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企業情報サステナビリティ

日立はSDGsが掲げる17目標のうち、企業活動全体で達成に取り組む目標として6つを特定しています。これらはステークホルダーの日立への期待であり、社会に対して果たす責任であると認識しています。また、日立にとっても持続可能な経営の実現に影響するため、重要だと考えています。
このセクションでは、事業戦略で貢献する5つの目標と同様に、世界で起きていること、日立がめざす姿を説明し、ケーススタディでは日立の具体的な取り組みを紹介します。

環境戦略13 気候変動に具体的な対策を

目標13: 気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る

世界で起きていること

気候変動は、産業界全般において持続可能性にかかわる重要課題です。気候変動は世界中すべての国の経済や人々の生活に大きな影響を与えます。現状を放置すれば、未来に向けた成長を阻害するだけでなく、これまでに築かれた進歩をも崩壊しかねません。また、食糧や水の不足といった脅威が深刻化する可能性があります。

日立がめざす姿

SDGsを定めた「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が国連で採択され、ESG (環境・社会・企業統治) が注目されました。また、意欲的な温暖化対策を盛り込んだ「パリ協定」が国連気候変動枠組条約第21回締約国会議 (COP21) で採択されて、気候変動への対策が活発化しています。このような中で、企業や産業界に対する社会の期待が高まっており、日立も優れた製品、OTとITを融合した社会イノベーション事業を通じて世界的な環境課題解決に貢献していきます。
日立は2016年9月、環境長期目標「日立環境イノベーション2050」を発表しました。この日立がめざす社会である「低炭素社会」「高度循環社会」「自然共生社会」の実現に向け取り組んでいきます。

環境長期目標

2050年・2030年を見据えた日立の決意

日立環境イノベーション2050

低炭素社会をめざすために、バリューチェーンを通じてCO2排出量を、2050年度に80%削減、2030年度に2010年度比で50%削減します。

高度循環社会をめざすために、お客さまや社会とともに、水・資源循環型社会を構築。水・資源利用率を2050年度に日立グループ内 2010年度比50%改善します。

自然共生社会をめざすために、自然資本へのインパクトを最小化します。

環境行動計画

  • 環境長期目標を実現するために、3年ごとに環境活動項目と目標を設定

ケーススタディ

低炭素社会

日立は、温室効果ガス排出量の削減を高いレベルで実現するために、CO2排出量を2050年度までに80%削減(2010年度比)するという目標を策定しました。日立はバリューチェーン全体を通じて、この目標を達成していきます。まず、バリューチェーン全体の中で多くを占める製品やソリューションの「使用」段階での排出量を削減します。
製品の高効率化や、低炭素エネルギーの供給を実現するほか、革新的技術・ソリューションを生み出し、お客様や社会へ貢献していきます。併せて、自社の事業活動における「生産」段階でのCO2排出量も削減していきます。
日立は、ファクトリー&オフィスにおける生産の高効率化、高効率機器・装置の導入、再生可能エネルギーの採用などにより、生産に伴うCO2排出量削減を推進します。

日立のバリューチェーン各ステージでのCO2排出量の割合

原材料・部品の調達から、生産、輸送、使用、排気・リサイクルまでの日立のバリューチェーン各ステージでの温室効果ガス排出量の割合は、使用が大部分を占めます。

「生産」段階でのCO2排出量削減を実現

日立IoTプラットフォームLumadaを活用した省エネルギーソリューションと生産効率向上ソリューションをさまざまな分野のお客様に提供しています。

日立大みか事業所は、日立を代表する「スマートな次世代ファクトリー」です。IoTプラットフォームLumadaを活用した省エネルギーソリューションと生産効率向上ソリューションにより、生産性の向上を図るとともに環境への負荷を減らす取り組みを進めています。

高度循環社会

水利用効率の改善 (淡水使用量の削減、水不足リスクへの対応) と資源利用効率の改善 (廃棄物発生量の削減、天然資源の効率的利用) により、高度循環社会の実現に貢献します。

日立は、資源の効率的な利用を徹底し、高度循環社会の実現に貢献するために、日立が使用する水・資源の利用効率を2050年度までに2010年度比で50%改善するという目標を掲げ、「高度循環社会の実現」の図に示した取り組みを推進しています。

