新システムでは月2回、SAP(R)R/3(R)でリアルタイムに一元管理された月別の生産計画と実績情報をSCPLANに取り込んだ後、MPS(Master Production Schedule)ジェネレータが、キーとなる部品やネック工程といったさまざまな制約を考慮しながら、実行可能な日別生産計画を自動立案。
日々入る追加受注に対しても、高速MRP計算エンジンが部品調達の遅れといった計画変更シミュレーションをリアルタイムに実行し、問題把握と迅速な納期回答を実現する。
「従来、日別生産計画への展開は、各種情報を一度紙に出力してから検討をはじめ、3〜4日かかって練り上げた後、再びSAP(R)R/3(R)へ手入力していました。しかし現在はほとんどが自動的に連携処理されるため、夜間バッチで翌日には立案が完了します。追加受注に関しても、ネックとなる部品やラインの制約を加味した対策がスピーディに立案できるため、約2日かかっていた納期回答が即日化し、顧客から高い評価をいただいています。これら一連の作業は、SCPLANの使いやすいGUIで簡単に行えるので、操作のストレスもありません」(生産計画課生産計画係 小笠原 正久 氏)SCPLANによる生産計画立案のリードタイムの短縮は、結果として、部品の在庫圧縮とキャッシュフローの改善も実現した。
「作業の効率化にともない、受注取り込みを従来の月1回から月2回に増やしたため、生産計画を2週間先までの確定に止め、部品在庫の圧縮を図ることができました。将来的には月4回まで計画立案サイクルを短縮化させると同時に、グループ間でのSCM連携も強めることで、各拠点に散らばる在庫の一括管理などを実現していきたいと考えています」(佐藤氏)
生産拠点の海外シフトが進む中、国内生産を維持するには、製造コストの低減だけでなく、生産管理面でのコスト低減も重要な課題だと佐藤氏は強調する。
SCPLANはこれからも、競争力のさらなる向上を図る同社の業務改革を、力強くバックアップしていく。
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