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Hitachi

日立ディスクアレイシステムにおけるSVP セキュリティホール(2018年10月分)対策について

公開日: 2018年11月7日
最終更新日: 2019年3月22日
(株)日立製作所 ITプロダクツ統括本部

セキュリティ情報ID
 hitachi-sec-2018-312

1. 日立ディスクアレイシステムに対するセキュリティホール対策のお知らせ

Microsoft製品に対して、以下に示すセキュリティホールが公開されました。

[新規情報]

  1. Windowsカーネルの脆弱性の更新プログラム(CVE-2018-8330)
  2. Microsoftフィルターマネージャーの脆弱性の更新プログラム(CVE-2018-8333)
  3. NTFSの脆弱性の更新プログラム(CVE-2018-8411)
  4. Windows Theme APIの脆弱性の更新プログラム(CVE-2018-8413)
  5. Microsoft JETデータベースエンジンの脆弱性の更新プログラム(CVE-2018-8423)
  6. Windows Graphicsコンポーネントの脆弱性の更新プログラム(CVE-2018-8432)
  7. Win32kの脆弱性の更新プログラム(CVE-2018-8453)
  8. Internet Explorerの脆弱性の更新プログラム(CVE-2018-8460,etc)
  9. Windows Graphics Device Interface (GDI)の脆弱性の更新プログラム(CVE-2018-8472)
  10. Windows Media Playerの脆弱性の更新プログラム(CVE-2018-8481,etc)
  11. DirectX Graphics Kernel (DXGKRNL)の脆弱性の更新プログラム(CVE-2018-8484)
  12. DirectXの脆弱性の更新プログラム(CVE-2018-8486)
  13. Windows Hyper-Vの脆弱性の更新プログラム(CVE-2018-8489)
  14. Windows Hyper-Vの脆弱性の更新プログラム(CVE-2018-8490)
  15. Windows TCP/IPスタックの脆弱性の更新プログラム(CVE-2018-8493)
  16. Microsoft XMLコアサービス(MSXML)の脆弱性の更新プログラム(CVE-2018-8494)
  17. Chakraスクリプトエンジンの脆弱性の更新プログラム(CVE-2018-8503)

