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2009年12月9日

ノーテル社の次世代移動通信システムに関するソフトウェア資産を買収

次世代移動通信システム事業のグローバル展開を強化

  株式会社日立製作所(執行役会長兼執行役社長 : 川村 隆/以下、日立)は、このたび、Nortel Networks Limited.(カナダ・オンタリオ州)およびNortel Networks Inc.(米国・テネシー州)、Nortel Networks Technology Corporation(カナダ・オンタリオ州)から、高速通信(100Mbit/s)を可能とする新たな携帯電話の次世代移動通信システムの仕様であるLong Term Evolution(以下、LTE)*1の中核となるネットワーク機器開発に関連するソフトウェア資産を1,000万ドルで買収しました。
  日立は、今回の買収により、今後、需要の拡大が見込まれるLTE分野におけるグローバル市場への早期参入を図ります。

  現在、携帯電話やパソコンのデータ通信カード端末に代表されるモバイル通信分野では、大容量のデータファイル転送、音楽および動画のストリーム配信、オンラインゲームといったニーズの高まりから、広帯域通信への需要が年々高まっています。
  このようなニーズに対応し、LTEは、移動通信システムの標準化団体3GPP*2において規格化が進められ、2009年3月に仕様が策定されました。「3.9世代移動通信システム」と呼ばれるLTEは、無線通信でありながら、ADSL*3やケーブルテレビで用いられているFTTH*4並みの速度を実現するのみでなく、これまでの携帯電話と比較し、パケット伝送の遅延を抑えられることも大きな特長です。
  これにより、従来、固定回線を用いた家庭やオフィスでのみ実現できた大容量データ、ハイビジョン映像など、豊富なマルチメディアコンテンツの送受信をはじめ、多様なサービスを携帯電話およびデータ通信で利用することが可能となります。

  日立のLTEネットワーク機器は、移動体携帯端末の接続情報を管理するMobility Management Entity(MME)*5、ユーザーデータを中継するServing Gateway*6および外部ネットワークと接続するPDN Gateway*7から構成されています。現在、世界の移動通信システムの主流である「第2世代移動通信システム」や「第3世代移動通信システム」の機能も有していることから、ユーザーの現行システムも活用することが可能です。

  日立は、2008年12月にKDDI株式会社から、LTEの中核となるネットワーク機器ベンダに選定され、開発に取り組んできました。さらに、2009年5月には、米国子会社のHitachi Communication Technologies America, Inc.にモバイル開発センタを新設し、次世代移動通信システムにおける設計・開発の強化を図っています。

*1
LTE : Long Term Evolutionの略で、携帯電話の高速なデータ通信仕様の一つ。
*2
3GPP : 3rd Generation Partnership Projectの略で、第3世代(3G)移動通信システムの標準化プロジェクト。
*3
ADSL : Asymmetric Digital Subscriber Lineの略で、電話線を用いて高速なデータ通信を行う技術。
*4
FTTH : Fiber To The Homeの略で、光ファイバーによる家庭向けのデータ通信サービス。
*5
MME : Mobility Management Entityの略で、端末の位置登録や呼出、基地局間ハンドオーバなどのモビリティ管理を行うノード。
*6
Serving Gateway : LTEおよび3Gアクセスを行う携帯端末に対して、ユーザーデータの中継機能を実現するノード。
*7
PDN Gateway : Packet Data Node Gatewayの略で、コアネットワークとIMS(IP Multimedia Subsystem、マルチメディアアプリケーションをIPで実現するためのサブシステム)、またはISPや企業ネットワークなどの外部ネットワークとの接続を実現するノード。

以上

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