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2013年3月5日

都市開発向けエリアエネルギー管理ソリューションを提供開始

エリアエネルギー管理システムや蓄電池システム、電力融通設備などの一括提供を通じたスマートシティの実現

  株式会社日立製作所(執行役社長 : 中西 宏明/以下、日立)は、このたび、オフィスや商業施設、住居、公共施設などが隣接する地域全体のエネルギー情報を収集し、一元管理・見える化するとともに、太陽光発電や蓄電池、非常用発電などの設備を地域全体で効率的に運用・監視・制御できるエリアエネルギー管理システムを製品化し、その効率的な運用に欠かせない蓄電池システムや電力融通設備、受変電設備などの分散電源関連設備まで含めた都市開発向けのエリアエネルギー管理ソリューションの提供を開始します。本ソリューションは、三井不動産株式会社(以下、三井不動産)が開発を手がける「柏の葉スマートシティ」(千葉県柏市)に初めて適用されます。

  日立は、青森県六ヶ所村スマートグリッド実証実験をはじめ、米国ハワイ州の島嶼域スマートグリッド実証事業(Japan US Island Grid Project)や社内事業所での実証実験など、グローバルにさまざまなプロジェクトに参画し、エネルギー管理システムやスマートグリッド、蓄電池システムを用いた電力安定化などの技術開発を推進しています。

  このたび提供を開始する都市開発向けのエリアエネルギー管理ソリューションは、地域全体のエネルギーを運用・監視・制御するエリアエネルギー管理システムと、蓄電池システムや電力融通設備、受変電設備などの分散電源関連設備にて構成されます。エリアエネルギー管理システムは、オフィスや商業施設、住居、公共施設などに設置されたHEMS*1やBEMS*2、中央監視システムなどからの情報をもとに、電力のみならず、水やガスなどのエネルギーの使用量を見える化し、地域全体のエネルギー情報を把握・分析することで、エネルギーの一元管理や需要予測、需給情報の提供を実現します。また、蓄電池システムを中心とした分散電源関連設備は、電力会社より供給される電力(系統電力)と太陽光発電や風力発電などの自然エネルギーを組み合わせて安定的に運用するためには必要不可欠な設備であり、これらをエリアエネルギー管理システムで管理することで、自然エネルギーと蓄電池、系統電力を連携させ、地域内で柔軟に電力エネルギーを融通することができます。これにより、昼間のピーク電力の抑制や夜間電力の有効活用、発電量の変動が大きい自然エネルギーの最大活用を図ります。さらに、平常時の電力エネルギー管理だけではなく、災害や停電などの非常時に、蓄電池に蓄えられた電力エネルギーを住居やオフィス、商業施設に優先的に供給することで、地域住民の最低限の電力消費を賄います。
  また、本ソリューションは、エネルギー管理の機能に加え、地域運営の情報基盤としての役割も担います。エリアエネルギー管理システムのプラットフォームに日立の情報制御連携環境*3を採用し、公共交通機関の情報や防災情報などを取り込むことにより、エネルギーの需給情報の提供以外に、地域の交通情報や災害時の緊急放送などの住民向けサービスが可能となります。さらに、デジタルサイネージなどの外部の情報配信サービスシステムや地域ポータルシステム、ショッピングポイントシステムなどと連携することで、より快適な生活を実現するタウンマネジメント支援サービスへの展開もできます。

  本ソリューションは数棟程度の商業オフィスビルから数十棟の建物や施設が隣接する地域まで対応でき、自然エネルギーや夜間電力を最大活用することで、環境負荷低減に貢献するとともに、BCP*4・LCP*5に対応し、安心・安全な暮らしを支援します。

  このたび、三井不動産が開発を手がける「柏の葉スマートシティ」に本ソリューションが初めて適用されます。タウンマネジメントの拠点として、つくばエクスプレス柏の葉キャンパス駅前の複合施設内に設置する「柏の葉スマートセンター」の中核システムとなり、駅前周辺街区で計画する「系統電力協調型スマートグリッド」の実現に貢献しています。日立は、「柏の葉スマートシティ」の街づくりの企画段階から、エリアエネルギー管理システムと、地域内で共同運用される蓄電池システムや電力融通設備、受変電設備などの分散電源関連設備を併せたパッケージソリューションを提案してきました。本ソリューションの導入により、地域全体のエネルギーの一元管理をはじめ、太陽光発電システムと蓄電池システムの計画的運用、街区間に独自に敷設される電力ネットワークを通じた電力融通などを図ります。また、非常時や停電時には、生活に必要な電力を自給するだけでなく、電力ネットワークを通じた電力融通により周辺建物の生活機能を維持することもできます。特に、蓄電池システムは、蓄電池容量3.8MWhという国内最大級の定置型リチウムイオン電池を導入します。本ソリューションは来年度中に現地に導入し、2014年春からの運用開始をめざしています。

  日立は、国内外で参画している実証実験を通じて得た技術やノウハウ、経験を生かし、スマートグリッドやスマートモビリティなどスマートシティには欠かせない技術やシステム、ソリューションの開発を推進しています。このたび提供を開始するエリアエネルギー管理ソリューションをはじめ、スマートシティの本格的な運用へとつながるシステムやソリューションの開発を加速し、グローバルでのスマートシティ事業の一層の展開を図っていきます。

エリアエネルギー管理ソリューションの概要

今回提供を開始するソリューションは以下で構成されます。

  • 地域全体の電力やガス、水などのエネルギー情報を収集し、一元管理することで、テナントや地域の管理者などへエネルギーを見える化するとともに、太陽光発電や蓄電池、非常用発電などの設備を地域全体で効率的に運用・監視・制御することができるエリアエネルギー管理システム
  • 産業用リチウムイオン電池もしくは長寿命型鉛蓄電池およびパワーコンディショナーシステムで構成される大容量定置型蓄電池システム
  • 建物間で安全に電力をやりとりする電力融通設備
  • エネルギー関連設備情報や監視制御情報、エネルギーの利用情報や利用者への提供情報を一元的に収集、蓄積、提供するための情報制御連携環境
  • 住民や来訪者に情報を提供するデジタルサイネージや大型ディスプレイシステム

下記に示すような機能を提供します。

[画像]エリアエネルギー管理ソリューションの概要 [画像](左)施設管理者向け監視画面(イメージ) (右)テナント向けエネルギー見える化画面(イメージ)

*1
HEMS : Home Energy Management System
*2
BEMS : Building Energy Management System
*3
情報制御連携環境 : エネルギー、交通、水など、さまざまな社会インフラシステムの運用に関わる大量データ(ビッグデータ)の分析・知識化処理と制御システムを連携させる次世代型のシステム環境。社会インフラを制御するシステムの運用に際して発生する多量の運用データを、ネットワークを通して収集・蓄積し、シミュレーションなどを駆使して分析・知識化したうえで、その結果を新たな情報サービスとして提供したり、制御システムにフィードバックすることができます。これによって、システムのスムーズな運用とともに、インフラサービスの需要と供給のきめ細かい調整を実現します。
*4
BCP : Business Continuity Plan
*5
LCP : Life Continuity Plan

お問い合わせ先

株式会社日立製作所 社会イノベーション・プロジェクト本部
スマートシティプロジェクト本部 [担当 : 佐野]
〒101-8608 千代田区外神田1-18-13 秋葉原ダイビル
TEL : 03-4564-6204 (直通)

以上

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