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2008年9月8日

現場状況の変化に柔軟に対応できる次世代物流支援ロボットを開発

障害物を避け、自律移動が可能

[画像]物流支援ロボット
物流支援ロボット

  株式会社日立製作所(執行役社長:古川 一夫/以下、日立)は、このたび、株式会社日立産機システム(取締役社長:椎木 清彦/以下、日立産機)と共同で、障害物を避け自律走行しながら物品を運搬する物流支援ロボット(以下、本ロボット)を開発しました。本ロボットは、物流現場や生産現場のレイアウト変更や、物量などの変化にも柔軟に対応できる次世代物流支援ロボットとして期待されます。

  現在、物流倉庫や生産現場の物品の搬送作業では、多くの無人搬送車が使われていますが、一般に、レイアウトの変更に応じて、搬送経路を誘導するためのガイドラインが必要です。また、搬送路に荷物が置かれた場合には、安全のため停止し、荷物が除かれるまで運搬を中断する必要がありました。
  日立は物流作業のさらなる効率化を図るため、レイアウト変更に柔軟に対応でき、予期せぬ障害物があっても作業を継続する物流支援ロボットを開発しました。
  本ロボットは、日立が開発した人間共生ロボット「EMIEW(エミュー)*1」、(2005年)「EMIEW 2」(2007年)に搭載した「自律走行機能」や「障害物回避機能*2」に加えて、その場回転や真横移動などを可能にする「四輪独立操舵機構」を採用し、開発したものです。
  本ロボットは、「自律走行機能」や「障害物回避機能」により、現場のガイドラインが不要になると共に、歩行者が搬送経路を横切るような場合にも作業を継続します。これにより、無人搬送車に比べ、作業時間のロスを抑え、効率のよい搬送作業が可能となります。また、運搬量が多い場合などに、複数ロボットを1台の機器のように連動させ物品を搬送する「連携走行機能」により、運搬量の変動にも柔軟に対応します。
  さらに、カメラやセンサ機能を追加すれば、棚卸作業の自動化など新たな応用も可能になります。
  今後は、物流分野だけでなく、オフィス、病院、駅、空港など様々な場面で、物品の搬送や人をサポートするロボットの開発を進めていきます。なお、本ロボットは、9月9日から東京ビッグサイトで開催される「国際物流総合展2008」にて参考出展する予定です。

開発技術の詳細

(1)自律走行機能と障害物回避機能

  人間共生型ロボット「EMIEW」、「EMIEW 2」で開発した「自律走行機能」と「障害物回避機能」を搭載しました。従来の無人搬送車では、搬送経路を誘導するためのガイドラインが必要でした。これに対し、本ロボットでは、レーザー距離センサを用いた高精度な位置検出技術により、走行ガイド無しでの自律走行が可能になりました。これにより、搬送経路やレイアウトの変更にも柔軟に対応します。また、搬送経路に荷物が置かれたり、歩行者が横切ったりする場合でも停止することなくスムーズに回避できるため、搬送作業の効率化が図れます。

(2)小回りが効く四輪独立操舵機構

  4個の車輪の向きをそれぞれ独立して制御する「四輪独立操舵機構」を採用しました。その場回転、真横移動など、さまざまな走行形態が可能なため、本ロボットの特徴である障害物の回避や、複数ロボットの連携作業をスムーズに行うことが可能になりました。また、狭い通路への侵入や、切り返し動作なしでの方向転換も可能です。

(3)複数ロボットによる連携走行機能

  複数のロボットが互いに通信し、連携する機能を搭載しました。これにより、複数ロボットを1台の機器のように連動させ物品を搬送することができるため、現場で必要とされる運搬量の変動に柔軟に対応できます。また1台1台を独立に制御し、例えば作業スペースに順にアクセスさせるような連携作業も可能で、作業の目的に合わせた柔軟で効率のよい運用が可能になります。

*1
EMIEW : Excellent Mobility and Interactive Existence as Workmate
*2
障害物回避機能には、筑波大学−株式会社日立製作所連携事業実施協定の一環として推進している、坪内教授、油田教授らの研究グループとの共同研究の成果を活用しています。

主な仕様

寸法 幅60cm、奥行き60cm、高さ85cm (荷台までの高さ60cm)
重量 60kg (電池込み)
搬送重量 20kg
移動速度 3.6km/h (1m/s)
移動機構 全方位移動機構
電源 リチウムイオン電池

お問い合わせ先

株式会社 日立製作所 機械研究所 企画室[担当:秋葉]
〒312-0034 茨城県ひたちなか市堀口832番地2
TEL : 029-353-3047 (直通)

以上

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