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第77回国民体育大会 全国大会(いちご一会とちぎ国体)
10度目の優勝は逃すも、堂々の準優勝

 第77回国民体育大会全国大会(いちご一会とちぎ国体)が、10月8日(土)〜10月10日(月)にかけて栃木県大田原市/美原公園で行われた。本大会は2年連続でコロナ禍による中止を余儀なくされたが、今年度は無事開催が決定。本大会への出場は4年振りとなる日立単独チームの神奈川県は、1回戦からいきなりJDリーグ強豪チームで編成された愛知県と対戦。初回に清原のタイムリーで先制するも同点に追いつかれ、その後タイブレークに突入。8回表に杉本がエンドランを決め勝ち越しに成功すると、その裏から登板した田内が1点を守り切り何とか駒を進めた。準々決勝の岩手県戦は、初回に杉本の先制二塁打で先制すると、坂本(結)の中押し弾、那須のダメ押しタイムリー等で3点を追加。投げては先発の佐藤が散発3安打の完封勝利で準決勝進出が決定。続く準決勝は、開催県でありHonda単独チームの栃木県との対戦。初回に清原のスリーランで先制すると、2回には打者一巡の猛攻で一挙7点を奪い試合を決めると、投げては先発の田内が一人のランナーも許さない完璧な投球で得点を与えず、5回コールド勝ちで決勝進出を決めた。迎えた決勝戦は、関東第一代表の群馬県に序盤から猛攻を仕掛けられ3回までに8点を奪われる苦しい展開となり、打線も散発2安打に抑え込まれ5回コールドを喫した。この結果、7年ぶり10度目の優勝は逃したものの、限られた戦力で堂々の準優勝を果たした。

 多くの皆様のご声援、ありがとうございました。

[試合結果]国体(全国大会)

1回戦 対 愛知県(10月8日)

延長8回、杉本のエンドランで勝ち越し!タイブレークを制し準々決勝進出!

試合結果
チーム名 1 2 3 4 5 6 7 8
神奈川県(日立) 1 0 0 0 0 0 0 1 2
愛知県 0 0 0 1 0 0 0 0 1
  • 【バッテリー】長谷川(7回),☆田内(1回)−清原
  • 【盗塁】坂本(結)(7回)

試合レポート

 関東ブロック第2代表での出場となった日立単独チームの神奈川県は、1回戦からJDリーグ所属のトヨタ自動車、豊田自動織機で構成される愛知県と対戦。10度目の優勝を目ざす神奈川県は、初回表にセンター前ヒットで出塁した坂本(結)を藤森がキッチリ送って得点圏にランナーを進め、山口の進塁打と杉本の四球で二死一、三塁とチャンスを拡げると、清原がレフト前タイムリーを放ち先制点を挙げる。更に那須が四球を選び二死満塁と追加点の期待が高まるが、ここは追加点奪えず1点止まり。

神奈川県は、JDリーグ第10節でトヨタ自動車相手に好投を見せた長谷川に先発を託す。その長谷川は3回まで愛知県打線をノーヒットに抑え、見事にその期待に応えるが、4回裏に四死球と内野安打で二死満塁のピンチを招くと、次打者にレフト前タイムリーを許し同点に追いつかれてしまう。ここで三塁ランナーに続き二塁ランナーも本塁を狙ってきたが、レフト高瀬がドンピシャの好返球でタッチアウト!守備に救われ、1-1の同点のまま試合は終盤戦へ。

その後、特に動きもなく同点のまま迎えた7回表、愛知県は日本代表の後藤投手が登板。しかし神奈川県は先頭の高瀬が強烈なセンター前ヒットを放つと、代打の鈴木(未)も初球をいきなりレフト前ヒットにするなど、先日の全日本総合選手権のリベンジとばかりに攻め立てる。しかし後続倒れ勝ち越し点は奪えず、迎えた7回裏には長谷川も相手打線をキッチリ三者凡退に抑え、タイブレークに突入。

8回表、無死二塁から山口が二塁ランナーの藤森をきっちり送り一死三塁とすると、杉本が打席へ入る。全日本総合では全く同じ場面で初球エンドランを外され、ランナーが挟殺となり無得点に終わったが、ここは杉本が意地でエンドランを決め藤森が生還し、勝ち越しに成功!その裏、神奈川県のピッチャーは好投の長谷川から田内に交代。田内は先頭打者に送りバントを決められて一死三塁とするも、切れのある投球で後続を難なく打ち取りゲームセット。後藤投手には全日本総合での借りを返す形で強豪愛知県を破り、準々決勝進出を決めた。

[撮影]大木 浩
清原、初回先制タイムリー!!

