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Hitachi

日立アドバンストサーバHA8000シリーズ

デスクトップ環境をHA8000とVMware Viewで仮想化。
高度なセキュリティを維持しながら、業務環境の大幅な生産性改善と効率的なシステム運営・管理を実現。

2012年10月、興和不動産と新日鉄都市開発の経営統合により誕生した新日鉄興和不動産株式会社。2008年、旧興和不動産では将来のDRサイト構築などに備え、増え続けたサーバ群を日立のBladeSymphony BS320とVMware Infrastructure 3(現VMware vSphere)によって構築した仮想サーバ環境上に集約。これに先立ち、多くの個人情報を取り扱っていた同社では、高度なセキュリティ確保のためにセキュアクライアント環境も整備しましたが、近年、端末の老朽化による生産性低下や運用管理の負担増が大きな課題に―。そこで同社ではHA8000とVMware Viewによってデスクトップ環境を仮想化。業務環境の生産性と管理性を大幅に改善しました。

DR:Disaster Recovery

西田 安伸氏の写真
新日鉄興和不動産株式会社
総務本部
事務システム管理部長
西田 安伸氏

藤尾 貴史氏の写真
新日鉄興和不動産株式会社
総務本部
事務システム管理部
システムチーム
藤尾 貴史氏

セキュアクライアント環境の生産性低下と煩雑な管理に直面

都心の賃貸オフィス事業に強みを発揮する興和不動産。そして住宅・マンション事業で豊富な実績をもつ新日鉄都市開発。両社の優位性を有機的にシナジーさせ、より大きなスケールでバランスのとれた街づくりを志向する新日鉄興和不動産は、真の総合デベロッパーとして不動産業界で確固たる存在感を発揮しています。

かつて事業継続対策を重視していた旧興和不動産では、将来的なDRサイトの構築を見すえた本サイト側の省スペース化や電源容量抑制などのためのサーバ集約を検討。そして2008年、BladeSymphony BS320とVMware Infrastructure 3(現VMware vSphere)で構築した仮想サーバ環境上に約80台の業務・開発サーバを集約しました。

これに先立つ2006年、同社では、コンプライアンス強化策の一環としてセキュアクライアント環境を構築。データ漏えいなどを未然に防ぐ業務環境を整備しています。

「PC端末にデータが残らず、端末からの情報の持ち出しなどもしっかりと管理できるセキュアクライアント環境はまさに当社の求めていたものでした」と語るのは情報システム管理を担う事務システム管理部長の西田 安伸氏。しかし、このセキュアな業務環境も5年ほど使用していく中で端末が老朽化し、さまざまな課題が顕在化するようになります。

「まずPCの起動に1分あまり、一旦ログオフすると再ログイン時には2分以上かかっていましたし、Excel上の図やグラフ、動画などの描画性能が著しく低く、ユーザーの業務生産性を大きく損なっていました。さらに、ユーザーがログインしている日中しかウイルス対策のためのフルスキャン、パターンファイルの更新ができない上、端末増設などの際の環境設定も1台1台行わねばならず、管理部門にとっても大きな負担となっていたのです」(西田氏) こうした課題の解決を目指して、同社ではサーバ環境の仮想化に続き、デスクトップ環境の仮想化を検討。その手段として選ばれたのは、サーバ仮想化を実現したのと同じ、日立サーバとVMware製品の組み合わせでした。

独自プロトコルと高い集約率、統合管理、信頼性を評価

デスクトップ仮想化にあたって同社が基盤として採用したのは、日立アドバンストサーバHA8000とVMware View。採用の決め手としてまず同社が挙げるのは、VMware Viewの画像転送プロトコル「PC over IP」です。画面上の変化があった箇所のデータだけを効率良く圧縮・転送するVMware View独自のこのプロトコルは、低帯域回線でもストレスのない画像描画を実現。セキュアクライアント環境の大きな課題だったレスポンス低下の解決策として期待されました。また、競合する仮想デスクトップ製品よりも高いクライアント集約率もViewの優位性を決定づけたといいます。

