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2010年9月15日
日本風力開発株式会社
トヨタ自動車株式会社
パナソニック電工株式会社
株式会社日立製作所

「六ヶ所村スマートグリッド実証実験」開始

  日本風力開発株式会社(以下「JWD」)、トヨタ自動車株式会社(以下「トヨタ」)、パナソニック電工株式会社(以下「パナソニック電工」)、株式会社日立製作所(以下「日立」)は、青森県六ヶ所村において、低炭素社会実現に向けた効率的なエネルギー利用を実証することを目的に、世界初の大規模蓄電池併設型風力発電所を活用した住民居住型のスマートグリッド実証実験を本年9月16日から開始します。

  「スマートグリッド」を構築するためには、それぞれの国・地域が抱える電力事情(電源、送電線)や通信インフラ事情に合わせ、新エネルギーによる発電設備、電気自動車・プラグインハイブリッド車や蓄電池、蓄熱機器などの蓄エネルギー機器を導入する必要があると考えられます。現在、これまでにない電力エネルギーの移動形態、エネルギー調整手段の多様化を見据え、発電側で調整されていた従来の方法から、ICT(Information and Communication Technology)を活用し、需要側も対象とした需給調整への発展が見込まれます。

  JWD、トヨタ、パナソニック電工、日立は、今回、風況に恵まれ、風力発電導入量が国内最大の六ヶ所村において、系統電力から独立した電力網であるクローズドグリッドを独自に構築し、需要と供給の連動を支える技術開発と共同での実証実験に取り組んでいきます。

1. プロジェクト概要

期間 2010年9月〜2012年7月(予定)
地域 青森県上北郡六ヶ所村大字尾駮(おぶち)(全体概要参照)

2. 特徴

  世界初の大規模蓄電池併設型風力発電所を活用したCO2を排出しないクローズドグリッドを構築しました。国内外での早期の事業化をめざし、自然エネルギー発電を電源として電力供給側と需要側を協調させ、実証する地域全体でエネルギーマネジメントを行い、エネルギー効率の最適化を実証します。
  具体的には、対象となる国・地域(日本、欧州、新興国、資源国など)の電力事情(電源、需要、需給バランス)および地域事情(離島、気候その他特殊事情)を想定したクローズドグリッドでしか実証できないシナリオを作成し、エネルギー利用の効率化を実証します。

  • 自然エネルギー(風力発電、太陽光発電)を供給源としたクローズドグリッド
  • 実生活データに基づく実証
  • 系統電力から独立したローカル市場モデルを模擬実験することが可能
  • 供給側、需要側双方に蓄エネルギー機器を設け、多様な運用が可能

3. 主要設備

六ヶ所村二又風力発電所(既設)
コントロールセンター : JWD、日立
全体需給制御システムとして発電側と蓄電設備などへのエネルギー貯蔵を連携する監視制御システムを新設(イオスエンジニアリング&サービス株式会社トレーニングセンター内に設置)
スマートハウス : JWD
六ヶ所村の分譲地「尾駮レイクタウン北地区」に、実証棟として「スマートハウス」6棟を新設し、実生活環境を構築
自営線(約8km、6.6kV電力ケーブル・通信用光ファイバー) : JWD
六ヶ所村二又風力発電所と尾駮レイクタウン北地区の間に専用自営線を新設
エネルギーマネジメントシステム : JWD、トヨタ、パナソニック電工
スマートハウスに3種類のホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS)を設置
自動検針システム : 日立
スマートハウスなど消費地点にスマートメーターを設置
太陽光発電設備(100kW) : 日立
蓄電池(NAS電池 100kW級) : JWD
グリッド内の電力需要量をコントロールするHUB蓄電池(地域用蓄電池)として設置
プリウスプラグインハイブリッド(PHV 8台) : トヨタ
充電スタンド : トヨタ