[撮影]大木 浩
杉本、エンドランで決勝点を挙げる!

[撮影]大木 浩
高瀬、同点のランナーを補殺!

[撮影]大木 浩
高瀬からの返球を受け清原が本塁で刺殺!

[撮影]大木 浩
長谷川、7回2安打1失点の好投!

[撮影]大木 浩
田内、完璧な抑えでタイブレークを制す!

オーダー表

オーダー表

準々決勝戦 対 岩手県(10月9日)

杉本、先制二塁打!坂本(結)中押し弾!那須、ダメ押しタイムリー!佐藤、散発3安打完封勝利で準決勝進出!

試合結果
チーム名 1 2 3 4 5 6 7
岩手県 0 0 0 0 0 0 0 0
神奈川県(日立) 1 0 1 0 3 0 x 5
  • 【バッテリー】☆佐藤(7回)−清原
  • 【本塁打】坂本(結)(3回)
  • 【二塁打】杉本(1回),鈴木(未)(3回)

試合レポート

準々決勝は、大学生で構成される岩手県との対戦。神奈川県の先発佐藤は、初回に内野安打のランナーを許すも、テンポ良い投球で次の打者をショートゴロダブルプレーに仕留め、まずまずの立ち上がり。その裏、神奈川県の攻撃は先頭の坂本(結)がレフト前ヒットで出塁すると、藤森の送りバントと鈴木(未)の進塁打で二死三塁の場面、杉本がレフト線を破るタイムリーツーベースヒットを放ち坂本(結)が先制のホームイン!3回裏には、先頭の坂本(結)が右中間へのホームランを放ち、2点リードで試合は中盤戦へ。

先発の佐藤は、四球を与えながらも初回以降は5回表までノーヒットに抑えるピッチングを展開。すると5回裏、坂本(結)、藤森の連続四死球と鈴木(未)の左中間へのヒットで無死満塁とすると、続く杉本の内野ゴロの間に坂本(結)がホームイン! なおも続く一死二、三塁のチャンスに、清原のライトへの犠牲フライと那須のセンター前タイムリーヒットでこの回3点を挙げて、佐藤を更に援護する。5-0と5点リードで試合は終盤戦へ。

両チーム追加点無くむかえた7回表、佐藤は簡単に三者凡退に抑えゲームセット。佐藤はランナーは出すも要所を締める好投で散発3安打の完封勝利。チームは準決勝進出を決めた。

[撮影]大木 浩
佐藤、散発3安打で完封勝利!

[撮影]大木 浩
杉本、先制タイムリー二塁打!

[撮影]大木 浩
坂本(結)、3打数3安打1ホーマーの大活躍!

[撮影]大木 浩
那須、ダメ押しタイムリー!

オーダー表

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準決勝戦 対 栃木県(10月9日)

清原、先制スリーラン!打線爆発で10得点!田内、5回を完全試合!コールド勝ちで決勝進出!!

試合結果
チーム名 1 2 3 4 5
神奈川県(日立) 3 7 0 0 0 10
栃木県 0 0 0 0 0 0
  • 【バッテリー】☆田内(5回)−清原
  • 【本塁打】清原(1回:3ラン)
  • 【二塁打】山口(2回),杉本(2回),高瀬(2回)
  • 【盗塁】那須(2回),杉本(2回),藤森(2回),坂本(結)(3回),杉浦(5回)

試合レポート

JDリーグ東地区のHonda単独の栃木県との準決勝戦。厳しい戦いが予想されたが、先攻の神奈川県は先頭の坂本(結)がレフト前ヒットで出塁し、唐牛の送りバントがフィルダースチョイスとなっていきなり無死一、二塁の先制のチャンスを掴む。二死まで追い込まれるも、続く清原のレフトへの会心の一撃がスリーランホームランとなり、初回から一挙3点を先制する。

