本文へジャンプ

Hitachi

2007年10月22日

このニュースリリース記載の情報(製品価格、製品仕様、サービスの内容、発売日、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更され、検索日と情報が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。なお、最新のお問い合わせ先は、お問い合わせ一覧をご覧下さい。

自動車のハンドルを握ったままで本人認証ができる
ハンドル一体型指静脈認証技術の開発に成功

使う指によって操作機能が変わる多機能スイッチとしても利用可能

[画像]ハンドル一体型指静脈認証技術
ハンドル一体型指静脈認証技術

  日立製作所(執行役社長:古川 一夫/以下、日立)は、自動車のハンドルを握ることで、指の静脈パターンを瞬時に確認して本人認証を行うハンドル一体型の指静脈認証技術を開発しました。本技術を適用することによって、車の盗難防止だけでなく、ドライブスルーでの支払いや車内で聞くための音楽ダウンロードサービスを利用した際の自動決済など、今後、自動車がITシステムと融合していく中で生まれる様々な便利なサービスを、本人以外の不正利用から、ハンドルを握ったままで簡単に守ることができます。また、本人認証により、シートやサイドミラーの位置、空調など、運転する人の好みに合わせた車内環境が提供できることはもちろん、認証装置にそれぞれの指の静脈を登録し、指ごとの機能を設定することにより、添える指を変えるだけで、カーオーディオやカーナビなどを操作できる多機能スイッチとしても利用できます。この操作は、前方から目を離してボタンを押す必要がなく、運転中でも視線を横に逸らすことがないため、自然な運転姿勢でのより安全な操作を支援します。
  なお、日立は、10月27日から11月11日まで幕張メッセで一般公開される「第40回東京モーターショー2007」において、今回の開発技術を搭載した車両モデルを出展します。

  近年、自動車のドアの鍵を不法に開錠して行われる盗難や不正アクセスによる情報漏えいの問題などを背景に、セキュリティ向上に対する意識が高まっています。そのような状況の中、本人認証の分野では、より偽造されにくい個人認証の手段である生体認証が注目されています。
  また、自動車はセキュリティ向上にくわえ、“走る個室”として運転者の嗜好に合わせて楽しく快適に運転する性能も求められています。

  これまで日立では、1997年から指に光を透過させて測定した静脈パターンを認証の鍵として使う、指静脈認証技術を独自に開発し、2005年には、自動車関連分野で、握るだけでドアを開けられるグリップ型認証技術*を開発しました。その後も、日立は指静脈認証装置の適用先を拡大するため、小型化に向けての研究開発をすすめてきました。
  今回、日立は、静脈パターンの認識部位をこれまでの指の腹側から側面に変更する等の改良によって、高いセキュリティの確保はもちろんのこと、簡便な操作性とその先の新しい価値の創造を可能にする、ハンドル一体型の指静脈認証装置を開発しました。これにより、車の開錠から車上での決済まで、鍵を使用せず、指で守られたセキュリティを可能にするとともに、個人の嗜好に合った車内環境を即座に提供することが可能です。また、様々な機能操作を走行中でも視線を一切逸らすことなく行うことができ、安全性の向上にも寄与します。
  今後も日立グループは、指静脈認証装置をセキュリティ事業の中核技術として、入退室管理、PCログインといった企業向けシステムをはじめ、ATMなど金融機関での利用や「指静脈マネー」といった決済システムなどの幅広い分野に応用していきます。

  今回、開発した技術の特長は以下の通りです。

(1) 指の側面の静脈パターンを使用する認証方式

  これまでの指静脈認証方式では、人間工学的に容易にかざしやすい指の腹側を認証装置に向け、その部分の静脈パターンをセンサーで撮影し、認証を行ってきました。そのため、かざした指の真下にセンサーが位置し、ハンドルなど内部に埋め込みスペースを確保しにくい器具に対しては、機構部分の厚みが操作の障害となって、使いやすい位置への装着が困難でした。そこで今回、指の側面にある静脈パターンに着目することで、指を横から光源と撮像センサーとで挟み込む構造とし、指の下には一切の機構部品を不要にし、配置の自由度を向上させました。

(2) 指によって操作機能が変わる多機能スイッチとしても利用可能

  認証装置にそれぞれの指の静脈を登録し、指ごとの機能を設定することにより、添える指を変えるだけで、さまざまな機能を操作する多機能スイッチとして利用できます。指静脈認証ならではの特長である、応答の高速性と正確さにより、他の生体認証方式を利用した場合のように、指を強く押し付けたり、応答を暫く待ち続けたりする必要がなく、通常のボタンスイッチに触れる感覚で瞬時に操作を指示できます。

  今回開発した技術は、従来にない高い利便性を提供するセキュリティ技術として、幅広い用途が期待されます。日立では、今後、自動車をはじめ、様々な分野での応用を目指して実用化を進めていく予定です。

  • * 2005年10月17日:日立製作所ニュースリリース「ドアハンドルを握るだけで本人認証するグリップ型の指静脈認証技術の開発に成功」

お問い合わせ先

株式会社 日立製作所 中央研究所 企画室 [担当:木下]
〒185-8601 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地
TEL : 042-327-7777 (直通)

以上

Adobe Readerのダウンロード
PDF形式のファイルをご覧になるには、Adobe Systems Incorporated (アドビシステムズ社)のAdobe® Reader®が必要です。