4. 実験内容

  • 様々な電力事情を模擬することが可能な電力環境を利用し、対象となる国・地域に合わせ、各種需給調整手法の実効性とエネルギーマネジメントシステムの機能を評価します。
  • CO2削減要求の高い地域、電力供給が不安定な地域や自然エネルギーの活用効率の向上を図る地域などの様々なニーズに応えるための電力供給システムの技術確立をめざします。
  • 需要側での発電を効率的に利用するために、供給側の調整方法として、実証システム内での自然エネルギー発電状況に応じた電力貯蔵・放電など技術的にレベルの高い制御を行います。
    供給側では、自然エネルギー発電量が多い時は、HUB蓄電池の充電および蓄熱機器へのエネルギー貯蔵を実施します。発電量が少ない時は、HUB蓄電池から電力供給を実施します。また、HUB蓄電池が放電下限容量となった場合には、需要側への電力供給を停止し、停電させる実験も実施します。
    なお、発電予測に基づき、エネルギー貯蔵を制御してHUB蓄電池、蓄熱機器への稼動調整を実施します。
    需要側に対する調整手法として、情報提供(発電状況・電力単価)による需要誘導、デマンドレスポンス(機器の直接制御など)の各調整手法を単独または複数の組み合わせにより実施します。また、一部の機器を使って市場メカニズムに基づく電力取引を実証する計画です。

各社の取り組み

JWD

  自然エネルギー発電のもつ不安定さに対し、HUB蓄電池での供給側の調整と、需要側(スマートハウス)の電力負荷コントロールとの協調によるCO2フリーの電力需給制御システムを構築します。スマートハウス側では、発電状況、居住者の電力使用状況、行動パターンなどに基づき電力利用を計画・コントロールするエネルギーマネジメントシステムを設置し、快適性を保ちながら供給側と協調するシステムを開発します。

トヨタ

  スマートハウス、PHVの運行管理システム、電力消費/蓄電計画を作成、制御するシステム「TSC」(TOYOTA Smart Center)、を実証。TSCは、電力消費状況から消費パターンと電力の供給負荷を考慮してバッテリーへの蓄電やエコキュートを制御。さらに電力状況を見える化するツールとしてコミュニティ向けに「TSV」(TOYOTA Smart Vision)、ユーザー向けにHEMSモニター、スマートフォン、車載ディスプレイオーディオの活用を実証します。

パナソニック電工

  不安定な自然エネルギーを主な供給源とするスマートグリッドシステムのなかで、グリッドシステムと連携するHEMSを活用し、『電力供給側の要望』と『電力需要側(住人)の快適さ』の両立を図るための調査と対策の検討を実施します。また、寒冷地対応型の高気密・高断熱住宅とHEMSの連携による省エネ効果の検証と、HEMS設備の寒冷地対応性の検証も進めていきます。

日立

  日立が長年にわたり培った系統制御技術、自動検針技術を適用し、風力・太陽光発電と蓄エネルギー装置の導入により、自然エネルギーを最大限に利用するための、蓄エネルギー制御、負荷制御技術の検証を行います。具体的には、連系点潮流、地域用太陽光発電監視、スマートメーターによる各スマートハウスの消費・発電電力量を測定し、HUB蓄電池制御を行う電力コントロールセンターを開発、提供します。また、グリッド内の主電源として100kWの太陽光発電設備を提供します。実運転データに基づく特性評価を行い電力制御の性能向上に役立てます。

参加企業一覧

*50音順

<主要メンバー>

  • 日本風力開発株式会社
  • トヨタ自動車株式会社
  • パナソニック電工株式会社
  • 株式会社日立製作所

<プロジェクトアドバイザー>

  • スパークス・グループ株式会社

<協力企業>

  • イオスエナジーマネジメント株式会社
  • イオスエンジニアリング&サービス株式会社
  • エネルギー戦略研究所株式会社
  • 積水ハウス株式会社
  • 株式会社デンソー
  • トヨタホーム株式会社
  • トヨタメディアサービス株式会社
  • 日立アプライアンス株式会社
  • 株式会社日立エンジニアリング・アンド・サービス
  • 株式会社日立情報制御ソリューションズ
  • 二又風力開発株式会社

<協力自治体>

  • 青森県六ヶ所村

[画像]全体概要

以上

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