日立の製造業向けサプライ・チェーン・プランニング(SCP)パッケージSCPLANは,高速MRP( Material Requirements Planning:資材所要量計画)計算エンジンにより,計画変更時の部品調達可能性や,実行可能な調達計画の最適解などをリアルタイムにシミュレーション。SCMの中核である生産計画や資材調達計画の立案を強力に支援し,製品・部品などの在庫削減や,出荷までのリードタイム短縮に大きな効果を発揮します。
高田工業は日立のSCMシステム設計サービスといったソリューションサービスも活用しながら,SCPLANを適用した計画業務の効率化をSTEP1,メインフレームから分離したC/S型生産管理システムの導入をSTEP2と位置づけた,段階的なシステム構築作業に着手。そして2001年2月,STEP1の「資材調達計画システム」の本番稼働を果たしました。
同システムは,得意先からの受注情報や購入実績,発注残の情報などを本社のメインフレームMP5400/50EXから,金沢工場にある中継用DBサーバに蓄積。品目や部品などのマスター管理,論理的な在庫計算などを行いながら,SCPLANサーバSCPLANを使った資材調達計画の立案業務の流れや問題点をビジュアルに確認できるSCPLAN画面例(H9000V/VK390)に情報を提供し,MRP計算をはじめとした資材調達系の業務を実行します。その後,算出された資材発注指示情報を中継DBサーバを介してメインフレームへ返し,取引先とのEDIシステムである高田調達サーバを通して,資材発注をかけるという仕組みです。
「SCPLANの導入で,これまで手作業で行っていた受発注の自動化とスピードアップ,製品・部品在庫と連動したタイムリーな資材調達計画の立案が実現しました。
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今まで月3回しかなかった発注チャンスが月20日に増えたことと,MRPの在庫引当機能による在庫の適正化により,資材を納めるために使っていた600坪の倉庫が,数か月後にはまったく使う必要がなくなりました。
月300万円かかっていた倉庫代,搬出用のフォークリフトやスタッフのコストも含めると,これだけでも大幅なコスト削減です。さらにデイリー受発注の仕組みが整備されたことで80%台だった定日納入率も,今では90%台をねらえるまでに向上しました」(渡辺氏)
「メインフレーム系のシステムで問題点を分析しようとすると,どうしても紙ベースのアウトプットに頼る形になってしまい,解析にも手間と時間がかかります。しかしSCPLANなら,画面上で問題点をビジュアルに表示してくれるので,内容が直感的かつリアルタイムに理解でき,トラブルを未然に防止できます。経験や勘を重視した業務のやり方は,自分たちだけではすぐに変えられない傾向にありますが,こうした優れたツールが入ったことで,現場では業務の標準化や意識変革への動きも活発化してきました」(総務部システムグループ主担 小山 昇氏) |