本文へジャンプ

Hitachi

2007年12月26日
株式会社日立製作所

このニュースリリース記載の情報(製品価格、製品仕様、サービスの内容、発売日、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更され、検索日と情報が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。なお、最新のお問い合わせ先は、お問い合わせ一覧をご覧下さい。

がん患部を治療する日立の陽子線治療システムが
米国食品医薬品局の販売認可を取得

正常な細胞への影響を最小限に抑えた「スポットスキャニング照射技術」を開発

  株式会社日立製作所(取締役社長:古川 一夫/以下、日立)は、このたび、世界最大級のがんセンターであるMDアンダーソンがんセンター向けに、従来の方式よりも、正常な細胞への影響を最小限に抑え、がん患部を集中して治療することが可能な「スポットスキャニング照射技術」を開発しました。本技術では、がん患部を照射する陽子線のビームを従来の方式のように拡散させるのではなく、細い状態のまま用いることで、複雑な形状をしたがんでも、その形状に合わせて陽子線を照射することができ、正常な細胞への影響を最小限に抑えることが可能になります。本技術は、均一な品質をもったビームを取り出す技術と、ビームを高い精度で制御する技術を発展させることで可能になったもので、日立は、本技術を採用した陽子線治療システムでは、世界で初めて米国食品医薬品局(以下、FDA)の販売認可を取得しました。

  陽子線治療は、がん治療における放射線治療法のひとつであり、陽子線の照射を深部の腫瘍部のみに集中させるよう制御し、がん細胞に線量を集中させて治療する新しい方法です。従来の電子線やX線などを用いた放射線治療と比べ、周囲の正常細胞に与える影響が小さいという特長があります。
  従来、日立の陽子線治療システムでは、陽子線の細いビームを散乱により拡大した後、複数のフィルターで患部形状に合わせて成形し、照射する「二重散乱照射技術」を採用していました。これに対して、「スポットスキャニング照射技術」は、陽子線の細いビームをそのまま用いて、患部形状に合わせて照射するため、複雑な形状をしたがんに対しても、周辺部の正常な細胞への影響を抑えて照射することが可能になります。これまで、本技術は、ビームを均一に保持することや制御することの難しさから、販売用の陽子線治療システムに採用できる水準ではありませんでしたが、今回、日立は、今までの研究開発で培ってきた均一な品質をもったビームを取り出す技術と、ビームを高い精度で制御する技術を発展させることで、ビームのエネルギー量と照射位置を調節し、ビームを患部の形状に合わせて照射することを可能にしました。日立は、本技術を採用した陽子線治療システムでは、世界で初めてFDAの販売認可を取得し、今後、積極的な拡販をめざしていきます。

  日立は、今後、北米市場での陽子線治療システム販売において、この技術によって競合他社との差別化を図り、シェア拡大に努めていきます。

お問い合わせ先

株式会社日立製作所 電力グループ 放射線治療推進本部 [担当:渕上]
〒101-8608 東京都千代田区外神田一丁目18番13号
TEL : 03-4564-3565(直通)

以上

Adobe Readerのダウンロード
PDF形式のファイルをご覧になるには、Adobe Systems Incorporated (アドビシステムズ社)のAdobe® Reader®が必要です。