自然共生社会

自然資本への「負のインパクト」の最小化のために、事業活動に伴う環境負荷の低減、「正のインパクト」の最大化を図っています。

日立は、生態系が適切に保たれ、自然の恵みを将来にわたって享受できる自然共生社会を実現するため、日立の事業活動が生態系に及ぼす「負のインパクト (環境負荷)」の低減および、最先端の技術と人的資源を用いた自然資本の回復に努めています。

人財への投資4 質の高い教育をみんなに8 働きがいも経済成長も

目標4:すべての人に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する

世界で起きていること

教育は、世界の人がより健康的で持続可能な生活を送るために必要であり、SDGsの目標4だけでなくその他多くの目標達成にも密接にかかわっています。しかし、現状では、すべての人が平等に教育を受ける機会は与えられておらず、地球上の1億300万人もの若者が基本的な読み書きさえできません。そのうち60%が女性と女児です。世界中に平等な教育機会を創出するためには、さらなる努力が必要です。

日立がめざす姿

日立にとって従業員は会社の未来を支える重要な存在であると同時に、SDGs達成に貢献して社会変革を実現するための推進力でもあります。日立は従業員のキャリア開発を支援する取り組みを推進し、個々のキャリアプランに沿って、多様な研修を提供しています。
日立はまた、知識と技術を活用して次世代を担う人財の育成に取り組んでいます。社会貢献活動方針に基づき、日立財団とともに、さまざまな活動を行っています。

ケーススタディ

日立は、社会貢献活動の一環として、次世代リーダー育成のための教育プログラム「日立ヤングリーダーズ・イニシアティブ(HYLI)」を実施し、ASEAN7カ国に日本を加えた8カ国から選抜された学生たちが、各国政府、ビジネスリーダー、学術研究者、NGOなどさまざまな分野を代表する人々とともに、地域や国際社会が抱える課題について討論する場を提供しています。1996年の開始以来、300人を超える学生がHYLIに参加しており、日立はこの取り組みを通じてアジアにおける次世代の人財育成に貢献しています。

持続可能なバリューチェーンの構築12 つくる責任つかう責任

目標12: 持続可能な消費と生産のパターンを確保する

世界で起きていること

グローバル社会において、現在の消費傾向や生産形態が続く限り、環境破壊の進行を止めることはできません。同時に強制労働や児童労働などの人権侵害、労働安全衛生にかかわる問題、バリューチェーンにおける腐敗行為といった社会課題についても解決を遅らせることとなります。

日立がめざす姿

日立は、バリューチェーン全体を通じ、製品・サービスの持続可能性を確保しなければならないと考えています。また、日立の革新的なソリューションが幅広い分野のお客様をサポートすることで、環境や社会に与える影響を低減し、世界中の人々に持続可能なライフスタイルやより良い暮らしを提供していきます。

ケーススタディ

日立はサプライヤーとともに調達活動の改善を継続して行っています。2015年度にサプライチェーンにおける人権リスクの評価、優先度づけ、リスク低減のための対策を検討し、その結果を踏まえて2016年度に「日立グループ サプライチェーンCSR調達ガイドライン」を全面的に改訂しました。本ガイドラインは、日立グループのサプライヤー合計約30,000社に配布し、環境・社会に対する日立の取り組みの周知徹底を図っています。また、CSRモニタリング (自己点検) とCSR監査を定期的に行い、関連するリスクや課題を診断し、サプライヤーがガイドラインを遵守しているか確認しています。さらにグリーン調達システム「A Gree'Net」を構築し、製品に含まれる化学物質の情報など、環境に関する情報をサプライヤーから随時入手し、適切な管理を実施しています。

ダイバーシティ & インクルージョン5 ジェンダー平等を実現しよう8 働きがいも経済成長も

目標5: ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る

世界で起きていること

性別による不平等は多くの分野に依然として残っており、社会のさらなる発展を妨げています。女性と女児に対する平等な教育機会の提供、保健・医療の利用機会の拡大、女性へのディーセント・ワーク (働きがいのある人間らしい仕事) の提供、そして政治経済の意思決定プロセスに対する平等な参加などを実現することは経済的・社会的にも良い効果をもたらし、持続可能な発展につながります。

