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Hitachi

イノベーションの推進:

日立のプライベートクラウド変革
〜日立製作所〜

「余剰資産になりかけていたx86サーバーをVSP One SDS Blockによってアクティブなストレージに変えることができました。これは追加の投資コストと、導入のリードタイムを抑えられる、新たなソリューションです。」
日立製作所 マネージド&プラットフォームサービス事業部 ハイブリッドクラウドサービス本部
担当部長 小島 朋哲

背景

  • データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進
  • 「デジタルシステム&サービス」、「グリーンエナジー&モビリティ」、「コネクティブインダストリーズ」の3セクター体制のもとでLumadaソリューションを展開
  • 2023年度の売上収益は8兆5,643億円、グループ従業員は全世界で約27万人

日立製作所について

日立製作所は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。お客さまのDXを支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、幅広い産業でプロダクトをデジタルでつなぎソリューションを提供する「コネクティブインダストリーズ」という3セクターの事業体制のもと、ITやOT(制御・運用技術)、プロダクトを活用するLumadaソリューションを通じてお客さまや社会の課題を解決します。デジタル、グリーン、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長をめざします。3セクターの2023年度(2024年3月期)売上収益は8兆5,643億円、2024年3月末時点で連結子会社は573社、全世界で約27万人の従業員を擁しています。

課題

  • 社内で運用しているプライベートクラウドの一部サービスの提供終了予定に伴い、サーバー資産の余剰が発生
  • 一方でデータ量は年々増加し続けているため、定期的にストレージシステムを追加する必要あり

課題

日立製作所 マネージド&プラットフォームサービス事業部 ハイブリッドクラウドサービス本部(以下、日立製作所)は、グループ各社の多岐にわたる事業活動を支えるため、日立グループ各社が社内で利用できるITシステムをプライベートクラウドサービスで提供しています。Lumadaソリューションの提供拡大に伴い、必要とされるストレージの容量が年々増加しています。この状況に対応するため、PB(ペタバイト)クラスのHitachi Virtual Storage Platform E(VSP E)シリーズを、さらに数百TB単位で増設する計画が進められました。一方で、IT投資の最適化を図るため、一部サービスをパブリッククラウドに移行する計画もあり、その結果、数百台のx86サーバー資産が使われないまま残る可能性がありました。

日立製作所内でプライベートクラウドのインフラ運用を行っているチームの担当部長である小島 朋哲は、余剰となるx86サーバー資産を有効活用する方法を模索していました。これらのサーバー資産を他のシステムに転用することで新規投資を抑制し、プライベートクラウド全体でコストを最適化できる方法を検討していました。

解決への
アプローチ

プライベートクラウド全体コスト・新規投資を抑制しつつ、年々増加するストレージ容量を増強するために、x86サーバー余剰資産をストレージシステムに転用できるHitachi Virtual Storage Platform One SDS Block(VSP One SDS Block)を導入

課題解決のために導入したソリューション

新規導入された機器・サービス

  • VSP One SDS Block

VSP One SDS Block

活用した既存機器

  • 日立アドバンストサーバHA8000V

HA8000V

VSP One SDS Block

x86サーバー余剰資産をVSP One SDS Blockでストレージに転用

余剰となったx86サーバーを有効活用するため、日立製作所の運用チームはサーバー資産をストレージとして活用できる、VSP One SDS Blockの導入を計画しました。導入にあたり、既存のVSP Eシリーズと同等の性能と可用性を確保することが求められました。そこで日立製作所の運用チームは、本格導入前に評価用システムを構築し、VSP Eシリーズと同等の性能を保ちつつRAID6に相当する二重障害にも対応できる構成を実現するための事前検証も実施しました。既存のサーバーを有効活用し、8台のx86サーバーと200TBのライセンスを使ったクラスター構成の評価システム構築を計画。日立ヴァンタラと日立製作所の運用チームとの定期的な情報共有により導入は順調に進み、評価システムはわずか2ヶ月で完成しました。

