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2012年7月5日

省電力機能を強化したモバイル型シンクライアント
「FLORA Se210 RK3」を販売開始

「セキュアクライアントソリューション」を支える製品群を拡充し、
拡大するデスクトップ仮想化市場への対応を強化

[画像左]モバイル型シンクライアント「FLORA Se210 RK3」(前面)、[画像右]モバイル型シンクライアント「FLORA Se210 RK3」(背面)

  株式会社日立製作所(執行役社長:中西 宏明/以下、日立)は、急速に拡大するVDI(Virtual Desktop Infrastructure:デスクトップ仮想化)市場への対応を強化するべく、セキュリティPC「FLORA Seシリーズ」の新モデルとして、電力消費のピークシフト機能*1などの省電力機能を搭載したモバイル型シンクライアント「FLORA Se210 RK3」を製品化するなど、情報漏えいの防止とITリソースの最適化を実現する「セキュアクライアントソリューション」を支える製品群を拡充し、7月6日から販売開始します。

*1
ピークシフト機能:夜間にバッテリを充電し、昼間の電力ピーク時間帯には自動的にバッテリ駆動に切り替えることで、消費電力をほぼゼロに抑える機能。

  近年、情報漏えいの防止や、セキュリティの高いテレワーク環境の導入、クライアントPCの運用・管理負担の軽減、さらには、BCP(Business Continuity Planning:事業継続計画)へのニーズの高まりなどを背景に、クライアントPCには必要最小限の機能のみをもたせ、サーバ側でアプリケーションソフトウェアの処理やデータ保管を行うVDIが急速に普及しています。特に、セキュリティと管理効率に優れたシンクライアントを採用し、全社的にVDIの導入を進める企業が増加しており、数万ユーザーを擁する大規模なシステムも構築されています。また、導入の拡大とともに、シンクライアントにおいても、通常の企業向けPCと同様に、省電力機能や画面の見やすさなどについて、機能向上が求められるようになっています。

  日立は、2005年に、シンクライアントで情報漏えいの防止とITリソースの最適化を実現する「セキュアクライアントソリューション」の提供を開始し、モバイル型のシンクライアントや、高集積なブレードPCなど、業界をリードする製品を開発、提供するとともに、シトリックス社やヴイエムウェア社のVDIソフトウェアを活用したVDIシステムを多くの顧客に提供してきました。2009年には、シンクライアントの接続先(実行環境)として複数の実行方式*2を共存させ、ユーザーの業務用途に応じた最適な環境を選択できるセキュアクライアントソリューション「統合型」を開発し、提供しています。また、VDIシステムの構築には、仮想化のプラットフォームとして、統合サービスプラットフォーム「BladeSymphony」、日立アドバンストサーバ「HA8000シリーズ」、エントリーブレードサーバ「HA8000-bd/BD10」など、日立が有するサーバ製品群を、用途に応じて活用しています。

*2
ブレードPC方式(利用者がブレードPCを一人一台占有して利用する実行方式)、ターミナルサービス方式(利用者がCitrix® XenApp®などにより共有されたアプリケーションをPCサーバ上で利用する実行方式)、仮想PC方式(利用者がVMware® ESXi™などにより提供される仮想OSをPCサーバ上で利用する実行方式)の3種。

  日立は、今回、「セキュアクライアントソリューション」の強化に向けて、セキュリティPC「FLORA Seシリーズ」のラインアップに、モバイル型シンクライアントの新モデル「FLORA Se210 RK3」を追加するとともに、デスクトップ型シンクライアント「FLORA Se330」の機能を強化しました。同時に、シンクライアントの接続先として使用するクライアントブレード(ブレードPC)「FLORA bd500」において、基本性能を向上した新モデル「FLORA bd500 X9モデル」を製品化したほか、VDIシステムのプラットフォームとして適したエントリーブレードサーバ「HA8000-bd/BD10」の機能を強化しました。

  「FLORA Se210 RK3」は、ピークシフト機能などの省電力機能を搭載したモバイル型シンクライアントの新モデルです。標準バッテリで約6時間の長時間駆動が可能なほか、従来製品比で表示解像度を30%以上向上*3するとともに、筐体の厚さを30%以上薄型化*4するなど、使いやすさと携帯性を両立しています。

*3
2010年7月発売の従来製品「FLORA Se210 RK2」(表示解像度:XGA(1,024×768ドット))と新製品「FLORA Se210 RK3」(表示解像度:WXGA(1,366×768ドット))の比較。
*4
2010年7月発売の従来製品「FLORA Se210 RK2」(厚さ:30.5〜36mm)と新製品「FLORA Se210 RK3」(厚さ:22.9〜24.9mm)の最厚部の比較。

  日立は、今後も「FLORA Seシリーズ」や「FLORA bd500」を強化するとともに、VDIソフトウェアベンダー各社とのパートナーシップを戦略的に発展させ、情報漏えいの防止や、セキュリティの高いテレワーク環境の導入、クライアントPCの運用管理負担の軽減、BCPへの対応強化を実現する「セキュアクライアントソリューション」を積極的に提案していきます。