「これまで大きなトラブルのなかった日立サーバに対する安心感はありましたし、Viewならサーバ・クライアント双方の仮想環境の管理ツールをVMware vCenter Serverで統合できるというシステム運用面のメリットは大きかったですね」と事務システム管理部システムチームの藤尾 貴史氏が言うように、すでに導入実績があり、大きなトラブルもなかったVMware製品と日立サーバの組み合わせに対する信頼感も採用を後押したそうです。

また、システム構築を担った日立ソリューションズでは、クライアント端末としてデスクトップ型でOSを搭載せず、コスト対効果に優れたゼロクライアントや、ノート型のシンクライアント、さらにモバイル端末としてタブレットPCの導入要望を受けて実装を検討。進化・多様化するワークスタイルへの柔軟な対応や業務環境の構築・提供を目指していた同社に評価され、この3タイプのクライアント端末の導入が決定しました。

こうして2012年3月にはデスクトップ仮想化のシステム基盤が確定し、5月から端末50台の先行導入を開始。各端末の操作性などを事前検証した結果、特に問題はなく、これを受けて8月に本格的な展開をスタートしました。

レスポンス向上と端末管理の省力化、コスト削減を達成。
VMware ThinAppによるアプリケーションのパッケージング化も開始

VMware ViewとHA8000のサーバ7台、そして3種類・合計約400台の端末によって構築された仮想デスクトップ環境は、さまざまな面からIT環境を改善しています。

まずユーザー環境では、高いセキュリティ性を維持しながら、課題だった端末のレスポンス性が大幅に向上。起動時間もわずか10数秒と大幅に短縮化されるとともに、PCoIPによって描画性能も飛躍的に改善され、特にゼロクライアント端末は画面サイズも大型化したことで業務の生産性向上に大いに寄与しています。またシステム管理面でも、デスクトップ環境をサーバ上に集約・仮想化したことで、ユーザーがシステムを利用しない夜間のウイルス対策が可能となり、端末追加時の環境設定も従来なら丸1日かかっていたものがわずか数分でできるようになりました。

「クライアントの集約率の高さもサーバの収容スペース削減や消費電力量のロスが1台で済む点も省スペース化と省電力化につながっています。この点でITコスト削減にも貢献しているといえるでしょう」(藤尾氏)

従来のセキュリティ性を確保したまま、例えば、外部からの接続やサテライト・オフィス、パンデミックなどの対応も可能にする多様性を確保し、より柔軟で効率的なシステム環境を実現した仮想デスクトップ環境。その安定稼働は日立の高信頼なサーバ製品と日立の遠隔保守支援システム「ASSIST」によって支えられています。また同社にとっては、課題に関する情報などもいち早く共有しているVMware社と日立の密なパートナーシップに対する安心感も大きいといいます。

「現在、VMwareThin AppでVMware View上で利用する業務アプリケーションのパッケージ化や、スケジュールタスクによるリコンポーズの実現を進めていますが、新しい技術でもあるため、さまざまな問題が発生しており、相応な工数を割いて手探り状態で対応している現状があります。日立やVMware社は当社の業務やワークスタイルをよく理解していただいていると思いますので、ぜひ今後も的確な提案、より充実したナレッジの提供をお願いしたいですね」(西田氏)

VMware View導入後のシステム構成

USER PROFILE

新日鉄興和不動産株式会社ロゴ

[写真]新日鉄興和不動産株式会社

新日鉄興和不動産株式会社

本店:東京都港区南青山1-15-5
設立:1997年3月24日
従業員数:654名(2012年10月1日現在)

興和不動産と新日鉄都市開発の経営統合により誕生した総合デベロッパー。
都心プライムエリアにおけるオフィスビルの開発・賃貸事業、そして、都心部の市街地再開発や分譲マンション開発といった住宅事業を両輪に、バランスの良い街づくりに取り組んでいる。

特記事項

  • Microsoft、Excelは、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標です。
  • VMware、VMware vSphere、ESXi、VMware View、vCenter ServerおよびVMwareロゴは、VMware,Inc.の米国および、各国での登録商標または商標です。
  • 文中の社名、商品名等は各社の商標または登録商標である場合があります
  • 本文書は情報提供を唯一の目的とするものであり、いかなる契約にも組み込むことはできません。
  • 記載されている製品情報は、製品の改良により予告無く変更されることがあります。
  • 発言者の部署名/役職名等は、2013年1月時点の情報です。
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