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2009年12月17日

市販のセンサや既存の監視システムとの接続が可能な
センサネット情報システム「日立AirSenseソリューション」を発売

  株式会社日立製作所(執行役会長兼執行役社長 : 川村 隆/以下、日立)は、このたび、センサで温度や湿度、振動などの情報を収集し、無線ネットワーク上で統合的に管理するセンサネット情報システム*1「日立AirSense」シリーズの新しいラインアップとして、市販のセンサや既存の監視システムとの接続が可能な「日立AirSenseソリューション」を12月17日に発売します。「日立AirSenseソリューション」は、無線通信端末(センサノード)と無線基地局にRS-232CやRS-485などの汎用インタフェースを搭載し、ソフトウエアの修正だけで市販のセンサや既存の監視システムと相互接続ができるため、工場や店舗などで低コストで無線ネットワークを構築することが可能になります。

  近年、工場やデータセンタでは、省エネのため設備ごとの電力使用量やエネルギー使用量を細かく監視・管理する動きが活発になっています。また、食品工場やコンビニ、スーパー、レストランなどの店舗では、食品の安全と品質の保持を規定したHACCP*2に対応するため、温度や湿度をよりきめ細かに監視するなど、衛生管理の強化が求められています。さらに現在、省エネの取り組みが進む中、既存の設備に設置されている市販のセンサや稼働中のシステムを活用した、より効率的な監視システムへのニーズが高まっています。このようなニーズに対応するために、これまで工場やデータセンタのきめ細かな温度・照度計測や、食品工場や厨房の温湿およびパーティクル*3などの監視システムに利用されてきた「日立AirSense」シリーズの新しいラインアップとして、市販のセンサや既存の監視システムとの接続が可能な「日立AirSenseソリューション」を12月17日に発売します。

  今回発売する「日立AirSenseソリューション」は、市販センサと接続する無線通信端末、無線ネットワークを制御し既存の監視システムに接続する無線基地局、無線通信端末と無線基地局間をマルチホップ*4でデータ転送する中継器で構成されます。無線通信端末は汎用インタフェース別に6タイプ、無線基地局も汎用インタフェース別に3タイプ用意しており、市販のセンサや既存の監視システムと接続することができます。また、市販のセンサや既存の基地局と接続する際に必要であったハードウエアのカスタマイズが不要で、ソフトウエアの修正だけで相互接続ができるため、工場や店舗などで低コストで無線ネットワークを構築できます。本システムを導入することにより、例えば、工場の各種製造ラインの中から電力やエネルギーを多く使用しているラインを選び、該当するラインの電力使用量やエネルギー使用量を無線ネットワークにより重点的に監視・分析し、その結果を省エネや設備の改善に反映するといったことが低コストで可能になります。

本システムの特徴

(1)市販センサと接続できる汎用インタフェース付き無線通信端末

  センサで集めた情報を送信する無線通信端末は、汎用インタフェースを搭載しており、インタフェース別にパルス入力、接点入力、4-20mA、電圧入力、RS-232C、RS-485の6タイプ用意しています。これらの無線端末を使用することにより、各種の市販センサとの接続が容易にできます。

(2)既存の監視システムと接続できる汎用インタフェース付き無線基地局

  無線端末により送信された情報を集積する無線基地局は、汎用インタフェースを搭載しており、インタフェース別にイーサネット、RS-232C、RS-485の3タイプ用意しています。これらの無線基地局を用いることにより、情報ネットワーク、制御ネットワークを問わず、各種の既存監視システムに容易に接続できます。また、無線通信端末および無線基地局は、計測データを所定のフォーマットに変換するなどのソフトウエアの修正だけで市販センサおよび既存の監視システムに接続できるため、低コストで無線ネットワークを構築できます。

(3)その他の特徴

  • 拡張が容易で高信頼な無線方式
    無線は、2.4GHz帯域を利用したメッシュネットワーク*5です。中継器が無線通信端末と無線基地局間をマルチホップでデータ転送します。中継器を追加するだけで、無線ネットワークエリアを容易に拡張することができます。また、メッシュネットワークを構成するため、一方の無線ルートが遮断されても、うかい路を使ったデータ転送が可能です。
  • センサネット統合管理ソフトAirsenseWare
    AirsenseWareは、無線ネットワーク管理、データの計測、計測データの管理を行うミドルウエアソフトです。計測データのグラフ表示、計測異常時のアラーム通報が可能です。
  • 無線ネットワークの通信品質の評価ツールの提供
    無線ネットワークを設計する際に、無線通信品質評価ツールを提供することで、無線通信端末間の通信品質を評価できるため、安定した無線ネットワークを構築することができます。

汎用インタフェース付き無線通信端末と無線基地局の共通仕様

製品名 仕様
無線方式 無線周波数 2.4GHz
無線方式 IEEE802.15.4準拠 メッシュネットワーク
無線通信距離 屋内 30m〜45m(無線環境により異なります)
見通し 約150m
サイズ 69mm(W) × 100mm(H) × 31mm(D)
電源 ACアダプタ(AC100V〜240V)

汎用インタフェース付き無線通信端末(6タイプ)

No. インタフェース 仕様
1 パルス入力 入力点数 4点
無電圧接点またはオープンコレクタ入力
入力パルス周波数
〜1KHz(1チャネル)
〜100Hz(3チャネル)
2 接点入力 入力点数 4点
接点またはオープンコレクタ入力
接点入力の状態監視
3 4-20mA 入力点数 2点
4 電圧入力 入力点数 2点
入力レンジ DC1〜5V
5 RS-232C ポート数 1ポート
転送方式 全二重
  通信速度 〜9600bps
6 RS-485 ポート数 1ポート
転送方式 半二重
  通信速度 〜9600bps

汎用インタフェース付き無線基地局(3タイプ)

No. インタフェース 仕様
1 イーサネット ポート数 1ポート(RJ-45)
プロトコル TCP/IP
LANインタフェース 100BASE-TX/10BASE-T
2 RS-232C ポート数 1ポート
転送方式 全二重
  通信速度 〜9600bps
3 RS-485 ポート数 1ポート
転送方式 半二重
  通信速度 〜9600bps

本システムの構成図

[イメージ]本システムの構成図

*1
センサネット情報システム : センサ、無線通信機能、駆動電源を備えたセンサノードと呼ばれる小型端末によって、モノや人、環境などの状態を計測し、それらをネットワークで結ぶシステム。本システムと各種センサ搭載したセンサノードを利用することにより、人の有無や、照度・温度・湿度・加速度・振動といった環境の状態を常に計測することが可能となる。
*2
HACCP : Hazard Analysis Critical Control Pointの略で、総合衛生管理製造工程と呼ばれる衛生管理システム。原料から製造工程、流通、販売全てにわたり危害を予測、分析、防止し、品質維持と不良製品出荷を未然に防ぐシステム。
*3
パーティクル : 空気中の微小な粒子のこと。
*4
マルチホップ : データを伝送する際に、送信機から受信機に直接伝送されるのではなく、中継機を経由してデータを伝送する方式。
*5
メッシュネットワーク : 複数の無線端末の間にメッシュ状の無線伝送路を構築し、無線端末同士が相互に通信を行なう方式。目的の無線端末にデータを伝送する場合に、メッシュ状の無線伝送路から最適な伝送路を選択してデータを伝送することができる。

お問い合わせ先

株式会社日立製作所 ワイヤレスインフォベンチャーカンパニー [担当 : 志村]
〒101-8608 東京都千代田区外神田一丁目18番13号
TEL : 03-4564-4376 (代表)

以上

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