モバイル型シンクライアント「FLORA Se210 RK3」の特長

1. 省電力機能の搭載と長時間駆動の実現

  消費電力のピークシフト機能や、最大消費電力を指定値以下に抑制する機能を搭載しており、電力需給のピーク時において、ユーザーに大きな負担をかけることなく、節電対応が可能です。また、APU*5にAMD E2-1800 APU(1.70GHz)を採用するなど、省電力化を図り、標準バッテリで約6時間、オプションの大容量バッテリで約12時間の長時間駆動を実現しています。

*5
APU(Accelerated Processing Unit):1つ、もしくは2つ以上のCPUと外付けグラフィックス相当のコアが融合したAMD社のプロセッサー。

2. 使いやすさと携帯性を両立

  従来製品比で表示解像度を30%以上向上*3する一方で、筐体の厚さを30%以上薄型化*4し、解像度向上による使いやすさと、薄型化による携帯性を両立しています。また、最新の組み込み用OS「Microsoft® Windows® Embedded Standard 7 SP1」を採用し、最先端のモバイル通信環境への対応や、高度なセキュリティ管理を可能にしています。筐体背面の色には、印象的なファインレッドを採用し、モバイル用途で使用する際の躍動感を表現しました。

3. 強固なセキュリティを実現可能

  「FLORA Seシリーズ」は、HDDを内蔵しておらず、内蔵フラッシュメモリについても、ユーザーによる書き込みを抑止することができます。また、USB(Universal Serial Bus)ポートなどからのデータ入出力も抑制でき、クライアントPCからの情報漏えいのリスクを大幅に低減できます。さらに、日立独自の認証デバイス「KeyMobile」や指静脈認証装置を組み合わせることで、なりすましも防止でき、強固なセキュリティを実現します。

デスクトップ型シンクライアント「FLORA Se330」の特長

  最新の組み込み用OS「Microsoft® Windows® Embedded Standard 7 SP1」を採用しました。「プレーンOSモデル」では、OSやドライバの設定を導入企業側で最適化できます。また、日立製の「ソフトウェア・パッケージ・ライセンス」を同時に購入することで、ユーザーによる内蔵フラッシュメモリへの書き込みやUSBポートなどからのデータ入出力を抑止でき、強固なセキュリティを実現します。

クライアントブレード「FLORA bd500 X9モデル」の特長

  42U(1U:44.45mm)ラックに最大320台を搭載できる高い集積度など、「FLORA bd500」の特長を継承しつつ、CPUにインテル® Core™ i3-2120Tプロセッサー(2.60GHz)を採用しました。また、メモリの搭載容量を最大16GBに拡張して基本性能を向上し、64ビットOSへの対応を強化しました。VDIシステムの利用者が、1台のPCハードウェアを占有できる安定した実行環境として、従来製品以上に幅広い用途に活用いただけます。

エントリーブレードサーバ「HA8000-bd/BD10」の特長

  「HA8000-bd/BD10」は、セキュアクライアントソリューション「統合型」で使用される、Citrix® XenApp®などのVDI関連ソフトウェアのプラットフォームに適した高集積のブレードサーバです。新たに、内蔵RAID*6構成をサポートし、可用性を向上したほか、1TBのHDDの採用により、最大3TBの内蔵ストレージを搭載可能になり、システム適用範囲を拡大しました。

*6
RAID(Redundant Array of Inexpensive Disks):複数のハードディスクドライブを組み合わせ、データを分散・冗長化し、記録することで、システムの性能・耐障害性を向上することができる技術。

本発表に際しての各社からのコメント

シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社 代表取締役社長 マイケル キング氏

  Citrix® XenDesktop®を中核に据えた、日立製作所の「セキュアクライアントソリューション」の積極的な展開により、VDI導入を望むお客様の需要を喚起し、市場がさらに活性化することを期待しています。優れた省電力性を持つモバイル型シンクライアントとの組み合わせによって、コスト対効果に優れた、デスクトップ仮想化ソリューションを実現してまいります。

ヴイエムウェア株式会社 代表取締役社長 三木 泰雄氏

  ヴイエムウェア株式会社は、日立のデスクトップ仮想化市場向け新製品群の発売を、心から歓迎いたします。日立と当社は、サーバ仮想化の分野で主導的な地位を占めている仮想化プラットフォーム VMware vSphere®、およびエンドユーザーの柔軟な選択肢とIT部門の管理性向上を実現するデスクトップ仮想化製品VMware View™などの販売を通じ、ユーザーメリットの拡大と仮想化市場の発展に、共同で取り組んできました。今回発売されたモバイル型シンクライアント「FLORA Se210 RK3」、デスクトップ型シンクライアント「FLORA Se330 BU2」は、両社の協調ビジネスにいっそうの緊密さをもたらすものと確信しております。新製品が早期に市場に受容され、拡大を続けるデスクトップ仮想化市場の牽引役となることを、祈念いたします。

「FLORA Se210 RK3」の価格と出荷開始時期

主な仕様 価格 出荷
開始
時期
APU AMD E2-1800 APU
(1.70GHz)