日立製作所の運用チームはこの評価システムで、ホストからの負荷テストや、クラスターフェールオーバー、ドライブ障害などの動作検証を行いました。最初は期待通りにいかないテスト結果もありましたが、日立ヴァンタラのサポートにより、原因の究明と解決がスムーズに進みました。その結果、期待した性能と可用性がしっかり確認でき、プライベートクラウドへの本格導入が決定しました。現在はこのシステムの導入が順次進んでいます。

「最初は、余剰となったx86サーバー資産を有効活用する目的でVSP One SDS Blockを試してみましたが、今では日立グループの業務を支えるITインフラとして採用されています。今後も、適用エリアの拡張計画が進行中です。」
日立製作所 マネージド&プラットフォームサービス事業部 ハイブリッドクラウドサービス本部
担当部長 小島 朋哲

ソリューション導入による効果

スモールスタートと柔軟な拡張が可能なSDS

VSP One SDS Blockを導入し、余剰となったx86サーバー資産をストレージに転用することで、ストレージの追加導入を抑え、システム全体でコストを最適化することができました。またVSP One SDS Blockは、パリティを二重に生成することでハードウェアで二重障害が発生しても業務を継続することができ、高い可用性が確保される、日立ヴァンタラの技術「Hitachi Polyphase Erasure Coding(HPEC)」を採用しています。x86サーバーを利用したSDSソリューションは、VSP Eシリーズのような専用ストレージ装置に比べて可用性や性能を不安視されることもありますが、VSP One SDS Blockは、業務継続や安定性が求められるエンタープライズシステム向けに設計されており、こうした重要な環境でも安心して利用できます。さらに、導入後はクラスターサーバーを1台から順次アップグレードでき、ディスクについても1本ずつ増設や交換が可能なため、性能や容量の要求にも柔軟に対応できます。この柔軟性により、コスト効率に優れた適応性の高いITインフラの構築が可能になります。

なお、VSP One SDS Blockに格納されているデータは、VSP Eシリーズでも使用されてきたRubrikを用いてバックアップされています。既存のVSP Eシリーズとバックアップ運用を合わせることができたため、さらなるコスト削減につながっています。

日立ヴァンタラを選んだ理由

日立製作所内の運用チームのエンジニアの小川 雄樹は、新しい構成の利点を次のようにまとめています。「サービスの提供終了によって不要になったx86サーバー資産を、ストレージ基盤の一部として再利用することができました。必要なリソースだけに投資を限定することで、コスト効率の高いストレージソリューションを構築することができました。またサーバーを1台単位でアップグレードできるため、リソースの必要量に応じた柔軟な拡張が実現できました。この方法により、必要なリソース量に合わせてアップグレードが可能となるため、ハードウェアコストや運用コストを最小限に抑えつつ、効率的な運用を実現しています。」

日立ストレージ採用による革新ポイント

  • リソースの再利用:余剰となったx86サーバー資産をアクティブなストレージデバイスに変換でき、インフラコストの最適化が可能
  • スモールスタート:最小3台からストレージクラスタを構成可能
  • 柔軟なスケールアップ:サーバーを1台ずつ追加でき、ディスクについても1本ずつ増設や交換が可能
  • ストレージボトルネックの解消:スケールアウトアーキテクチャにより、将来ボトルネックが発生した場合でもノードを追加することで性能の問題を解決
  • エンタープライズ環境への適用が可能:二重障害に対応できる可用性を確保しつつ、高い性能を確保

日立ストレージ採用による革新ポイント

「一部サービスの終了により不要となったx86サーバー資産を、ストレージ基盤の一部として再利用することができました。これにより、ハードウェア資源の最適化とコスト削減を実現しました。」
日立製作所 マネージド&プラットフォームサービス事業部 ハイブリッドクラウドサービス本部
技師 小川 雄樹

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