日立がめざす姿

ダイバーシティはイノベーションの源泉であり、日立の成長エンジンです。性別・国籍・職歴・年齢・性的指向・価値観といった違いを「その人がもつ個性」と捉え、それぞれの個性を尊重し、組織の強みとなるよう生かすことで、個人と組織の持続的成長につなげることが日立のダイバーシティ&インクルージョンです。
多様な力を結集し、優れたチームワークとグローバル市場での豊富な経験によって、お客様の多様なニーズに応えていきます。特に女性のキャリア促進に関しては、男女同一報酬方針の徹底はもちろん、積極的な登用を推進しています。
今後も多様な意見・価値観を経営に反映することを目的に、意思決定への女性の参画をより一層推進し、現在2.5%である役員層の女性比率を、2020年度までに10%にする目標を定めました。

ケーススタディ

日立は、女性従業員を対象とした「グローバル女性サミット」を毎年開催しています。2017年度のサミットは米国で開かれ、9カ国のグループ会社21社から、120人以上が出席しました。
イベントでは、執行役社長兼CEO 東原敏昭や社外からのスピーカーによる基調講演のほか、職場におけるアンコンシャス・バイアス (無意識の偏見) や自身のキャリア開発といったさまざまなテーマでワークショップが開かれました。

お客様との協創17 パートナーシップで目標を達成しよう

目標17: 持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

世界で起きていること

国連で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載されている「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成には、各国政府、民間セクター、市民社会の結束が必要です。すべての国が、SDGsの17目標を共有して「誰一人取り残さない」ためのアクションを取るよう呼び掛けています。

日立がめざす姿

日立のお客様のニーズと今日社会が直面している課題は常に変化しています。こうした変化に迅速かつ効率的に対応するにはお客様やパートナーとの協創が必要不可欠です。政府・公共機関・民間企業などとの協働により、課題を共有し、意見を交換し、社会に新たな価値を創出していきます。日立がめざすのは、人々のQuality of Lifeの向上と持続可能な社会の発展への貢献です。

ケーススタディ

2016年、日立は東京大学とともに「日立東大ラボ」を設置しました。従来の課題解決型の産学連携から発想を転換し、日本政府が提唱する「超スマート社会」の実現 (Society5.0) に向けたビジョンを創生・発信し、オープンイノベーションで課題解決に取り組みます。新たなオープンイノベーションの先駆けとして、ICTの発展、スマートトランスフォーメーションなどを融合した分野で協創を推進しています。また、将来の社会課題を解決するためのイノベーションが必要であるという共通認識のもと、日本国内にさらに3つの共同研究拠点を設置しました。

人権の尊重4 質の高い教育をみんなに5 ジェンダー平等を実現しよう8 働きがいも経済成長も12 つくる責任つかう責任

目標8: すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワークを推進する

世界で起きていること

人権の尊重は、SDGsの17目標すべての根底にあるものです。SDGs達成に向けて、バリューチェーン全体を通じて、人権に対して事業活動が及ぼす負のインパクトを低減することが重要になっています。
人権の尊重は、グローバル企業にとって最優先課題であると同時に、取り組みの推進が最も難しい課題でもあります。国連が発表した「ビジネスと人権に関する指導原則」などの国際的な基準に則り、企業が人権問題に取り組むことが期待されています。
企業には単に「人権を侵害しない」という原則以上の取り組みが求められており、人権の尊重はSDGsの17目標すべての達成につながっています。

日立がめざす姿

バリューチェーンが世界規模で拡大する中、日立は、多様な労働環境や商習慣、取引慣行に直面しています。そこでまず2013年に「日立グループ人権方針」を策定し、グループ内だけでなく、お客様や事業にかかわる人々の人権尊重の方法を追求していくことを明確にしました。従業員に対する適切な教育を実施し、事業活動全体にこの基本原則を適用することにより、企業としての人権尊重の責任を果たしていきます。日立の人権尊重への取り組みはSDGsの17目標の中でも、特に目標4、5、8、12の達成に貢献するものと考えています。

ケーススタディ

人権尊重の啓発

日立は経営トップのリーダーシップのもと、すべての役員および従業員に対し人権尊重に関する教育活動を行っています。12月10日の「世界人権デー」には執行役社長兼CEO 東原敏昭から、日立製作所およびグループ会社の国内外の役員および従業員に対して毎年人権メッセージを配信しています。

人権に配慮した事業の遂行

2015年度は調達部門、2016年度は人財部門において、人権デュー・ディリジェンスを実施し、既存の仕組みを整理するとともに、サプライチェーンおよびグループ従業員に対する人権リスクの評価、優先度づけ、改善策の検討を行いました。この評価結果を踏まえ、具体的かつ効果的な人権リスク軽減策に反映していきます。