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2012年12月20日
株式会社日立製作所
株式会社日立プラントテクノロジー

サウジアラビアのキング・アブドラアジズ大学と
海水淡水化設備向け水質モニタリング技術に関する共同研究を開始

サウジアラビアの実海水を用いた性能の実証とブラッシュアップを推進

[画像]共同研究契約の調印の様子(左から二人目が日立プラントテクノロジー 常務執行役員 都築 浩一、四人目がキング・アブドラアジズ大学 学長 オサマ S. タエク教授、五人目が大学院・科学研究担当副学長 アドナン ハムザ M. ザヒド教授)

  株式会社日立製作所(執行役社長:中西 宏明/以下、日立)と株式会社日立プラントテクノロジー(取締役社長:東原 敏昭/以下、日立プラントテクノロジー)は、11月14日、サウジアラビア王国(以下、サウジアラビア)の国立大学であるキング・アブドラアジズ大学(King Abdlaziz University)(学長:オサマ S. タエク教授/以下、KAU)と、海水淡水化設備向けの水質モニタリング技術に関する共同研究契約を締結しました。

  本共同研究は、日立の横浜研究所(所在地:神奈川県横浜市)が開発し、日立プラントテクノロジーが海水淡水化設備への適用を進めている新しい水質モニタリング技術について、海水淡水化設備の世界有数のマーケットであるサウジアラビアの実際の海水を用いた実証実験や評価・改善を行うものです。海水淡水化技術では、サウジアラビアでトップレベルの実績を有するKAUの「先端海水淡水化技術センター(Center of Excellence in Desalination Technology)」(Executive Director:モハマド H. アルベイルティ博士/以下、CEDT)と共同で今後、約2年間にわたり実施します。

  逆浸透(RO*1)膜を用いた海水淡水化設備は、中東をはじめ水資源が不足する地域で、飲料水や工業用水を得るための造水システムとして広く普及しています。この海水淡水化設備の課題のひとつが海水に含まれる成分による膜の目詰まり(ファウリング)です。ファウリングを抑え、設備を安定的に稼動させていくためには、海水の水質モニタリングを行って海水の性状を的確に把握し、それを踏まえて適切な条件で海水淡水化設備を運転する必要があります。

  日立 横浜研究所が開発した水質モニタリング技術は、RO膜をファウリングさせる微量な成分の質量を「水晶振動子マイクロバランス法(Quartz Crystal Microbalance method/以下、QCM法)」により計測するものです。QCM法とは、一定振動をしている水晶振動子に微量な物質が付着した際に、減少する周波数の変化を検出することにより、付着した物質の質量を測定する手法で、既に半導体などの製造装置内にある膜厚センサ等で実用化されています。日立と日立プラントテクノロジーでは、QCM法による水質モニタリングデータとRO膜のファウリング状況との相関関係を把握し、ファウリングの発生しにくい運転の制御や、RO膜の洗浄・交換時期の適正化をめざします。今回のCEDTとの共同研究により、サウジアラビアにおいて紅海の実海水を用いた性能の実証実験を行い、実用化を加速します。日立グループでは、この共同研究で得た成果を、海水淡水化設備の設計・調達・建設(EPC*2)、および運転・維持管理事業の拡大につなげていく方針です。

  なお、11月14日にサウジアラビアのKAUで執り行った調印式では、CEDTの Executive Manager モハマド H. アルベイルティ博士から「日立・日立プラントテクノロジーの持つ高度な技術力は、海水淡水化設備の新たな道を切り拓く可能性を秘めており、今後より一層の協調を進めていきたい」との期待が述べられ、日立プラントテクノロジーの都築 浩一 常務執行役員は「この共同研究で得た成果はもちろん、他の分野においても日立グループの総合力を活かすことで、サウジアラビアの発展に寄与していきたい」との考えを表明しました。引き続き、日立・日立プラントテクノロジーとKAUでは、協調分野の拡大に向けて協議していきます。

  日立グループでは近年、サウジアラビアにおける事業展開を強化しており、日立では、2009年10月にサウジアラビアにおける拠点として首都リヤドに支店を開設しています。また、日立プラントテクノロジーは、2011年6月にサウジアラビアン・オイル・カンパニー(サウジアラムコ)と石油・ガスプラント向け圧縮機の供給・サービスに関する事業包括契約(CPA:Corporate Procurement Agreement)を日本メーカーとして初めて締結するとともに、2012年6月に産業機械のメンテナンスサービス会社Hitachi Saihati Engineering Services Co., Ltd.を設立したほか、2013年1月にEl Seifグループとの社会・産業インフラの建設・エンジニアリング事業に関する合弁会社Hitachi Plant Saudi Arabia Co., Ltd.(仮称)を設立します。これらに加え、今回のKAUとの共同研究を契機として現地研究機関との連携を深めることで、地域ニーズに合わせた地域密着型ソリューションを提供していきます。

*1
RO:Reverse Osmosis
*2
EPC:Engineering, Procurement and Construction

KAUの概要

大学名 キング・アブドラアジズ大学
(King Abdlaziz University)
所在地 サウジアラビア ジェッダ
設立 1967年
代表者 学長:オサマ S. タエク教授
概要 経済経営学部、人文学部、工学部、医学部、薬学部、環境学部等を有する総合国立大学
学生数 約82,000名

日立プラントテクノロジーの概要

会社名 株式会社日立プラントテクノロジー
事業内容 社会インフラシステム、産業システム、空調システム、
エネルギーシステムに関する開発、設計、製造、販売、サービス、施工など
本社所在地 東京都豊島区東池袋四丁目5番2号
設立 1929年6月
株主 株式会社日立製作所100%
代表者 取締役社長:東原 敏昭

照会先

株式会社日立プラントテクノロジー
研究開発本部 技術・事業開発統括部 [担当: 堀内]
〒170-8466 東京都豊島区東池袋四丁目5番2号
電話:03-5928-8195(直通)

以上

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