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企業情報ニュースリリース

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2020年3月25日

企業の研究開発部門向けに、データの管理・利活用を支援する
「研究開発データ管理ソリューション」を提供開始

企業間でのデータ利活用の促進により、研究開発力を向上

  株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭/以下、日立)は、このたび、企業の研究開発部門向けに、学術機関や企業の各種論文や実験・観測・調査データなどの研究開発データを効率的に管理・利活用する「研究開発データ管理ソリューション」を開発し、3月25日から提供を開始します。
  本ソリューションは、組織や研究者ごとに有する研究開発データをシームレスに管理するためのシステム基盤を、クラウド形態やオンプレミス型など利用企業のニーズに応じた形で提供し、データ利活用の促進を支援するものです。これにより、研究開発部門をはじめとした企業や組織内でのデータ利活用を加速するほか、企業横断のプロジェクトにおいてもセキュアな共同研究データを共有する環境を手軽に実現できるなど、ビジネスの変化に迅速かつ柔軟に対応した企業の研究活動の促進、研究開発力向上に寄与します。
  なお、今回の提供開始に先立ち、国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下、産総研)へ、本ソリューションの中核となるオープンソースソフトウェア「Open Science Framework*1」を用いた、各種研究データの効率的な管理やシミュレータツールの情報集約のための「材料設計シミュレータ統一GUI」システムを納入しました。本システムを活用することにより、産総研と連携契約を結ぶ企業や大学との間で、各研究者が開発した解析プログラムの概要や活用方法の共有から研究開発データの可視化まで一連の情報連携をワンストップに実施することができます。これにより、今後の研究開発データの管理・利活用の促進が期待されています。

  近年、先進諸外国では研究成果を公開し、その成果を広く利活用する学術情報のオープン化が推進されています。国内においても、国立情報学研究所オープンサイエンス基盤研究センター(以下、RCOS(Research Center for Open Science and Data Platform))では欧米の研究機関などで実績があるオープンソースソフトウェア「Open Science Framework」、「Invenio*2」をベースに大学や学術機関の研究開発部門を対象に、研究開発データを適切に管理・公開するための基盤(「GakuNin RDM*3」および「WEKO3*4」)の開発・提供を進めています。同様に、企業においても、グローバルでの競争力強化に向けた研究開発力の向上に取り組む中で、社外組織との共同研究が積極的に推進されており、そのための適正な研究開発データの管理・利活用の仕組みが求められています。
  従来、研究開発データは、企業・組織や研究者ごとに個別に管理することが一般的であり、共同研究の際には、その都度、共同研究者が利用可能なファイル共有システムを構築するほか、メールによる送付やUSBメモリやCD-ROMなど外部記憶媒体によるファイル授受が必要でした。また、研究開発データとデータ解析プログラムやシミュレータなどの保管場所が異なるため、同一画面で解析結果を確認できないことや、開発したプログラムを共同研究者に円滑に周知する仕組みがないなど、多くの課題がありました。

  今回、日立は、RCOSが国内学術機関のさまざまなニーズを組み込んで開発した「GakuNin RDM」、「WEKO3」を活用し、さらに日立独自の各種Lumada*5ソリューションとの連携を可能にするなど独自機能を付加した「研究開発データ管理ソリューション」を企業の研究開発部門向けに開発しました。本ソリューションで提供するデータ管理のためのシステム基盤は、拡張性の高いアーキテクチャで構成されており、論文や研究データの公開に欠かせないDOI*6の採番といったさまざまな機能を実装しているため、各組織が保有するデータへのアクセスや検索を効率的にできるなど、研究開発部門の文書管理に適しています。また、企業ごとのオープン&クローズ戦略*7に合わせた柔軟なアクセスコントロールを定めることが可能なため、データを手軽な操作で適正に管理できることに加え、他システム上で実行されたシミュレーション結果などを一元的に確認・管理可能とするといったカスタマイズを短期間に実現できる機能を備えています。
  例えば、研究者や組織ごとに管理する実験データなどの「クローズドデータ」は組織内の環境下で保管し、他組織の研究への利活用のために公開する「オープンデータ」は研究管理者が公開フラグを立てアクセス権限を付与することで、外部の共同研究者によるセキュアなデータの編集・参照が可能です。

  さらに、日立の「材料開発ソリューション」*8などの各種Lumadaソリューションと連携することで、本ソリューションの提供画面から「材料開発ソリューション」の機能を呼び出して、材料の高機能化につながる要因予測のための効率的な研究開発データ解析を実施できるなど、データ利活用のさらなる促進が可能です。なお、本ソリューションは、Lumadaソリューションの導入を迅速・容易に実現する「Lumada Solution Hub」*9より提供します。

  今後も、日立は、本ソリューションの強化・拡充などに取り組み、Society5.0時代におけるオープンサイエンスの加速や、産学官の連携による新たなイノベーションの創出に貢献していきます。

*1
Open Science Framework:米国NPOのCenter for Open Science(COS)が開発・提供する研究開発データ管理用のオープンソフトウェア
*2
Invenio:欧州原子核研究機構(CERN)で開発・利用されているリポジトリ内のデジタルコンテンツを管理するためのオープンソフトウェア
*3
RCOSが提供する個人の研究者あるいは研究グループが研究データや関連の資料を管理するための研究データ管理基盤
*4
RCOSが提供する研究者が公開すると判断した研究データや関連の資料を公開するためのデータ公開基盤
*5
Lumada:お客さまのデータから価値を創出し、デジタルイノベーションを加速するための、日立の先進的なデジタル技術を活用したソリューション・サービス・テクノロジーの総称
*6
DOI:Digital Object Identifierの略。インターネット上の電子資料を一意的に識別するコードのこと
*7
オープン&クローズ戦略:自社にとって基幹となる技術を独占して自社の競争力を高める一方で、自社にとって基幹でない技術を開放することで市場の拡大を図り、自社に有利な事業を構築するための戦略のこと
*8
材料開発ソリューション:AIを活用したマテリアルズ・インフォマティクスによるデータ分析を行い、新材料開発の期間・コスト削減を支援するソリューション。なお、「材料開発ソリューション」と連携する場合は、同一ストレージ上に研究開発データがなくとも組織間でのデータ共有を実現。別途、利用契約いただく必要があります。
*9
Lumadaソリューションの導入を迅速かつ容易にする「Lumada Solution Hub」を販売開始(2019年3月18日 ニュースリリース)

ソリューション概要図

[画像]ソリューション概要図

価格と提供開始時期

製品名 価格(税込) 提供開始時期
研究開発データ管理ソリューション 個別見積 2020年3月25日

関連情報

日立製作所について

  日立は、OT(Operational Technology)、IT(Information Technology)およびプロダクトを組み合わせた社会イノベーション事業に注力しています。2018年度の連結売上収益は9兆4,806億円、2019年3月末時点の連結従業員数は約296,000人でした。日立は、モビリティ、ライフ、インダストリー、エネルギー、ITの5分野でLumadaを活用したデジタルソリューションを提供することにより、お客さまの社会価値、環境価値、経済価値の3つの価値向上に貢献します。

お問い合わせ先

株式会社日立製作所 公共システム営業統括本部
カスタマ・リレーションズセンタ [担当: 猿田]
〒140-8512 東京都品川区南大井六丁目23番1号 日立大森ビル

以上

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