日立ディスクアレイシステムのSVPにおける、上記(1)〜(17)の脆弱性の影響は下記の通りです。

  1. 本件はWindowsカーネルの脆弱性により、情報漏えいが起こるというものです。本脆弱性を攻撃者が悪用するためには特別に細工されたアプリケーションを実行する必要があります。SVPはサブシステム管理専用装置であり、このような操作が行われることはありません。このため、SVPでは本脆弱性の影響は受けません。または本件の対象となるOSを使用していないため、本脆弱性の影響は受けません。
    • 詳細:CVE-2018-8330
  2. 本件はMicrosoftフィルターマネージャーの脆弱性により、特権の昇格が起こるというものです。本脆弱性を攻撃者が悪用するためには特別に作成されたファイルを削除する必要があります。SVPはサブシステム管理専用装置であり、このような操作が行われることはありません。このため、SVPでは本脆弱性の影響は受けません。または本件の対象となるOSを使用していないため、本脆弱性の影響は受けません。
    • 詳細:CVE-2018-8333
  3. 本件はNTFSの脆弱性により、特権の昇格が起こるというものです。本脆弱性を攻撃者が悪用するためには特別に細工されたアプリケーションを実行する必要があります。SVPはサブシステム管理専用装置であり、このような操作が行われることはありません。このため、SVPでは本脆弱性の影響は受けません。または本件の対象となるOSを使用していないため、本脆弱性の影響は受けません。
    • 詳細:CVE-2018-8411
  4. 本件はWindows Theme APIの脆弱性により、リモートでコードが実行されるというものです。本脆弱性を攻撃者が悪用するためには特別に細工されたファイルを開く必要があります。SVPはサブシステム管理専用装置であり、このような操作が行われることはありません。このため、SVPでは本脆弱性の影響は受けません。または本件の対象となるOSを使用していないため、本脆弱性の影響は受けません。
    • 詳細:CVE-2018-8413
  5. 本件はMicrosoft JETデータベースエンジンの脆弱性により、リモートでコードが実行されるというものです。本脆弱性を攻撃者が悪用するためには特別に細工されたファイルを開く必要があります。SVPはサブシステム管理専用装置であり、このような操作が行われることはありません。このため、SVPでは本脆弱性の影響は受けません。または本件の対象となるOSを使用していないため、本脆弱性の影響は受けません。
    • 詳細:CVE-2018-8423
  6. 本件はWindows Graphicsコンポーネントの脆弱性により、リモートでコードが実行されるというものです。本脆弱性を攻撃者が悪用するためには特別に細工されたファイルを開く必要があります。SVPはサブシステム管理専用装置であり、このような操作が行われることはありません。このため、SVPでは本脆弱性の影響は受けません。または本件の対象となるOSを使用していないため、本脆弱性の影響は受けません。
    • 詳細:CVE-2018-8432
  7. 本件はWin32kの脆弱性により、特権の昇格が起こるというものです。本脆弱性を攻撃者が悪用するためには特別に細工されたアプリケーションを実行する必要があります。SVPはサブシステム管理専用装置であり、このような操作が行われることはありません。このため、SVPでは本脆弱性の影響は受けません。または本件の対象となるOSを使用していないため、本脆弱性の影響は受けません。
    • 詳細:CVE-2018-8453
  8. 本件はInternet Explorerの脆弱性により、リモートでコードが実行されるというものです。本脆弱性を攻撃者が悪用するためには特別に細工されたWebサイトを表示するか、電子メールまたはインスタントメッセージの添付ファイルを開く必要があります。SVPはサブシステム管理専用装置であり、このような操作が行われることはありません。このため、SVPでは本脆弱性の影響は受けません。または本件の対象となるInternet Explorer を使用していないため、本脆弱性の影響は受けません。
    • 詳細:CVE-2018-8460,CVE-2018-8491
  9. 本件はWindows Graphics Device Interfaceの脆弱性により、情報漏えいが起こるというものです。本脆弱性を攻撃者が悪用するためには特別に細工されたアプリケーションを実行する必要があります。SVPはサブシステム管理専用装置であり、このような操作が行われることはありません。このため、SVPでは本脆弱性の影響は受けません。または本件の対象となるOSを使用していないため、本脆弱性の影響は受けません。
    • 詳細:CVE-2018-8472
  10. 本件はWindows Media Playerの脆弱性により、情報漏えいが起こるというものです。SVPでは本件の対象となるWindows Media Playerを使用していないため、本脆弱性の影響は受けません。
    • 詳細:CVE-2018-8481,CVE-2018-8482
  11. 本件はDirectX Graphics Kernelの脆弱性により、特権の昇格が起こるというものです。本脆弱性を攻撃者が悪用するためには特別に細工されたアプリケーションを実行する必要があります。SVPはサブシステム管理専用装置であり、このような操作が行われることはありません。このため、SVPでは本脆弱性の影響は受けません。または本件の対象となるOSを使用していないため、本脆弱性の影響は受けません。
    • 詳細:CVE-2018-8484
  12. 本件はDirectXの脆弱性により、情報漏えいが起こるというものです。本脆弱性を攻撃者が悪用するためには特別に細工されたアプリケーションを実行する必要があります。SVPはサブシステム管理専用装置であり、このような操作が行われることはありません。このため、SVPでは本脆弱性の影響は受けません。または本件の対象となるOSを使用していないため、本脆弱性の影響は受けません。
    • 詳細:CVE-2018-8486
  13. 本件はWindows Hyper-Vの脆弱性により、リモートでコードが実行されるというものです。SVPでは本件の対象となるWindows Hyper-Vを使用していないため、本脆弱性の影響は受けません。
    • 詳細:CVE-2018-8489
  14. 本件はWindows Hyper-Vの脆弱性により、リモートでコードが実行されるというものです。SVPでは本件の対象となるWindows Hyper-Vを使用していないため、本脆弱性の影響は受けません。
    • 詳細:CVE-2018-8490
  15. 本件はWindows TCP/IPスタックの脆弱性により、情報漏えいが起こるというものです。SVPでは、本件の対象となるOSを使用しており、本脆弱性の影響を受けます。
    • 詳細:CVE-2018-8493
  16. 本件はMicrosoft XMLコアサービスの脆弱性により、リモートでコードが実行されるというものです。本脆弱性を攻撃者が悪用するためには特別に細工された電子メールまたはインスタントメッセージのリンクからWebサイトを表示する必要があります。SVPはサブシステム管理専用装置であり、このような操作が行われることはありません。このため、SVPでは本脆弱性の影響は受けません。または本件の対象となるOSを使用していないため、本脆弱性の影響は受けません。
    • 詳細:CVE-2018-8494
  17. 本件はChakraスクリプトエンジンの脆弱性により、リモートでコードが実行されるというものです。SVPでは本件の対象となるMicrosoft Edgeを使用していないため、本脆弱性の影響は受けません。
    • 詳細:CVE-2018-8503

弊社ストレージ装置における、今回の脆弱性の影響を以下の表に示します。

脆弱性の影響
ストレージ装置 影響する脆弱性
Hitachi Unified Storage VM (HUS VM) CVE-2018-8493
Hitachi Virtual Storage Platform G1000,G1500
Hitachi Virtual Storage Platform F1500
Hitachi Virtual Storage Platform VX7
Hitachi Virtual Storage Platform
Hitachi Virtual Storage Platform VP9500
-

SVPは直接ストレージ機能には係わりませんので、万一攻撃者から攻撃された場合であってもストレージとしてのデータの内容およびRead/Write機能に支障はありません。また日立ディスクアレイシステムに蓄積されているデータを読み取られることもありません。
しかしながら万一SVPが攻撃された場合、装置の構成変更設定や保守作業に支障をきたす等の可能性があります。
そのため今般、対象となる製品に対しまして、予防処置をさせていただきます。

