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Hitachi

このニュースリリース記載の情報(製品価格、製品仕様、サービスの内容、発売日、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更され、検索日と情報が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。なお、最新のお問い合わせ先は、お問い合わせ一覧をご覧下さい。

2009年2月23日
株式会社日立製作所
日立グローバルストレージテクノロジーズ

情報処理技術遺産の認定について

  株式会社日立製作所(執行役社長:古川 一夫/以下、日立)および日立グローバルストレージテクノロジーズ(本社機能:米国カリフォルニア州サンノゼ市/取締役会長兼CEO:中西 宏明/以下、日立GST)は、社団法人情報処理学会(会長:佐々木 元/以下、情報処理学会)より、日立が開発・製造に携わった製品4点について「情報処理技術遺産」の認定を受けました。

  「情報処理技術遺産」は、わが国のコンピュータ技術発達史上、重要なコンピュータ技術や製品など、次世代に継承していく上で重要な意義を持つ歴史的文物の保存と活用を図るため、情報処理学会が新たに制定したものです。

  今回、「情報処理技術遺産」に認定を受けた案件のうち、現在、以下の2製品を日立および日立GSTが所有しています。

<「日本初の大型汎用コンピュータHITAC 5020」>
(株式会社日立製作所 エンタープライズサーバ事業部 所有)

  「HITAC 5020」は、科学技術計算を主な目的として1964年に開発された国産初の大型汎用コンピュータで、素子にトランジスタを用いたコンピュータとしては「HITAC 301」などに継ぐ第2世代機にあたります。当時、大型汎用コンピュータの大部分が国外機であった中、いち早く日立独自の技術で製品化したものです。国外機並みの性能を持ち、その国産技術は高く評価されました。その後1966年には、4ビットの直並列処理と、本格的な先行制御によって性能を8〜12倍向上させた「HITAC 5020 E/F」を開発し、国産コンピュータの一時代を画しました。また、「HITAC 5020」は、最大コア容量262K語の高性能ハードウェアと、それをサポートするモニタ(現在のオペレーティングシステムに相当)と呼ぶソフトウェアシステムを融合させたものであり、オペレーティングシステムを用いたコンピュータの先駆けでもありました。

<「H-8564 磁気ディスク駆動装置」>
(日立グローバルストレージテクノロジーズ 所有)

  「H-8564」は、日立が初めて自社開発した磁気ディスク駆動装置で、国内他社より約2年早く開発に成功し、1967年6月より顧客への納入を開始しました。記録媒体は、磁性体を塗付した直径約360ミリメートル(呼称:14インチ)の円板6枚からなる交換可能なディスクパック構造を採用しています。ディスクパックの最上部/最下部の円板は片面を使用し、磁気ヘッドは10本搭載しています。磁気ヘッドは、現在でも採用している、円板の回転に伴う空気流を利用してディスク上に浮かせる方式(当時「浮動ヘッド」と呼ぶ)を初めて採用し、ヘッドの浮上高さは、約3ミクロン(ミクロンは百万分の1メートル)でした。ヘッドの位置決め機構には、油圧アクチュエータを使用しています。面記録密度は0.11メガビット/平方インチ(メガは百万)、装置あたりの記憶容量は、7.25メガバイトです。毎分2400回転のディスク回転数と平均アクセス時間は、75ミリ秒を誇りました。日立の大型汎用計算機HITAC8000シリーズ向けの標準ランダムアクセス記憶装置として、銀行業務、座席予約などのオンライン情報処理に活用されました。本製品は、5年にわたり生産が続けられ、国内の他社システムへOEM販売も行い、多くのお客様から高い評価をいただきました。

  この他に、日立が開発・製造に携わった製品で、東京農工大学と東日本旅客鉄道株式会社が、現在も保存している以下の2製品も「情報処理技術遺産」の認定を受けています。

<「日本初のミニコンピュータ HITAC 10」>
(東京農工大学 共生科学研究部先端情報科学部門 所有)

  1969年2月に発表された「HITAC 10」は、日立が開発した国内初めてのミニコンピュータです。卓上型のコンパクトなサイズながら、最大記憶容量が32Kバイトで、磁気ディスク、磁気ドラム、ラインプリンタはじめ各種インタフェース接続機構を持ち、ソフトウェアはFORTRAN、BASIC、FALCULATOR、アセンブラを備えるなど、高性能、高信頼性を誇りました。個人使用の科学技術計算に加えて機器組込み制御装置など、広い用途に使用され、ミニコンピュータのベストセラーとなりました。

<「座席予約システム MARS-1」>
(東日本旅客鉄道株式会社 所有)

  1959年11月に完成した座席予約システムMARS(Magnetic-electronic Automatic Reservation System)-1は、日本国有鉄道(以下、国鉄)鉄道技術研究所(当時)が計画・設計し、国鉄の指導の下で、日立が製作しました。現在「みどりの窓口」で親しまれているJR座席予約システムの原型となったシステム(現在はMARS-1の発展システムとしてMARS501を鉄道情報システム株式会社がシステム運営している)で、座席用に60万ビットの磁気ドラムを持ち、演算制御回路部を2組置き、照合させながら動作させる方式が採用されました。1959年に中央処理装置が東京駅の電算室に、予約操作を行う端末装置が東京周辺の9駅に設置され、1960年2月より稼働開始し、国産初のオンラインシステムとして東海道本線の「こだま」、6月から「つばめ」の座席予約業務に使用されました。

今回認定を受けた製品の展示場所について

<「大型汎用コンピュータHITAC 5020」>

株式会社日立製作所 エンタープライズサーバ事業部
総務部 庶務安全グループ [高橋、今井]
〒259-1392 神奈川県秦野市堀山下1番地
*見学申込み先は以下の通りです(事前予約制)。
TEL : 0463-88-1300(直通)

<「H-8564 磁気ディスク装置」>

株式会社日立製作所 RAIDシステム事業部
総務部 庶務グループ [菊地、池田]
〒250-0872 神奈川県小田原市中里322番地2号(日立システムプラザ小田原)
*見学申込み先は以下の通りです(事前予約制)。
TEL : 0465-49-1111(代表)

<「ミニコンピュータ HITAC 10」>

東京農工大学工学部情報工学科(7号館)
東京農工大学大学院 [小谷]
〒184-8588 東京都小金井市中町2-24-16
*見学申込み先は以下の通りです。
TEL : 042-388-7138

<「座席予約システム MARS-1」>

財団法人 東日本鉄道文化財団 鉄道博物館(博物館内に常設展示)
〒330-0852 埼玉県さいたま市大宮区大成町3丁目47番
TEL : 048-651-0088
*入館料 : 大人1,000円、小中高生500円、幼児(3歳以上未就学児)200円

以上

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