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日立サーバとVMware Horizonによるセキュアなシンクライアント環境の構築を皮切りに進化する教育環境へ向けた情報基盤の整備を推進。

学生の約8割が高等専門学校を卒業後に3年次編入し、その多くが修士課程に進むなど、特徴的な専門教育を実践する国立大学法人豊橋技術科学大学。
2009年、先進的なIT活用を指向する同学では学生の成績データなど個人情報の漏えいリスクへの対策を強化すべく、大学事務局の日常業務で利用するPCのシンクライアント化を実施しました。そのプラットフォームに選ばれたのは、高信頼・高可用な日立サーバと豊富な導入実績を誇るVMwareの仮想デスクトップ製品。
このシンクライアント環境の導入は、セキュリティの強化とコンプライアンスへの対応、そしてPCメンテナンスの省力化という学内情報システムの課題を解決するとともに、進化する教育環境に対応する先進の情報基盤づくりへ向けた大きなステップ導入環境となりました。

土屋 雅稔 氏の写真
国立大学法人 豊橋技術科学大学
情報メディア基盤センター
准教授 博士(情報学)
土屋 雅稔 氏

中村 純哉 氏の写真
国立大学法人 豊橋技術科学大学
情報メディア基盤センター
特任助教 博士(情報科学)
中村 純哉 氏

セキュリティ強化、コンプライアンス対応とメンテナンス省力化が課題に

豊橋技術科学大学は、従来の国立大学とは異なる組織体制のもとで運営される新構想大学として、愛知県豊橋市に1976年に開学。以来、修士課程までの一貫教育体制をベースに、基礎教育と専門教育を交互かつ段階的にレベルアップさせていく「らせん型教育」などを通じて、多数の優秀な人材を世に送り出してきました。

学生・教員向けの教育・研究用途だけでなく、いち早く学務・教務の現場にもITを活用してきた同学では、かつて約200台のPCを事務局の日常業務に活用していました。そんな中、まずはビジネスの領域でITシステムの課題として注目を集めるようになったのが、個人情報や機密情報などに関するセキュリティの強化やコンプライアンスへの対応です。

「これらは、成績データなど学生の個人情報を取り扱う大学内のITシステムにおいて極めて重要な問題で、幸いまだ実際の被害はなかったものの、本学でもPCの盗難やUSBメモリーの紛失などによる情報漏えいリスクへの危機感が高まっていました」

かつての学内システムの課題についてこう振り返るのは、同学・情報メディア基盤センターの土屋雅稔准教授。さらに、事務局で使っていたPCは導入年度もスペックもまちまちで、個々の故障対応やセキュリティパッチの適用といったメンテナンスも大きな負担になっていたと言います。こうした課題を解決する手段として、同学が事務局用PCのシンクライアント化を検討し始めたのは2009年のことでした。

VMware製品の豊富な実績と日立サーバの高信頼性・高可用性を評価

「サーバベース方式」や「ブレードPC方式」など、シンクライアント化の実現手段を比較検討した結果、同学は、サーバリソースを柔軟かつ効率的に活用でき、既存のアプリケーションをそのまま使えることでエンドユーザーの使い勝手もほぼ従来どおりに維持できる「仮想PC方式」の採用を決定しました。

そして競争入札による選考の結果、新たなシンクライアント環境のプラットフォームに選ばれたのは、日立のサーバとストレージ、そしてVMwareの仮想デスクトップ製品VMware View。選定にあたった土屋准教授は、何よりもその信頼性を高く評価したと言います。

「新たなクライアント環境の構築に際しての最重要課題であり、事務局からも強く要望されたのが、システムの安定稼働でした。その点、 VMware Viewはすでに導入実績も豊富で、競合製品に比べて信頼性をより高く評価できましたし、日立のサーバやストレージも高信頼・高可用なことで知られています。特に、万一のサーバ障害の際に自動的に系切り替えを実行する『N+1コールドスタンバイ』は、コスト最適化を図りながら優れた可用性を担保できる仕組みとして高く評価しました」

こうして2010年3月、学生の個人情報などを含むデータ、さらにアプリケーションやOSなどをPC側ではなくサーバ側に集約した事務局用PCのシンクライアントシステムが本稼働しました。

目下の課題を解決し、教育環境をさらに進化させる新たな情報基盤整備へ

新たなシンクライアントシステムは、機密情報などをサーバ側で保持・管理することでセキュリティ・コンプライアンス面の課題を解決。また、個々のPCに対するメンテナンスの手間を省力化できたことでシステムの運営管理負担を大幅に軽減しました。

そして、技術系教育機関として先駆的なITの活用可能性を意欲的に追求してきた豊橋技術科学大学では、さらにこのシンクライアントシステムを進化させます。見据えていたのはBYOD、つまり学生自身が所有するデバイスで大学のシステムを利用できるような、新たな教育環境の実現に対応したITの基盤づくりです。システム運営管理を担う情報メディア基盤センターの中村純哉特任助教は、「想定していたのは、授業で利用する各種アプリケーションを仮想化してサーバサイドに置くことで、どんな端末からも利用可能なシステム環境です。第2期のシンクライアントシステム構築にあたっては、そうした発展的なシステム活用にも対応し得る仕組みづくりを目指しました」と、その構想について説明します。

こうして2013年、厳正な選考の末、同学がそのプラットフォームに選定したのは、日立テクニカルサーバ HA8000-tc/HT210とHitachi Unified Storage 150、そして、より高度な仮想化環境を構築できるエンドユーザー向け統合仮想化環境VMware Horizon Suiteと、やはり日立とVMwareという組み合わせでした。

進化した第2期のシンクライアントシステムでは、VMwareの推奨値も参考にしながら、実測値に基づくリソース・サイジングを実施することで第1期に比べ大幅にパフォーマンスを改善。より快適なレスポンスでシンクライアントシステムを利用できるようになっています。

BYODのほかにも、職員だけでなく教員も利用できるセキュアな仮想シンクライアント環境の構築や、他の教育機関とのITリソース共有・共同利用など、先駆的なIT活用のビジョンを追求し続ける豊橋技術科学大学。「アプリケーション仮想化におけるVMware ThinAppの可能性をはじめ、今後の構想においてもキーとなる仮想化技術をVMwareがさらに進化させてくれること、そして製品の信頼性とともに定評のある日立の確かなサポート体制と対応力には大いに期待しています」と、土屋准教授が評するように、VMwareと日立のコラボレーションはこれからも同学におけるIT環境の進化をサポートしていきます。

BYOD:Bring Your Own Device

USER PROFILE

[写真]国立大学法人 豊橋技術科学大学

国立大学法人 豊橋技術科学大学ロゴ

1学部(工学部)5課程・専攻を擁する1976年開学の新構想大学。大学院修士課程までの一貫教育や4年次に必修のインターンシップ(実務訓練)など特色のある教育方針・カリキュラムで知られるほか、ロボット競技会「NHK大学ロボコン」では最多となる6度もの優勝を誇っている。

所在地:〒441- 8580 愛知県豊橋市天伯町雲雀ヶ丘1-1
創立:1976年10月1日
職員数・学生数:役職員379名・学生2,188名(2014年5月1日現在)

特記事項

  • VMware は、米国およびその他の地域における VMware, Inc. の登録商標または商標です。
  • その他記載の会社名、製品名はそれぞれの会社の商標または登録商標です。
  • 記載されている製品情報は、製品の改良により予告無く変更されることがあります。
  • 発言者の所属名/ 職位等は2014年9月時点の情報です。
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