本文へジャンプ

Hitachi

このニュースリリース記載の情報(製品価格、製品仕様、サービスの内容、発売日、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更され、検索日と情報が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。なお、最新のお問い合わせ先は、お問い合わせ一覧をご覧下さい。

2011年7月15日

スーパーテクニカルサーバ「SR16000シリーズ」に
「SR16000 モデルM1」を追加

高エネルギー加速器研究機構の次期スーパーコンピューターシステムに採用

[画像]スーパーテクニカルサーバ「SR16000 モデルM1」

  株式会社日立製作所(執行役社長 : 中西 宏明/以下、日立)は、このたび、流体解析や気象予測などの科学技術計算分野向けスーパーテクニカルサーバ「SR16000シリーズ」に、POWER7®プロセッサーを搭載した新モデル「SR16000 モデルM1」(以下、「M1」)を追加し、7月21日から販売を開始します。「M1」は、従来モデル「SR16000 モデルL2」(以下、「L2」)に比べ、約1.6倍となる1ノード*1あたり約980GFLOPS*2の理論ピーク性能*3を実現しています。
  なお今回、「M1」は、大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構(機構長 : 鈴木 厚人/以下、KEK)の次期スーパーコンピューターシステムに採用され、2011年9月1日から稼働を開始する予定です。

*1
ノード : 並列コンピュータを構成する独立した演算処理単位
*2
1GFLOPS(ギガフロップス) : 浮動小数点演算を1秒間に10億回実行する能力
*3
理論ピーク性能 : 実際にプログラムを実行したときの性能ではなく、同時に動作可能な全ての演算器が動作したときの性能

  「M1」は、1ノードにPOWER7®プロセッサーを4個、メモリを最大256GB(ギガバイト)まで搭載可能な科学技術計算分野向けスーパーテクニカルサーバです。プロセッサーからの発熱を全て水で排熱できる水冷技術やプロセッサーボードの高密度実装技術により、1ラックに最大96ノードを搭載でき、1ラックあたり94.1TFLOPS*4の理論ピーク性能を実現します。これにより、設置面積あたりの演算性能を従来モデル「L2」と比べ約7倍に向上し、高性能なシステムを省スペースで設置できます。
  また、外部スイッチユニットなどを介さず、「M1」内の各ノード間を直接ネットワーク結合することで、ノードあたり最大96GB/秒(単方向)の転送性能を実現します。これにより、多数のノードを並列接続した大規模なスーパーコンピューターシステムを構築することができます。

*4
1TFLOPS(テラフロップス) : 浮動小数点演算を1秒間に1兆回実行する能力

  KEKは、高エネルギー加速器を用いて宇宙や生命の誕生、素粒子・原子核・物質の根源などの解明を推進する研究機構であり、国内外の関連分野の研究者にスーパーコンピューターシステムの計算資源を提供するなど研究活動の支援も行っています。今回、KEKは2011年9月1日から稼働を開始する次期スーパーコンピューターシステムとして「M1」64ノードを導入し、そのうち56ノードを計算ノードとして用います。従来システムと比較し、総合理論演算性能は約25倍の54.9TFLOPS、総メモリ容量は28倍の14TB(テラバイト)を実現し、研究者はさらに高速、高性能な科学技術計算処理を行うことが可能となります。

  日立は、今後も「SR16000シリーズ」をはじめ、先端技術を取り入れたテクニカルサーバの開発を進め、高性能、省電力なスーパーコンピューターシステムの提案、導入を積極的に行っていきます。

  今回の発表にあたり、以下のコメントをいただいています。

高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所 理論センター 教授
橋本 省二 氏

当機構では、このたび日立製作所より発表されました「SR16000モデルM1」を、2011年度に更新するスーパーコンピューターシステムの一部として導入します。当機構が推進する大型シミュレーション研究は、素粒子・原子核分野の代表的な大規模アプリケーションである格子量子色力学(Quantum Chromodynamics)を中心に、素粒子・原子核・加速器・物性物理といった多岐にわたるものです。「SR16000モデルM1」は、本格的な並列処理が不可欠のこれらのアプリケーションにおいて、従来のクラスタ機などでは考えられないような高い実効性能を実現しました。今後、当機構のシミュレーション研究に大きく貢献するものと期待しています。

高エネルギー加速器研究機構(KEK)について

高エネルギー加速器研究機構は、粒子加速器を研究手段として、宇宙・素粒子・原子核・物質・生命の謎を解き明かす加速器科学を推進し、国内外の研究者に対して研究の場を提供することを目的とする大学共同利用機関法人です。1996年からスーパーコンピューターの共同利用プログラム「大型シミュレーション研究」を運用し、国内の素粒子原子核物理学を中心とする加速器科学に関連する分野の研究に対して、スーパーコンピューターの計算資源を提供し、計算科学研究の推進をはかってきました。2006年に導入したスーパーコンピューターシステムは、運用開始当初、国内最速クラスの性能を持ち、量子色力学による自発的対称性の破れの計算、核力の起源の解明、超弦理論によるブラックホールの内部構造解明などに関する研究などで、大きな成果をあげました。

新モデルの概要

製品名 冷却方式 プロセッサー
(周波数)
ノードあたり
CPUコア数
ノードあたり
最大理論
ピーク性能
最大ノード数
SR16000
モデルM1
水冷 POWER7
(3.83GHz)
32way 980.48GFLOPS 512ノード

新モデルの価格と出荷開始時期

製品名 価格 出荷開始時期
SR16000
モデルM1
個別見積 8月31日

関連情報

他社商標注記

  • POWER7は、米国およびその他の国におけるInternational Business Machines Corporationの登録商標です。
  • その他記載の会社名、製品名はそれぞれの会社の商標もしくは登録商標です。

お問い合わせ先

HCAセンター
電話0120-2580-12
利用時間9:00〜12:00、13:00〜17:00(土・日・祝日を除く)

以上

Adobe Readerのダウンロード
PDF形式のファイルをご覧になるには、Adobe Systems Incorporated (アドビシステムズ社)のAdobe® Reader®が必要です。