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Hitachi

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2009年10月6日
株式会社日立製作所
日立オートモティブシステムズ株式会社

3つのMEMSセンサを1チップに搭載した
自動車走行姿勢検出用の3軸複合センサを開発

エンジンルーム内での使用に対応した温度・振動耐性を確認

  株式会社日立製作所(執行役会長兼執行役社長:川村 隆/以下、日立)と日立オートモティブシステムズ株式会社(取締役社長:おおぬまくにひこ)は、このたび共同で、自動車の走行姿勢を検出して横滑りを防止するシステム向けに3軸のセンサを1チップ化するとともに、耐熱性および振動耐性を高めて従来の車室内からエンジンルームへの設置を可能にした小型複合センサ技術を開発しました。この複合センサは、MEMS*1の微細加工技術を用いて、回転に伴う角速度(1軸)と、自動車の前後、左右に働く加速度(2軸)を測定する3個のセンサを、3.4mm×8.3mmの1チップ上に搭載したもので、3軸の測定データから車体の動作を求め、ブレーキを自動的に制御し適正な走行状態を保つことができます。また、複合センサに制御LSIと電源を組み合わせたセンサモジュールを試作し、検証実験を行ったところ、エンジンルームで使用可能な温度耐性(-40〜+125℃)と振動耐性を確認しました。これにより、エンジンルーム内の油圧制御部に直接センサモジュールを取り付けることが可能となるため、車室内に設置する場合に比べ、配線部品などが不要となり、システムの低コスト化が期待できます。

  より安全で快適な自動車へのニーズが高まるなか、近年、自動車が横滑りやスピンを起こした際に、適正な走行状態に復元する横滑り防止システムの搭載が普及し始めています。横滑り防止システムでは、自動車にかかる角速度(回転)と、前後、左右に働く加速度をセンサで測定し、車体の動作を求めます。さらに、その情報を操舵角(車体の進行方向)情報と比較して横滑りの有無を判定し、主に各タイヤのブレーキを制御して車両を適正な走行状態に復元します。
  米国では、2012年までに段階的に4.5t未満の全車両に横滑り防止システムの装備が義務化されるとともに、欧州でも同様の動きがあることから、今後、アジアでも装備の標準化が進むと推測されますが、小型車を含めた全車種に適用するためには、システムコストの低減や設置方法の簡易化が必要です。これらの要求に対応するためには、センサモジュールの小型化に加え、従来、車室内に搭載されていたセンサをエンジンルーム内の油圧制御ユニットに直接搭載し、配線部品のコストを削減することが有効です。このため、エンジンルーム内の温度環境(-40〜+125℃)や振動に耐性のある小型センサ技術の開発が求められていました。

  このような背景のもと、日立と日立オートモティブシステムズは共同で、MEMS 技術を用いて、エンジンルーム内で使用可能な、耐熱性のある1チップの3軸複合センサ技術を開発しました。

1チップ複合センサ技術の特長

1. エンジンルームで使用可能な温度耐性、振動耐圧特性の実現

  MEMSセンサによる角速度、加速度の検出に、温度環境変化の影響を受けにくい静電容量検出方式を採用しました。さらに、熱膨張によってセンサの基板が変形し、測定データが変動するという課題に対し、温度変動を抑制するMEMS素子構造を開発しました。一方、エンジンルーム内の振動に対してMEMSセンサが誤動作することのないよう、MEMS素子の共振特性の設計を行いました。

2. 3つのMEMSセンサを搭載した小型チップの実現

  MEMS素子には固定部と可動部があり、安定的な動作には、可動部の保護と圧力管理が必要なことから、今回、シリコン基板上に作製したMEMSに対して、ガラスを用いて気密封止を行いました。この際、シリコン基板の中を貫通した貫通配線を通してMEMS素子の電極を引き出す方法を採用することによって、ガラスを貫通して電極を形成する場合に比べて、電極引き出し部のサイズを約1/10に小さくし、チップの小型化を実現しました。

  開発した複合センサと、電源回路、制御LSIと組み合わせたセンサモジュールを用いて、1軸の角速度情報と、2軸の加速度情報をデジタル信号として送信することが可能です。モジュールサイズは10.4mm×19mmで、これを自動車のエンジンルーム内に設置し走行実験を行ったところ、車体の走行姿勢を計測できることを確認しました。今回開発した、小型のセンサコアを組み合わせることで、測定対象の軸を増やし、自動車の横転や上下の振動を検知することも可能となります。

  なお、本成果の一部を、10月7日から9日まで宮城県で開催される国際固体素子材料会議「International Conference on Solid State Devices and Materials(SSDM 2009)」にて発表する予定です。また、10月23日から千葉県(幕張メッセ)で開催される東京モーターショーに展示する予定です。

*1
MEMS: Micro Electro Mechanical Systems 電気的機械的に動作する微細素子。

お問い合わせ先

株式会社日立製作所 中央研究所 企画室 [担当:木下]
〒185-8601 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地
TEL : 042-327-7777 (直通)

日立オートモティブシステムズ株式会社 パワートレイン&電子事業部 センサ設計部[担当:林]
〒312-8503 茨城県ひたちなか市高場2520番地
TEL : 029-276-6724 (直通)

以上

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