AMD Radeon™ HD
7340 グラフィックス
120,750円〜
(税抜115,000円〜)
7月
27日
メイン
メモリ
標準2GB
(DDR3 SDRAM
PC3-12800、
ビデオRAMと共用)
ファイル
装置
標準8GB
フラッシュ
メモリ
ディスプレイ 13.3型
TFTカラー液晶
表示解像度 1,366×768ドット
(1,677万色)
OS Microsoft®
Windows® Embedded
Standard 7 SP1
バッテリ
使用時間
約6時間/約12時間
(各バッテリパック
(S)/(L)搭載時)
外形寸法 330(W)
×
224(D)
×
22.9〜24.9(H)mm
(突起、膨らみ含まず)
重量 約1.34kg(バッテリパック(S)搭載時)*7
*7
バッテリパック(L)搭載時は、約1.55kg。

「FLORA Se330」「FLORA bd500 X9モデル」「HA8000-bd/BD10」の価格と出荷開始時期

製品名 概略仕様 価格 出荷
開始
時期
デスクトップ型
シンクライアント
「FLORA Se330」
CPU:
VIA NanoTM U3500(1.0GHz)

OS:
Microsoft®
Windows® Embedded
Standard 7 SP1

メインメモリ:
標準2GB

ファイル装置:
最小4GB/最大8GB
フラッシュメモリ
50,400円〜
(税抜48,000円〜)
7月
27日
クライアント
ブレード
「FLORA bd500
X9モデル」
CPU:
インテル®
Core™ i3-2120T
プロセッサー(2.60GHz)
/インテル®
Celeron® プロセッサー
G460(1.80GHz)

OS:
Microsoft®
Windows® 7 Professional
SP1 64ビット正規版/
Microsoft®
Windows® 7 Professional
SP1 32 ビット正規版

メインメモリ:
最小2GB/最大16GB

内蔵ストレージ:
2.5型 250GB SATA
HDD(7200min-1)×1/2.5型
300GB SATA SSD(MLC)×1
113,400円〜
(税抜108,000円〜)
7月
6日
エントリー
ブレードサーバ
「HA8000-bd/BD10」
(RAIDモデル)
CPU:
インテル®
Xeon®
プロセッサー
E3-1260L(2.40GHz)/
インテル®
Xeon® プロセッサー
E3-1220L(2.20GHz)/
インテル®
Core™ i3 -2120T
プロセッサー(2.60GHz)

メインメモリ:
最小2GB/最大16GB

内蔵ストレージ:
2.5型250GB SATA HDD(7,200min-1)/
2.5型750GB SATA HDD(5,400min-1)/
2.5型1TB SATA HDD(5,400min-1)
[それぞれ、2台または3台搭載]
165,900円〜
(税抜158,000円〜)
7月
6日

「セキュアクライアントソリューション」について

  「セキュアクライアントソリューション」は、シンクライアント技術を活用したセキュリティPC「FLORA Seシリーズ」や、クライアントPCの機能をブレード型装置に集約したクライアントブレード「FLORA bd500」等を活用する、デスクトップ仮想化ソリューションです。利用者からの接続先として、ブレードPCに加え仮想PC方式やターミナルサービス方式を混在でき、業務に応じて最適な方式を選択できることが特長です。モバイルPC環境に対する抜本的な情報漏えい対策ができるほか、セキュリティの高いテレワーク環境や、クライアントPCの運用管理にかかるTCO(Total Cost of Ownership)削減を実現します。詳細は、http://www.hitachi.co.jp/spc/をご覧ください。

「セキュアクライアントソリューション」の概要図

[図]「セキュアクライアントソリューション」の概要図

*8
セキュリティPCはスタンドアロンでは動作しません。オフィスのPCやサーバとネットワーク接続するためのシステム構築が必要となります。
*9
実現できるシステム構成はコネクション・ブローカーによって異なります。

関連情報

他社商標注記

  • インテル、インテルCore、Xeonは、アメリカ合衆国およびその他の国におけるIntel Corporationの商標です。
  • AMD、Radeonならびにその組み合わせは、Advanced Micro Devices, Inc.の商標です。
  • Citrix、XenApp、XenDesktopは、Citrix Systems, Inc.の米国あるいはその他の国における登録商標または商標です。
  • Microsoft、Windowsは、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。
  • Windows®の正式名称は、Microsoft® Windows® Operating Systemです。
  • VIA、NanoはVIA社の商標です。
  • VMware、VMware vSphere、ESXiは、VMware, Inc.の米国および各国での登録商標または商標です。
  • その他、記載の会社名、製品名は、それぞれの会社の商標または登録商標です。

Citrix iForum 2012 JapanおよびHitachi Innovation Forum 2012出展について

  日立は、2012年7月17日〜18日にザ・プリンス パークタワー東京で開催されるシトリックス・システムズ・ジャパン株式会社主催のCitrix iForum 2012 Japanと、7月19日〜20日に東京国際フォーラムで開催するHitachi Innovation Forum 2012において、今回発表した新製品を紹介します。

お問い合わせ先

HCAセンタ
電話0120-2580-12
(利用時間 9:00〜12:00、13:00〜17:00(土・日・祝日を除く))

以上

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