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2012年3月27日

ビッグデータの戦略的活用を支援するソリューション
「vRAMcloud」を提供開始

第一弾として、金融機関向けのプライベートクラウドソリューションを提供

  株式会社日立製作所(執行役社長 : 中西 宏明/以下、日立)は、このたび、ビッグデータの戦略的活用を支援するソリューション「vRAMcloud(ブイラムクラウド)」*1を開発し、3月28日から提供を開始します。「vRAMcloud」は、企業内外のさまざまな種類の大量データについて、そのデータの統合管理とともに、データの特性に応じて、ストリームデータ処理*2からバッチジョブ超並列処理*3まで多彩な分析・処理のできる高度な情報処理基盤を構築するソリューションです。これにより、導入企業は、日々刻々と発生するリアルな情報と、過去の蓄積情報を瞬時に照合・分析して、いち早く顧客ニーズの変化をとらえ、日々の業務オペレーションを実行することができます。
  今回、その第一弾として、金融機関向けに、拡張性高いプライベートクラウドの形態による構築ソリューションを提供します。本ソリューションにより、ビッグデータ活用による金融商品の新たな開発やさらなる顧客サービスの改善といった金融機関における業務革新の実現を支援します。

*1
vRAMcloud : virtualized Random Access Memory cloud。の略。vRAMcloud®は日立の登録商標。
*2
ストリームデータ処理 : 大量に発生するデータに対して、データを蓄積することなく、リアルタイムに分析・処理する技術。
*3
バッチジョブ超並列処理 : 複数の計算機を利用して、1つのバッチジョブを超並列に実行しバッチ処理時間を短縮させる技術。

  「vRAMcloud」は、ストリームデータ処理や超並列処理など日立のさまざまなソフトウェア製品のほか、これらの製品間をつなぐフレームワークで構成されています。本フレームワークを活用することで、これまでデータの格納場所や、構造、内容の違いにより統一的な管理の難しかったデータ管理の一元化を実現し、さらに複数の分析エンジン*4を組み合わせ、データの特性に応じて高度な分析・処理を実現する情報処理基盤を構築します。本フレームワークにおいて、効率的なシステム開発に必要なさまざまな分散処理における設計技法やドキュメント群をあらかじめ整備しているため、構築時間やコストを大幅に圧縮することが可能になります。

*4
分析エンジン : 業務アプリケーションおよびその基盤となるデータ処理のためのソフトウェアで構成されるデータ分析・処理プログラム。

  今回の「vRAMcloud」開発は、日立のクラウドソリューション「Harmonious cloud」における業種向けソリューション強化の一環です。日立は、今後、「vRAMcloud」を、金融機関のほか交通分野や流通業界など他業種向けにサービスを拡張させていきます。また、将来予測を意思決定に活かすビジネス・アナリティクス*5の実現に向けて、新しい論理分析エンジンの開発や先端技術を取り入れたフレームワークの拡充など、さらなる開発を進めていきます。

*5
BA(Business Analytics) : 将来の予測にリアルタイムのデータや過去の蓄積データを活用して、意志決定を支援する考え方。

「vRAMcloud」の主な特長

(1) 大量データ分析処理基盤の効率的な構築を実現するフレームワークの開発

  日立は、金融機関向けソリューション分野を強化するため、2011年5月に、米国の大手仮想化ソフトウェアベンダであるVMware.Incと戦略的提携を締結しました。本提携をもとに、両社の製品や技術の融合を図るとともに、日立の金融機関における基幹系システム構築で培ったノウハウを盛り込み、大量データ分散処理を効率的に進めるための基盤システムの構築に有効な、フレームワークを開発しました。今回新たに開発したフレームワークには、大量分散データ処理のためのさまざまな設計技法やドキュメント群のほか、ストリームデータやファイルデータ、データベースといったさまざまなデータの特性を維持したまま、各種データを統合的に管理できる共通接続インターフェースを含みます。これにより、大量データを分析するアプリケーションは、各種データの所在を意識することなく、これらの共通インターフェースを通して目的のデータへアクセスすることができます。
  また、フレームワークを活用することで、分散キャッシュ*6ソフトウェア「VMware vFabricTM GemFire (ジェムファイア)」を中心に、オープンソースソフトウェア「Hadoop」*7や日立のクラウドサービスプラットフォーム「Cosminexus(コズミネクサス)」のストリームデータ処理やバッチジョブ超並列処理など、データ処理のためのソフトウェア製品群との容易な連携を可能とし、単体の製品だけでは難しい高度な情報処理を実現できます。

*6
分散キャッシュ : データを複数の計算機のメモリ上で保持し、業務アプリケーションが高速にデータへアクセスすることを可能とする技術。データは複数の計算機のメモリ上にコピーを保持し、1つの計算機でデータが更新された場合はリアルタイムに他のコピーも更新できる。また、データの所在を管理する機能を備えており、業務アプリケーションは、意識することなく目的のデータへアクセスできる。
*7
「Hadoop」 : オープンソースソフトウェアコミュニティ Apache Software Foundationにて開発・公開されているソフトウェアで、大規模データを効率的に分散処理・管理することに優れている。