2. 今回のセキュリティホールの特徴

攻撃者がこの脆弱性を悪用した場合、断片化されたIPパケットを受信することで情報を漏えいさせる可能性があります。

3. 対象製品

Microsoft Windows OSを搭載したSVPを装備する下記の製品が本件の対象となります。

  • Hitachi Virtual Storage Platform G1000,G1500
  • Hitachi Virtual Storage Platform F1500
  • Hitachi Virtual Storage Platform VX7
  • Hitachi Unified Storage VM (HUS VM)
  • Hitachi Virtual Storage Platform
  • Hitachi Virtual Storage Platform VP9500
  • Hitachi Universal Storage Platform V
  • Hitachi Universal Storage Platform VM
注:
Hitachi Virtual Storage Platform G130,G150,G350,G370,G700,G900、Hitachi Virtual Storage Platform F350,F370,F700,F900、Hitachi Virtual Storage Platform G100,G200,G400,G600,G800、Hitachi Virtual Storage Platform F400,F600,F800、Hitachi Unified Storage 100、Hitachi Adaptable Modular Storage、Hitachi Workgroup Modular Storage、および Hitachi Simple Modular Storage、は影響を受けません。

4. クライアントPC、もしくは管理サーバ*1のご使用について

クライアントPCでのStorage Navigatorのご使用については、Storage Navigator機能に限ったご使用であれば特に問題ありません。
クライアントPCを他の用途でもご利用されている場合や、管理サーバをご利用されている場合は、ご利用内容によっては今回の脆弱性の影響を受ける可能性があります。
詳しくはメーカにお尋ねいただくか、以下のセキュリティサイトをご確認の上対応をお願い致します。

*1
Hitachi Virtual Storage Platform G100,G200,G400,G600,G800、Hitachi Virtual Storage Platform F400,F600,F800、Hitachi Virtual Storage Platform G130,G150,G350,G370,G700,G900、およびHitachi Virtual Storage Platform F350,F370,F700,F900、を管理するためのサーバ(SVP)のことを管理サーバと表現しています。

5. 本セキュリティホールに関する情報

  1. https://portal.msrc.microsoft.com/ja-JP/security-guidance/advisory/CVE-2018-8330
  2. https://portal.msrc.microsoft.com/ja-JP/security-guidance/advisory/CVE-2018-8333
  3. https://portal.msrc.microsoft.com/ja-JP/security-guidance/advisory/CVE-2018-8411
  4. https://portal.msrc.microsoft.com/ja-JP/security-guidance/advisory/CVE-2018-8413
  5. https://portal.msrc.microsoft.com/ja-JP/security-guidance/advisory/CVE-2018-8423
  6. https://portal.msrc.microsoft.com/ja-JP/security-guidance/advisory/CVE-2018-8432
  7. https://portal.msrc.microsoft.com/ja-JP/security-guidance/advisory/CVE-2018-8453
  8. https://portal.msrc.microsoft.com/ja-JP/security-guidance/advisory/CVE-2018-8460
    https://portal.msrc.microsoft.com/ja-JP/security-guidance/advisory/CVE-2018-8491
  9. https://portal.msrc.microsoft.com/ja-JP/security-guidance/advisory/CVE-2018-8472
  10. https://portal.msrc.microsoft.com/ja-JP/security-guidance/advisory/CVE-2018-8481
    https://portal.msrc.microsoft.com/ja-JP/security-guidance/advisory/CVE-2018-8482
  11. https://portal.msrc.microsoft.com/ja-JP/security-guidance/advisory/CVE-2018-8484
  12. https://portal.msrc.microsoft.com/ja-JP/security-guidance/advisory/CVE-2018-8486
  13. https://portal.msrc.microsoft.com/ja-JP/security-guidance/advisory/CVE-2018-8489
  14. https://portal.msrc.microsoft.com/ja-JP/security-guidance/advisory/CVE-2018-8490
  15. https://portal.msrc.microsoft.com/ja-JP/security-guidance/advisory/CVE-2018-8493
  16. https://portal.msrc.microsoft.com/ja-JP/security-guidance/advisory/CVE-2018-8494
  17. https://portal.msrc.microsoft.com/ja-JP/security-guidance/advisory/CVE-2018-8503

6. 本件に関する問い合せ窓口


7. 更新履歴

  • 2019年3月22日: セキュリティサイトのURLを更新しました。
  • 2018年11月7日: このセキュリティ情報ページを新規作成および発信しました。
*1
弊社では、セキュリティ対応に関して正確な情報を提供するよう努力しておりますが、セキュリティ問題に関する情報は変化しており、当ホームページで記載している内容を予告なく変更することがありますので、あらかじめご了承ください。情報ご参照の際には、常に最新の情報をご確認いただくようお願いします。
*2
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*3
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