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Hitachi

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2010年4月7日
株式会社日立製作所
株式会社日立国際電気エンジニアリング

複数の人の脳を同時に計測できる、
小型・携帯型『ウェアラブル光トポグラフィ』を販売開始

  株式会社日立製作所(執行役社長 :中西宏明/以下、日立)と株式会社日立国際電気エンジニアリング(代表取締役社長 佐藤徹/以下、HKDE)は、脳活動に伴う脳内血液量の変化を計測することにより、日常生活の脳活動の把握・研究に活用することができる「ウェアラブル光トポグラフィ*1」を開発しました。HKDEが製品化、日立が販売を担当し、大学などの研究機関向けに非薬事品*2として7月から販売します。

  本製品は、日立の光トポグラフィ法に関する研究開発の成果や、HKDEの小型回路実装技術、省電力化技術など、日立グループの技術を活用したものです。両社は本製品の提供を通じ、より日常に近い状況の中で脳活動を把握したいというニーズに対応していきます。

*1
ウェアラブル光トポグラフィは日立製作所の登録商標です。
*2
医療用、診断用に利用することはできません。

  光トポグラフィ法は、1995年に世界に先駆けて日立が開発しました。微弱な近赤外光を頭皮上から照射して、脳活動に伴う脳内血液量の変化を無侵襲で計測し画像化する技術です。2001年に株式会社日立メディコが医療用装置として販売開始しました。さらに光トポグラフィ法は、脳科学や認知科学、心理学、教育学などの研究分野においても有効であり、より手軽に幅広く利用したいという声が広がってきています。

  こうしたニーズに対応し、日立は2007年5月に携帯型光トポグラフィ技術試作を発表するとともに、2009年11月には2チャンネルの頭部近赤外分光計測装置の販売を開始するなど、より日常に近い状況の中で計測するための技術開発を推進してきました。

  本製品は、頭部に装着するヘッドセット、計測するための設定や計測結果を保存する携帯制御ボックス、計測結果を表示する計測コントローラの3点で構成されます。携帯制御ボックスと計測コントローラは無線LANによる双方向通信を用いて、計測結果をリアルタイムに計測コントローラに表示することができます。また、無線LANを使わなくても、ヘッドセットと携帯制御ボックスで計測することができます。

  ヘッドセットは頭部への密着性を向上するために、光源と受光部をブロック化しました。また、2種類のレーザーダイオードを1つのパッケージに実装することで、小型化を実現しました。独自に開発した705nmのレーザーダイオードを採用することで、高い信号精度を維持しています。さらにヘッドセットと携帯制御ボックスを増設することで、1台の計測コントローラで最大4人の同時計測が可能です。

  両社では、本製品を通じて、より日常に近い状況における脳活動を計測できる手法を多くの研究機関に提供し、脳科学や認知科学、心理学、教育学などの研究分野の発展に貢献していきます。

本製品の主な特長

(1) 2波長のレーザーダイオードのパッケージ化による小型化

  2つの異なるレーザーダイオードを1つのパッケージにすることで、ヘッドセット重量を約700gとする小型化を実現しました。さらに、携帯制御ボックスも約650gに抑えました。これによりヘッドセットと携帯制御ボックスの装着時の負荷を軽減したことで、より日常生活に近い状態で脳活動を計測できるようにしました。

(2) 光源と受光部をブロック化したヘッドセットを開発

  これまでの製品や技術試作ではヘッドセット形状が円形状に固定されていたため、被験者の頭の形や大きさによってはセンサー部分の額への密着度が低い場合がありました。そこで、光源と受光部をブロック化した構造とすることで、センサー部分の被験者の密着度を図りました。

(3) 1台の計測コントローラで最大4人同時計測を実現

  ヘッドセットと携帯制御ボックスを増設することにより、1台の計測コントローラで最大4人同時に計測し、それぞれの計測結果をリアルタイムに表示・保存することができます。これにより、同時計測による実験の効率化や、最近注目されている、会話時のような複数脳の同時計測が必要な研究分野への新たなアプローチが可能になります。

お問い合わせ先

株式会社日立製作所 新事業開発本部 人間指向ビジネスユニット [担当:吉村]
〒100-8010 東京都千代田区丸の内一丁目1番6号
TEL : 03-4564-2584 (直通)

以上

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