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Hitachi

日立アドバンストサーバHA8000シリーズ

VMware Viewにより大画面・2画面のデスクトップを仮想化し、高信頼なHA8000に集約。
セキュリティを強化しながら、業務を止めないシステムを実現し、管理工数を削減。

1918年の創業以来、電力設備・機器を一貫して作り続け、社会と産業のライフラインを支え続けてきた高岳製作所。企業の情報漏えい事件が社会問題化していたことを重視し、防止策として、数年前よりグループ会社のシンクライアント端末を導入し、セキュリティ強化を推進。しかし単純なシンクライアントでは、設計・開発部門の技術系ユーザーのPC環境に対応できない問題を抱えていました。そこで様々な方式を比較検討し、VMware Viewの仮想デスクトップを採用し、その基盤には高信頼な日立アドバンストサーバHA8000を導入。セキュリティを強化しながら業務を止めないシステムを実現し、管理工数の削減を図りました。

毛受 重久氏の写真
株式会社 高岳製作所
企画部
情報システム担当
担当部長
毛受 重久氏

島田 豊 氏の写真
株式会社 高岳製作所
企画部
情報システム担当
島田 豊氏

大岩 宣智氏の写真
株式会社 ミントウェーブ
事業開発部
事業企画グループ
主任
大岩 宣智氏

大画面・2画面のシンクライアント化が課題に

変電・配電分野を中心に柱上変圧器や高電圧断路器、監視制御システムを主力製品とする高岳製作所。近年では、電気自動車用の急速充電器などを市場にいち早く投入。地球環境の保護や省資源につながるものづくりを企業活動の重要テーマに掲げています。

同社の情報システム担当部長 毛受 重久氏は「2008年当時、企業の情報漏えい事件が新聞を賑わせていました。そこでグループ会社のミントウェーブが製造販売するシンクライアント端末を導入し、セキュリティを強化する取り組みを進めてきました」と説明します。

徐々に入れ替えを進めていき、2010年、経理や資材など間接部門のPC600台のシンクライアント化が完了。しかし、ここで問題となったのが、設計・開発部門の技術系ユーザーのPC環境600台です。同社の小山工場(現 生産本部)でシンクライアント化を推進していた島田 豊氏は「日常的にCADなどの大きなデータを扱い、仕事を効率化するために16:9の大画面・高解像度ディスプレイや2画面を利用していました。単純なシンクライアントでは、こうした特殊な環境に対応できなかったのです」と説明します。

そこでミントウェーブ社内に検証サーバを構築し、様々な方式を比較検討。まず、部門ごとに必要なアプリケーションが様々であることから、個別に利用環境を割り当てられる仮想デスクトップ方式を選択し、大画面・2画面で問題なく表示できることを条件として各社の製品を調査しました。

VMware Viewの総合力と日立サーバの信頼性を高く評価

ミントウェーブの大岩 宣智 氏は「VMware Viewを含めた3社の製品を調査しましたが、VMware View以外の2製品は、異なる解像度のディスプレイを並べて利用した場合、一部非表示になったり、片方の画面が表示されないという現象が起きました」とVMware Viewのアドバンテージを説明します。またVMware Viewは、PCoIP(PC over IP)により効率良くデータを圧縮・転送できるため、描画速度や回線帯域の面でも高く評価されました。

「大画面かつ異なる解像度のディスプレイに対応できるのはVMware Viewだけ。PCoIPを利用したVMware Viewなら、図面を動かしたときの描画も滑らかで、この方式なら設計・開発部門のニーズに応えられると確信しました」(大岩氏)。

VMware Viewの構築ベンダーには、実績豊富な日立システムズを選定。信頼性の高い日立サーバを提案し、パッチの適用や障害時の復旧方法など、運用イメージを明確化したことが評価されました。「VMware Viewの構築は初めてだったので実績豊富なパートナーを選定いたしました。また、今回がファーストステップだったので、次につなげるためにも、サーバの信頼性を重視しました」(大岩氏)。同社はサーバの選定にあたって、日立の工場を視察。「実際にものづくりの現場を見て、その品質の高さに驚かされました。また保守拠点が当社のすぐ近くにあり、24時間遠隔監視していただいているので安心です。以前、瞬電があったときにすぐ電話をもらい、こうした迅速な対応は、これまでのベンダーとは一線を画すものでした」(島田氏)。

VMware Viewの仮想化基盤には日立のHA8000/RS220を採用し、ストレージにHitachi Adaptable Modular Storage 2010を採用。2010年12月から始まった構築プロジェクトは、短期間のスケジュールのなか、2011年3月11日の震災を乗り越え2011年4月にカットオーバーを迎えました。

業務を止めないシステムを実現し、セキュリティ強化と管理工数削減を両立

今回のシステム構成では、2台のサーバがアクティブ・アクティブ構成になっており、万一の障害時にも業務を継続可能。ストレージも二重化されており、故障の予兆を検知して交換対応を行っています。「導入から1年半経った今でも、トラブルは起きておらず、こうした機能を体感することはありませんが、業務を止めないという当社の方針に合致したシステムを実現できました」(毛受氏)。

さらに、ユーザーに任せっきりだったアンチウイルスの定義ファイル更新が自動化され、ユーザーの負担となっていたWindowsアップデート作業もVMware Viewの導入により管理を集約し、一元化できました。「今回の導入によりセキュリティ強化と同時にユーザーの負担も軽減されました。しかも、従来のPCよりアプリケーションの起動が速くなったという声も上がっています」(島田氏)。

また、管理工数の削減にも大きな効果がありました。「PCは半期に数台〜十数台故障し、1台の復旧に丸1日かかっていました。それが端末を交換するだけで、ほんの10分で元の環境を利用できるようになったのです」(島田氏)。さらに、電力設備・機器メーカーの社会的使命である消費電力削減にも効果をもたらしました。「すべてのPCの入れ替えが完了すれば、最終的にはサーバ込みで50%以下に削減できる見込みです」(島田氏)。

今後の展開として、同社はVMware Viewの導入を推進。設計・開発部門の全600台のPCに拡大し、最終的には全社的に導入を進めていく予定です。「将来的には3次元CADなどのCPUパワーをフルに使いたいユーザー環境にも仮想デスクトップを適用し、全社シンクライアント化を目指していきます」と毛受氏は意気込みを語ってくださいました。

VMware View導入後のシステム構成

USER PROFILE

株式会社 高岳製作所ロゴ

株式会社 高岳製作所

本店:東京都中央区明石町8番1号
設立:大正7年3月9日
従業員数:連結1,422名(平成24年3月31日現在)

1918年の会社創立以来、電力設備・機器を一貫して製造。主力の配電分野、変電分野、監視制御システム分野のほか、シンクライアントシステムや電気自動車用急速充電器、水素水生成器など、魅力ある製品をいち早く投入し、多様化する市場ニーズに応えている。

特記事項

  • VMware、VMware vSphere、ESXi、VMware View、vCenter ServerおよびVMwareロゴは、VMware,Inc.の米国および、各国での登録商標または商標です。
  • Windows、Active Directoryは、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標です。
  • 文中の社名、商品名等は各社の商標または登録商標である場合があります。
  • 本文書は情報提供を唯一の目的とするものであり、いかなる契約にも組み込むことはできません。
  • 記載されている製品情報は、製品の改良により予告無く変更されることがあります。
  • 発言者の部署名/役職名等は、2012年12月時点の情報です。
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