注目ユースケース
Lumadaのユースケースコード:UC-01940S
〜道路整備・都市開発を支援する 交通流シミュレータ「TRAFFICSS」〜
2023年6月30日
サイバー空間上で道路整備・都市開発を試行
「TRAFFICSS」では、道路上で起こるさまざまな交通現象をサイバー空間上で表現し、視覚的・定量的に評価できます。
「TRAFFICSS」を使ったシミュレーションでは、交通量調査の結果などのデータを使って現実世界の交通流をサイバー空間上で正確に表現したデジタルツインを活用します。
サイバー空間では、信号時間の変更や交差点の立体化など、実際の道路上での実験が難しい、さまざまな条件でのシミュレーションを実施できます。
また、ラウンドアバウト(環状交差点)や、右側通行といった海外ではよく見る交通条件にも対応しているため、日本以外の道路におけるシミュレーションも可能。1台1台の車両の挙動をはじめ、歩行者の挙動、路上駐車の有無、バス停での停車といった細かな事象を設定して、交通流への影響をシミュレーションできるため、精度の高い結果を得られます。
多種多様な条件でのシミュレーションと、結果の比較を何度も簡単に繰り返せるため、より効果が高く、最適な事業計画を策定できます。
シミュレーション結果を数値やグラフで定量的に表現できることはもちろん、有償、無償の地図上に反映。2D・3Dアニメーションで視覚的に表現できます。
2Dアニメーションでは、シミュレーション結果を Google Earth や国土地理院地図といった普段よく使う地図上に反映して、車などがどのように動くのかを確認できます。
3Dアニメーションでは、シミュレーション結果を株式会社ゼンリンやPLATEAU(プラトー)*などにより提供されている3D地図に反映でき、道路周辺の建物を含めて立体的に街並みを表現し、高いところから見下ろすような視点で交通流を確認できます。また、VR技術を併せて活用すると、道路を実際に走行している車のドライバーの視点や、街の中を歩く歩行者の視点で事業実施後の街の姿を見られます。
まるで事業実施後の街中に実際にいるような感覚で交通流を把握できるため、関係者内での打ち合わせや住民説明に活用すると、より理解しやすく効果的なプレゼンテーションになります。
「TRAFFICSS」は、映像データから交通量を自動で計測できるソリューション「TRACOLRE」と連携し、シミュレーションに使用するデータの計測精度を向上させられます。
事業計画を検討する際には、道路の現況把握のために交通量調査を実施します。交通量調査は人手での実施が一般的ですが、次のような問題があります。
そこで、交通量・交通流を自動で計測できる「TRACOLRE」を導入。画像認識技術で実際の道路映像から車両を検出し、その大きさや台数、速度、軌跡などを時系列で分析することで、より正確に現況を把握できます。
これにより、人手での交通量調査における問題を解消し、高精度なシミュレーションが実施できるようになります。また、現況把握からシミュレーション実施までの期間短縮を実現します。
栃木県宇都宮市で、新たな公共交通機関となる次世代型路面電車システムLRT(Light Rail Transit)を導入した事例を紹介します。
宇都宮市では、移動に車を使う人の割合が高いですが、高齢化にともなって車を運転できない人の割合も増加しています。暮らしやすい街であるためには、公共交通機関が充実していることが重要です。
そこで、宇都宮市は電車やバスに加わる新たな公共交通機関として、次世代型路面電車システムLRTを導入しました。
「TRAFFICSS」が道路事業だけでなく、さまざまな業界での事業計画の策定、工事計画の立案で広く活用されることをめざします。
たとえば、不動産建設事業では施設建設にともなう周辺道路への影響も考慮した、住民参加型の街づくりに貢献します。
大型ショッピングセンターや大規模物流センターを建設する場合、建設後には大勢の人や車が1か所に集中することになるため、周辺道路の渋滞が予想されます。そこで、サイバー空間上で施設建設後の交通流をシミュレーションし、渋滞の緩和を考慮した建設計画を策定。さらに、周辺住民の要望をもとに再度シミュレーションした結果を建設計画に反映することで、住民参加型で周辺道路への影響も考慮した不動産建設事業を推進できます。また、施設建設後の交通流だけでなく、建設中の工事車両の増加にともなう影響もシミュレーションすることで、事業全体における周辺道路への影響を抑えられます。
渋滞の緩和は排気ガス量の減少による環境改善につながるだけでなく、物流にも好影響を与えるため、地域への経済効果の向上が期待できます。
デジタルツインを使ったサイバー空間上でのシミュレーション技術は、不動産建設事業などにも活用できます。
人や車が大勢集まる大型施設を建設する際に、渋滞などの交通現象をシミュレーションして周辺住民に説明。建設後の変化に対する意見や要望を取り入れて事業を進めることで、周辺道路への影響を抑えた上で住民参加型の事業としてスムーズに推進できます。
また、渋滞の解消は自然環境だけでなく物流にも好影響を与えるため、地域への経済効果の向上が期待できます。
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