
高校生の頃から社会を支える役割を担うエネルギーに関心があり、大学では原子力を専攻しました。就活でも軸にしたのは、原子力の知識を活かしたものづくり。私は大阪出身ということもあって、夏のインターンは関西の企業を中心に参加しました。日立は東日本の会社ということもあり、正直言って、あまり考えていなかったんですよね。それがたまたま秋頃に研究室のOBから日立のことを聞く機会があって。さらに研究室の同期が冬のインターンに応募するという話を聞いて、興味が膨らんできたんです。でも、エントリーシートを送ったのは締め切りぎりぎり。インターンのプログラムは、大学のリクルーターと相談して決めました。

インターンの期間は2週間で、原子力関連のグループ会社がある茨城県日立市に泊まり込んで参加しました。プログラムは、実際に進行中の国のプロジェクトに関連したテーマであり、原子力への活用が期待される、金属3Dプリンター造形材料を評価するというもの。HUSTLE(ハッスル)と呼ばれる世界でも数少ない試験設備を見学できたのも貴重な経験でした。
日立のインターンで印象的だったのは、技術者たちがいるオフィスに席を設けてもらい、実際の職場を体験できたこと。よく説明会などで「風通しのよい組織です」といった話を聞くと、「ホントかな?」と思うことがありますよね。でも、日立のインターンでは、若手が臆さず意見を言えるオープンな雰囲気や、情報を共有しながらチームとして取り組んでいる姿勢などを肌で感じることができました。

インターン初日に、担当の男性社員が子どもが急に熱を出したために来られなくなり、別の社員が代わるという出来事があったんです。でも、逆にそれが臨機応変というか、柔軟な働き方ができているようでよい印象でしたね。日々同じ職場で過ごすことで、フレックスタイムや在宅勤務などの制度を積極的に利用している様子なども知ることができました。
西日本出身の私にとって大きかったのは、仕事ぶりだけでなく、現地での生活についても実感できたこと。インターンの期間が2週間と余裕があったので、会社のまわりを散策したり、独身寮に見学に行って、先輩社員に生活に便利な地元のお店を教えてもらったりしました。入社後に感じるかもしれないギャップも避けることができ、新しい街で暮らす不安も少し解消されましたね。

このようなインターンでの体験があって、私の中で一気に日立への関心が高まりました。最終的には関西の企業と日立の2社に絞り込み悩みましたけど、決め手になったのは日立ならではのフィールドの広さ。インターンの時に原子力に関連した別分野の質問をすると、「それなら」と関連する部署のエンジニアをすぐに紹介してくれました。社内に原子力に関わる幅広い部署があることを知って、限られた専門分野にとどまらない、いろいろなチャレンジができる環境だと感じたんです。
日立に入社後は、インターンの時と同じ部署に配属され、現在は、原子力発電所でのハザード対策に関わる安全性評価や対策の提案に取り組んでいます。企業での業務は一人で完結するものではなく、チームで前進していくもの。これは入社して改めて感じた、よい意味での学生時代とのギャップです。専門的な知識やスキルを深めることはもちろん、調整力などマネジメント能力も身につけ、ハザードのエキスパートを目指していこうと思っています。