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第151回定時株主総会報告:日立グループのめざす姿と成長戦略

第151回定時株主総会において、執行役社長東原敏昭より、日立グループのめざす姿と成長戦略についてご説明申し上げました。以下はその概要です。

東原執行役社長

始めに、新型コロナウイルス感染症に対する日立グループの対応についてご説明申し上げます。
日立は、お客様、パートナー、従業員とその家族をはじめ、ステークホルダーすべての皆様の安全・健康を第一に考えます。リモートワークなどの活用により、職場の外でも業務を遂行できる環境を確保し、人々の生活の維持やお客様にとって、必要不可欠な事業を継続できる体制を整えています。
日立だからこそできる支援策にも積極的に取り組んでいます。医療現場向けのフェイスシールドを製造し、医療機関に無償で提供しています。また、従業員からのアイデアをもとに、新興国の小規模事業者を支援する団体に資金を拠出し、経済的な支援を行う仕組みもつくりました。
このように、新型コロナウイルス感染症を乗り越えるため、社会の一員として様々な形で貢献していきます。

続いて、新型コロナウイルス感染症による厳しい経営環境に対処し、いかに事業を成長させていくのか、日立の対応策についてご説明申し上げます。
日立は、昨年策定した「2021中期経営計画」において、社会・環境・経済という、お客様の3つの価値を同時に向上し、人間中心の社会の実現に貢献していくことを掲げています。困難な経営環境においても、デジタル技術を活用した社会イノベーション事業の加速と経営基盤のさらなる強化により、成長を実現し、計画達成に向けた歩みをゆるぎなく進めていきます。

日立は、新型コロナウイルス感染症がもたらした新たな社会でも、引き続き社会イノベーション事業に注力し、お客様の課題の解決に貢献していきます。リモート、非接触、自動化の要請など、急速な社会の変化がもたらす新たな課題や社会の要求にも、Lumadaをはじめとするデジタル技術を活用し、いち早く応えていきます。
ここでは、注力する事業領域のうち、産業分野とIT分野についてご紹介いたします。まず、産業分野では、生産の自動化や、経営と現場、製造・流通・販売といったバリューチェーン全体の最適化が求められています。日立は、これらの課題の解決に向け、当社が強みを持つプロダクト、OT、ITにLumadaを活用し、デジタルソリューションの提供に注力していきます。
IT分野では、政府・自治体、鉄道や電力などの社会インフラ、医療などあらゆる領域で、デジタル化やデータ利活用が急速に進んでいます。日立は、最先端の技術と幅広いソリューションで、これらの変化をリードし、社会のデジタル化に貢献していきます。

また、経営基盤をさらに強化するため、事業ポートフォリオ改革を進めていきます。本年7月にはABB社パワーグリッド事業を買収しました。世界ナンバーワンの技術と実績を有する、ABB社パワーグリッド事業に日立のデジタル技術を融合し、エネルギーソリューション事業のグローバル展開を加速させます。自動車機器事業については、本田技研工業関連会社3社との経営統合を予定しています。自動運転など次世代技術開発の競争が激化する業界において、競争力を強化するため、統合に向けた準備を着実に進めていきます。
引き続き厳しい経営環境が見込まれる中、デジタル化による業務プロセスの見直し、コスト削減などの構造改革も継続的に推進していきます。棚卸資産縮減など、運転資本を圧縮し、キャッシュ創出力の向上に努めていきます。

最後に、「2021中期経営計画」で掲げる3つの価値のひとつである環境価値向上に向けた施策をご説明いたします。日立は、環境の面でもリーダーとなる会社に変革すべく、2030年度に自社での生産におけるカーボンニュートラルをめざします。製品設計プロセスの見直し、製造設備の省エネルギー化を進め、二酸化炭素の排出削減を図るとともに、再生可能エネルギーの使用を進め、環境負荷のさらなる低減をめざします。

新型コロナウイルス感染症がもたらしたこの危機を日立グループ一丸となって乗り越えていく所存ですので、株主の皆様には引き続きのご理解・ご支援をお願い申し上げます。