2回表にも、神奈川県は先頭の藤森のセンター前ヒットと坂本(結)の四球で一死一、二塁とすると、唐牛が左中間へタイムリーを放ち藤森がホームイン。なおも続く一死一、二塁のチャンスに、山口、杉本が連続してタイムリーツーベースを放ち、この回ここまでで4点を奪う。神奈川県の勢いは止まらず、清原の四球と那須の内野ゴロで二死一、三塁となった場面でなんとダブルスチールを敢行し、杉本がホームイン。更に、二死二塁から高瀬の左中間を破るタイムリーツーベース、藤森のレフト前タイムリーが飛び出し、この回打者一巡の猛攻で一挙7点を挙げ、10-0と大きく勝ちを引き付け大量リードの展開に。

初回から大きなリードをもらった神奈川県の先発は、1回戦の愛知県戦で好リリーフを見せた田内。その田内は初回から栃木県を簡単に三者凡退に抑えると、その後も安定した切れのあるピッチングを続け、相手打線に付け入る隙を与えない。その完璧なピッチングは5回コールド勝ちが成立するまで続き、何と参考記録ながらも完全試合での見事な勝利を収め、チームは7年ぶりの決勝進出を決めた。

[撮影]大木 浩
田内、参考記録ながらも5回を完全試合!

[撮影]大木 浩
清原、初回に先制スリーラン!

[撮影]大木 浩
山口、2点タイムリーツーベースで試合を決める!

[撮影]大木 浩
藤森、2安打1打点で勝利に貢献!

オーダー表

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決勝戦 対 群馬県(10月10日)

序盤から大量失点!打線は2安打に封じ込まれ5回コールド負けを喫し、7年ぶり10度目の優勝を逃す!

試合結果
チーム名 1 2 3 4 5
群馬県 3 4 1 0 0 8
神奈川県(日立) 0 0 0 0 0 0
  • 【バッテリー】★長谷川(1回),田内(3回),佐藤(1回)−清原
  • 【二塁打】那須(5回)

試合レポート

決勝戦は、関東ブロック第一代表の群馬県との対戦。JDリーグ東地区のビックカメラ高崎、太陽誘電の混成チームに対し、神奈川県は準々決勝で好投した長谷川を先発で送り込む。その長谷川は初回表、レフト前ヒットと四球で一死一、二塁のピンチを招くと、次打者にレフトへのタイムリーヒットを許し先制点を奪われる。なおも続く一死一、二塁のピンチに二死まで追い込むも、元日立所属の炭谷選手に左中間へ超特大のスリーランを許し、この回一挙4点を奪われる展開に。

これにはさすがに神奈川県のベンチも動き、2回表からは準決勝で完璧な投球を魅せた田内に交代するが、二者連続三振を奪う滑り出しながらも、四球と内野安打で二死一、二塁のピンチを招くと、相手4番打者にライトポール際へのホームランを許し更に3点を追加されてしまう。3回表にも、田内は先頭打者の炭谷選手に2打席連続となるホームランをレフトポール際に放り込まれ、8点目を献上してしまう。

前日の栃木県戦で猛攻を見せた神奈川県打線だったが、群馬県の先発濱村投手に対し全く手が出ない。4回裏まで杉本の内野安打1本に抑えられ、試合は0-8と大量リードを許したまま5回へ突入。

5回表、神奈川県は田内に変えて佐藤を送り込むと、佐藤はなんと相手打線を三者凡退の無失点に抑える。その裏、2点を取らないと7点差のコールド負けが成立する状況に追い込まれた神奈川県だが、5回裏から変わった群馬県の投手から那須があわやホームランかと思われた強烈な右中間フェンス直撃のツーベースヒットを放ち、反撃の狼煙を上げたかに見えたが後続打ち取られゲームセット。0-8の5回コールドゲームでの敗戦となった。この結果、7年ぶり10度目の全国大会優勝は逃したものの、限られた戦力での堂々の準優勝であった。ただ、この借りはJDリーグポストシーズンにてしっかりと返して貰いたい。

[撮影]大木 浩
那須、5回に右中間フェンス直撃の意地の2塁打!

[撮影]大木 浩
7年ぶり10度目の優勝は逃すも堂々の準優勝!

オーダー表

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記録&記事:中山 友紀子,徳田 政昭,古園 敏幸