日立は、「競争知財戦略」「協創知財戦略」および「IP for society」の三本柱からなる知的財産戦略を策定・実行しています。これらの活動が認められ、令和2年度知財功労賞経済産業大臣賞を受賞しました(2020年6月)。
一つ目の活動である競争知財戦略は、競争戦略(Competition)としての知的財産戦略であり、特許権を中心とした知的財産権の取得・活用をしています。事業に応じてカスタマイズした「知財マスタプラン」を策定し、強化を図っています。
知財マスタプランの策定・実行に際しては、
(1)知財戦略の策定段階で事業戦略を把握し、事業経営に求められている知財の役割を知財活動の目標として定めること
(2)事業経営から求められている知財の役割を適切なタイミングで果たせるよう、事業のマイルストンと同期する知財活動のマイルストンを策定すること
(3)事業部門(経営幹部)と知財部門が一体となって、知財活動のPDCA(Plan, Do, Check, Act)を回すことが特に重要となります。
これらの活動は、(公社)発明協会殿の全国発明表彰の連続受賞(恩賜発明賞、内閣総理大臣賞等の上位賞も含む)、クラリベイト社の「TOP100 Global Innovators」の12年連続受賞、にもつながっています。
【主な知財活動(例)】知財情報解析(IPランドスケープ、ベンチマークなど)、知財戦略の立案、知財/知財権の確保、他社の知財権による事業リスクの低減、知財活用の提案・実行等
二つ目の活動である協創知財戦略は、協創戦略(Collaboration)としての知的財産戦略です。お客様やパートナーとの協創が拡大する中、知的財産の対象を特許などの知的財産権・著作権や営業秘密に限らず、情報やデータを含む情報財にまで拡大し、パートナーシップやエコシステム構築を促進します。
例えば、人工知能(AI)を用いた協創の過程で生まれる知財については、その取り扱いをお客様と相談して契約で柔軟に取り決めることが重要です。グローバル知的財産統括本部では、毎年多数の協創契約支援に関わり、お客様の知財を尊重し、Win-Winな関係を構築可能な知財の枠組みを提案・策定しています。
【主な知財活動(例)】知財/知財権の確保、契約支援、顧客候補・事業機会の探索、顧客とのパートナーシップ促進・エコシステム構築に向けた知財ポリシーの策定等
三つ目の活動であるIP for societyでは、社会課題解決に貢献する知的財産活動に戦略的に取り組んでおり、公共性の高い特定分野の知的財産を社会規範の維持・進化へ活用しています。社外団体(政府、自治体、大学、国連機関、国際的な標準化団体など)と知的財産を通じて連携し、SDGs達成に向けた事業への貢献を進めています。
具体的には、国連機関である世界知的所有権機関(WIPO:World Intellectual Property Organization)が運営する環境関連技術の普及とイノベーションを促進するためのマーケットプレイス「WIPO GREEN」にパートナー企業として参画しました(2020年1月)。その後、「WIPO GREEN」コアメンバーに選出され、WIPO GREENコア委員会に参加しています(世界で選ばれた企業/団体のみ(2023年11月時点で8人))。
【主な知財活動(例)】ビジネスモデルやソリューションの検討、オープンクローズ戦略や知財開放ポリシーの提案・実行等
環境価値向上に資する知的財産を活用したソリューションの創出に取り組んでいます。
2021年度にグローバル知的財産統括本部に「環境知財強化センタ」を新設し、知的財産面から環境価値向上に貢献するための施策の検討を開始しました。例えば、環境価値向上に資する知的財産活動の実績をナレッジとして蓄積・活用することで日立の事業(特に環境価値)を最大化すべく、ガイドラインを作成し、社内に展開しました。また、気候変動問題の解決に寄与する風力発電技術をWIPO GREENに登録しました。
さらに、コラボレーションを通じて環境知財の実装を加速することでイノベーションを巻き起こしたい、という想いをWIPO GREENと共有し、動画メッセージとして発信しています。
【YouTube動画】 Hitachi Brand Channel:環境に貢献する知的財産
https://www.youtube.com/watch?v=8-IcVxKaEw4
「日立 環境 知財」と検索していただくと、上記の活動を含めて、環境価値向上に関する日立のさまざまな知財活動の情報が表示されます。
ぜひご覧ください。
知財に関する専門知識・スキルをベースに、日立製作所および日立グループの知財戦略ひいては事業戦略を推進します。
戦略の推進にあたっては、発明者や事業部門とのコミュニケーションを通じて、必要な施策(発明の権利化を含む)を自ら考え、提案・実行していきます。
さらに近年は、事業環境の変化に伴って知財部門に求められる役割も変化しているため、新しいニーズや課題へ対応する力が求められています。
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アピールポイント | 知的財産戦略 https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2022/12/1205/20221205_03_ip_presentation_ja.pdf |
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