集める「中国・シンガポール天津エコシティ」(中国名: 中新天津生態城/以下、天津エコシティ)における具体的な協力内容について合意しました。
  具体的には、環境配慮型ビジネス中心街区であるEco-Central Business District (以下、Eco-CBD)の開発おける技術協力とビルエネルギーマネジメントシステム(以下、BEMS)分野における協力に合意しました。また、地域内のエネルギーを効率的に制御するためのコミュニティエネルギーマネジメントシステム(以下、CEMS)の導入に向けた検討、電気自動車(以下、EV)普及促進のための協議会への参画、ホームエネルギーマネジメントシステム(以下、HEMS)のマンションへの導入を通じて、天津エコシティの構築に向け、より具体的な協力を行っていきます。さらに、中国におけるスマートシティ事業に関する研究開発拠点を天津エコシティ内に設置することで合意しました。

  天津エコシティは、中国とシンガポールの協力事業として進められている省資源、資源循環の効率化をコンセプトとした大規模環境都市開発プロジェクトです。天津市の中心部から約40キロの郊外にある約30平方キロメートルの塩田跡に、2008年9月から建設が開始されており、2013年頃に初期開発区(4平方キロメートル)が、2020年〜2025年頃に人口35万人、11万戸の都市が完成する見込みです。今後、中国をはじめとするアジア地域などで進められる環境配慮型都市のモデルとして、世界的に注目されています。

  日立とSSTECは、2010年5月5日に、天津エコシティで適用可能な日立の持つ技術とソリューションを共同で検討、選定していくことに合意し、共同検討タスクフォースを立ち上げて推進してきました。今回、具体的な協力として、天津エコシティの構築における中核プロジェクトであるEco-CBD開発プロジェクトへ参画していきます。このプロジェクトは、CO2排出を可能な限り削減することにより、自然環境に配慮しながら、そこで就業する人々の利便性を追求した新しい形態のビジネス中心街区の実現をめざすものです。日立は、太陽光発電などの新エネルギーや蓄電池を活用したHEMS、BEMS、CEMSの実現、EVなどのモビリティの最適な管理・誘導のため、情報セキュリティが一体となった情報制御基盤の構築、これらを支える省エネルギーデータセンター分野に関し、技術協力を行う予定です。
  また、EVの普及ならびにEVに関わる産業の発展をめざし、2020年までに天津エコシティ内の自動車の90%以上のEV化をめざす新たな取り組みである、Eco-City New Energy Vehicle Allianceへ参画しました。日立は、本協議会においてEVの充電サービス、レンタルサービスなどを行うEV-Hubの実現に向け、EVの位置情報、充電情報やユーザの情報管理を行うシステムの開発、緊急車両管理システムやカーシェアリング管理システムなどの分野での協力を検討していきます。
  さらに、HEMSに関して、天津エコシティ内に建築中のマンションへの導入が決定しました。本受注は、これまで世界各地で行われている実証プロジェクトとは異なり、大型都市で実際に使用されるシステムの受注となります。また、本成果に基づき、天津エコシティでの追加採用および他のプロジェクトへの採用に向け、SSTECと協力していきます。

  日立は、中国におけるスマートシティ事業の拡大をめざし、天津エコシティ内にスマートシティ事業の研究開発拠点を設けて、最先端の技術、ソリューションを他のスマートシティプロジェクトへの水平展開をめざします。加えて、日立の中国における統括会社である日立(中国)有限公司に、2010年10月1日付で、スマートシティ事業の新組織を設置し、今後中国全土で建設が計画されているエコシティプロジェクトへの事業展開を強力にサポートしていきます。

  日立は、経営のフォーカスとして「グローバル」「環境」「融合」の3つを掲げ、社会イノベーション事業の拡大による成長をめざし、そのキーとなる事業として、スマートシティ事業を推進しています。日立の考えるスマートシティとは、情報通信システムを活用することによりエネルギー、水、モビリティや環境・リサイクルなどの社会インフラを連携させるシステムを構築し、都市を安全・安心で、快適なものとして維持させながら、CO2削減などの環境負荷の最小化や、総合的な社会コストを抑制することをめざすものです。これまで、世界初の大規模蓄電池併設型風力発電所を活用した住民居住型のスマートグリッド実証実験である青森県六ヶ所村スマートグリッド実証実験、米国ニューメキシコ州でのスマートグリッド実証実験、インドでのデリー・ムンバイ間産業大動脈構想プロジェクトでの事業可能性調査などへ参画し、事業化に向けた取り組みを行ってきました。

  今回、日立は、環境配慮型の大規模都市開発プロジェクトとして世界的にも注目を集める天津エコシティへ日立グループの総力を挙げて本格的に参画し、SSTECと協力してグローバルスタンダードをめざしたオープンプラットフォームを構築していきます。さらに、国内外の先進的企業ともパートナーシップを構築しながら、市場の大きな伸長が見込まれる中国やインドを含むアジア地域などの新興国を中心に スマートシティ事業を積極的に展開し、拡大していきます。

  今回締結した契約の具体的な内容は次の通りです。

天津エコシティでのEco-CBD構築への開発協力

  Eco-CBDは、SSTECが開発する天津エコシティ内の緑に囲まれた低炭素型のビルや、EVなどのグリーン交通システムが整備された環境配慮型ビジネス中心街区です。日立は、Eco-CBD開発プロジェクトのメンバーとして、HEMS、BEMS、CEMSの実現のほか、EVなどのモビリティの最適な管理・誘導のため、情報セキュリティが一体となった情報制御基盤の実現、省エネルギーデータセンター分野の開発に協力していきます。

天津エコシティでのエコカー普及に向けたEco-City New Energy Vehicle Allianceへの参画

  天津エコシティ内でのEVなどのエコカーの普及に向けた、管理システムや関連サービスの構築 などを推進する協議会であるEco-City New Energy Vehicle Allianceに参画しました。

天津エコシティでのCEMSやEVの導入に関する具体的協力

  日立とSSTECは、2010年5月5日に、天津エコシティで適用可能な日立の持つ技術とソリューションを共同で検討、選定していくことに合意しており、今回新たに、スマートシティを構築する上で重要となるCEMSや都市内の移動手段であるEVの天津エコシティでの具体的な導入を めざし、システム設計、開発などでの協力に合意しました。

天津エコシティ内の住宅向けHEMSを受注

  SSTECを中心とする企業連合から、新たに建設される約900戸を対象に、各戸のエネルギー消費の監視・管理などを行うHEMSを受注しました。第一期分として、2011年6月に450戸分を納入する予定です。

天津エコシティ内に研究開発拠点を設置

  日立は、2010年末までに、天津エコシティのEco Business Parkエリアにあるビル内に約2,000平方メートルのオフィススペースをSSTECから借り受け、HEMS、BEMS、CEMSやEVなどが導入されるグリーン交通システムなどのスマートシティ向けに提供するソリューションの研究開発を推進します。また、天津エコシティにおける各エネルギーマネジメントシステムの運用、メンテナンス、各種サービス提供の拠点としても活用する予定です。さらに、営業所やショールームなども設置し、開発成果の積極的な発信や新たなプロジェクト提案の場としていきます。

以上

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