(2) 大量データのリアルタイム分析とバッチ処理の高速化を実現

  「vRAMcloud」は、ストリームデータ処理や分散キャッシュ処理などのインメモリ処理技術を活用し、SNSなどの日々大量に発生するデータのリアルタイムな分析・処理を実現します。また、バッチジョブ超並列処理により、数時間かかっていたバッチ処理を分オーダーに短縮できます。「vRAMcloud」ではこれらの処理の容易な連携が可能なため、導入企業は、 現在のリアルな情報と、過去の蓄積情報を瞬時に分析・照合して、いち早く顧客ニーズの変化をとらえた業務オペレーションを実行することができます。
  例えば、CRM業務では、SNSやメールなどで寄せられたクレーム情報をリアルタイムに抽出し、該当する顧客情報と瞬時に照らし合わせ、関連部署へプッシュ配信してスピーディーに顧客対応するといったことが可能になります。また、日立は、1,000万人以上の大規模な顧客情報に対するあいまい検索や範囲検索など個人の特定が難しい複雑な検索に関する実証実験を行い、RDB*8で約10秒かかっていた検索時間を、「vRAMcloud」を活用することで1秒以下*9に短縮する結果を得ました。照会処理において常に1秒以下で検索することができれば、コールセンターや窓口での対面販売などでも、スピーディーな対応が行えます。

*8
RDB Relational Database
*9
日立が設定した環境下での計測データであり、諸条件により結果は異なります。

(3) 高拡張性とコスト抑制の両立を実現

  現在、多くの業務システムで利用されているRDBでは、予め将来のデータ増加を見込んだ大規模なITリソースのサイジング*10が必要であり、拡張性も10数台程度の計算機で限界に達します。またシステムの運用を行っていく中で、RDB上でデータの増加や偏りが発生し、データの分割や再配置といった煩雑な保守作業が必要となります。
  「vRAMcloud」は、分散キャッシュや仮想化技術をコア技術に活用することで、小規模からの導入に加え、数100台以上*11に拡張しても処理能力を向上できるプライベートクラウド基盤を構築します。また、分散キャッシュ技術上の大量データに対して、人手でデータの割り振りを行うことなく、自動的に各計算機へ均等にデータを再配置することができます。システム拡大とともにソフトウェアのライセンス料や保守料が増加するRDBと比較して、運用コストを半分以下*11に抑えることができます。

*10
  サイジング : 必要とされる規模や性能を予め見極めて準備したり、場合によって最適な規模に削減や増強を行うこと。
*11
  日立が設定した環境下での計測データであり、諸条件により結果は異なります。

「vRAMcloud」の価格および提供開始時期

サービス名 内容 価格 提供時期
導入診断
コンサルテーション
ソリューション導入可否、および費用対効果の算定 個別見積 3月28日
導入コンサルテーション ソリューション導入支援
システムインテグレーション 分散処理技術と金融業務におけるシステム構築のノウハウを元にしたフレームワークを活用し、既存の業務システム連携も含め、高品質システム開発を支援
既存システムマイグレーション ソリューション導入に際し、既存システムのマイグレーション実施支援
<システム構築時に用いる代表的な製品>
カテゴリ 製品名 内容
ストリームデータ
処理基盤製品
ストリームデータ処理ソフトウェア
「uCominexus Stream Data Platform」
リアルタイムな高速データ処理が可能な大量データストリーム処理基盤製品
分散処理基盤製品 分散キャッシュソフトウェア
「VMware vFabric™ GemFire」
インメモリ処理技術対応の分散データキャッシュ処理基盤
オープンソースソフトウェア
「Hadoop」
大量データを効率的に分散処理するためのソフトウェア基盤
バッチ分散処理ソフトウェア
「uCominexus Grid Processing Server」
スーパーコンピュータでの大規模な分散処理技術やメインフレームでの高信頼なバッチ処理とデータベース技術を融合したバッチジョブ分散処理製品
運用管理・
プラットフォーム
統合システム運用管理ソフトウェア「JP1」 サービスおよびシステムの稼働状況や障害発生の予兆を検知する運用管理製品。
サーバ環境向け仮想化ソフトウェア
「VMware vSphere™」
1台のサーバ内に複数の仮想マシン環境を構築するサーバ仮想化製品

新ソリューション「vRAMcloud」の概要

[画像]新ソリューション「vRAMcloud」の概要

販売目標

  2015年までに関連売上200億円

関連情報

他社商標注記

  • VMware、VMware vSphere、VMware vFabricは、米国およびその他の国におけるVMware, Inc.の登録商標または商標です。
  • 記載の会社名、製品名はそれぞれの会社の商標または登録商標です。

お問い合わせ先

株式会社日立製作所 情報・通信システム社 金融システム営業統括本部 [担当 : 佃、山口]
〒100-8220 東京都千代田区丸の内一丁目6番1号
TEL : 03-4235-3090 (ダイヤルイン)

以上

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