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Hitachi

2007年10月17日
株式会社日立ディスプレイズ

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IPS-Pro*1技術をさらに進化させたIPS-Pro-Prollezza*2技術により
従来比約1.4倍の高輝度化を実現した携帯電話用IPS液晶を開発

  株式会社日立ディスプレイズ(取締役社長:井本義之/以下、日立ディスプレイズ)は、このたび、携帯電話用やデジタル一眼レフカメラ用などの高画質小型IPS液晶に搭載しているIPS-Pro技術をさらに進化させたIPS-Pro-Prollezza(プロレッツァ)技術を開発し、当社従来品と同等の消費電力で約1.4倍の輝度向上を実現しました。本開発品は、2008年1月からサンプル出荷を開始し、2008年度に量産を開始する予定です。

  近年、テレビ用大型液晶においては、高画質で視野特性に優れたIPS液晶テレビが、その画質の高さで評価されていますが、携帯電話などの小型液晶の領域でも、携帯端末向けの地上デジタルテレビジョン放送(ワンセグ)の普及などに伴い、急速に高画質液晶の需要が高まっています。携帯電話用をはじめとするモバイル用途では、高画質に加えて、戸外でも見えやすいことが必要となります。戸外では、外光がパネルに反射するため、室内での使用に比べてコントラストが低下し、見えにくくなるため、外光反射の低減と、パネル自体の輝度向上が求められていました。

  日立ディスプレイズは、これまで、IPS-Pro技術による中小型IPS液晶を展開し、高画質な製品を求める顧客に高く評価されてきました。また、外光反射の問題に対しても、外光反射を抑えたハイブリッドIPS液晶の開発を進めてきました。
  今回、TFTの画素構造の設計改良と微細加工技術工夫を行い、光の透過率を大幅に高めることなどにより、消費電力を上げることなく輝度を従来品の350 cd/m2から500cd/m2に約1.4倍向上し、携帯電話用に求められる高輝度で戸外でも見えやすい高画質液晶を実現しました。
  また、日立ディスプレイズでは、今回のIPS-Pro-Prollezza技術の開発とともに、微細加工設備などに、総額で約86億円の投資を行い、2008年度上期中に現在の生産能力を約20%高め、モバイル用途でのIPS液晶の高い需要に対応していきます。

  なお、本開発品は、10月24日から「パシフィコ横浜」で開催される「FPD International 2007」に出展します。

*1
IPS-Pro:In-Plane Switching-Provectus。Provectusは、ラテン語で「革新」の意味。
*2
IPS-Pro-Prollezza:In-Plane Switching-Provectus-Prollezza。Prollezzaは、ProgressとBellezza (イタリア語で「美」)を組み合わせた造語。

FPD International 2007展示品の主な仕様

項目 仕様
表示サイズ 6.1cm(2.4型)
表示画素数 240(水平)×320(垂直)
表示色数 26万色
表示モード 透過型IPS
視野角 上下左右170°以上
輝度 500cd/m2(従来品350cd/m2)
コントラスト比 1000:1(従来品500:1)
色再現性 NTSC比60%

IPS技術について

  IPS技術は、TNなどのTFT液晶とは動作が異なる、In-Plane-Switching(横電界)方式のTFT液晶技術です。日立製作所が1995年に発表し、1996年に実用化しました。その後、Super-IPS、Advanced-Super IPS、IPS-Proと進化してきました。液晶分子が横電界によって、TFT基板に平行な面で回転するため、視野角や色再現性、中間調での応答速度などに優れた性能をもちます。
  日立ディスプレイズでは、高画質化への期待にこたえる技術は、「IPS液晶」が最適であると考え、テレビ用だけではなく、デジタル一眼レフカメラ用や携帯電話用に展開してきました。IPS技術により、見る角度でコントラストや色調が変化するという液晶の視野角問題を、視野角補償フィルムなしで大幅に改善することができ、「斜めから見ても美しい」画像を再現できます。IPS技術内容は、下記をご参照ください。

関連情報

以上

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