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マルチUPS環境設定
動作条件設定画面での設定に加えて、下記の設定を行う必要があります。本設定はUPS1台のみを使用する場合でも必ず設定を行う必要があります。
multiups.ini ファイルを変更した場合は、サービスを再起動してください。
設定ファイル multiups.ini:
<標準のインストール先>c:\powermgr\multiups.ini
multiups.ini 設定ファイルの例
(本例はインストール直後のデフォルトです。)


startup-cond:  possible
shutdown-cond: all
alarm-cond:    1
comm-err-cond: 1
tty-list:      1

1 192.168.10.1 i enable       0 0
 

各項目の設定値の説明を示します。

項目名

設定値

説明

startup-cond:

起動判定

all

通信開始時に、通信が成功しないUPSがあれば初期化エラーをメッセージします。注1-1)
通信が成功したUPSの台数がtty-listに指定した台数に満たない場合は、コンピュータをシャットダウンします。

possible

通信開始時に、通信が成功しないUPSがあれば通信エラーをメッセージします。全てのUPSと通信が成功しない場合は初期化エラーをメッセージします。注1-2)

1〜8

通信開始時に、通信が成功しないUPSがあれば通信エラーをメッセージします。
通信が成功したUPSの台数が指定した台数に満たない場合は、初期化エラーをメッセージしてコンピュータをシャットダウンします。注1-3)

shutdown-cond:

停電判定/abnormal(ローバッテリ)判定

注2)

all

すべてのUPSが正常な場合、すべてのUPSが停電/abnormal(ローバッテリ)で、本ソフトウェアが停電/abnormal(ローバッテリ)状態と判定します。

at-least-one

1台以上のUPSが停電/abnormal(ローバッテリ)で、本ソフトウェアが停電/abnormal(ローバッテリ)状態と判定します。

1〜8

すべてのUPSが正常な場合、指定台数のUPS以上が停電/abnormal(ローバッテリ)で、本ソフトウェアが停電/abnormal(ローバッテリ)状態と判定します。

special

UPS一覧の設定で「s」を指定された特定のUPSが停電/abnormal(ローバッテリ)の場合に本ソフトウェアが停電/abnormal(ローバッテリ)状態と判定します。

alarm-cond:

故障メッセージ判定

1〜8

指定台数以上のUPSが故障した場合にメッセージを表示します。

comm-err-cond:
通信異常判定

1〜8

指定台数以上のUPSとの通信が異常となった場合に、通信異常をメッセージします。 ※デフォルトから変更しないでください。

tty-list:

監視台数

1〜8

監視するUPSの台数を指定します。

注1-1)初期化エラーのメッセージ「UPSの初期化に失敗しました」が表示されます。
注1-2)(1)監視対象となる全てのUPSと通信が失敗した場合(1台中1台, 2台中2台が通信失敗など):
      初期化エラーのメッセージが表示されます。     
      メッセージが表示されてから1分後にリトライを行います。リトライは30回行われます。
      それまでに初期化に成功しない場合は「Power Monitoring」サービスが停止します。
      (サービスを開始してから約70分後)
     (2)監視対象となるUPSが2台以上で、1台でも通信が成功している場合(2台中1台が通信失敗など):
      通信エラーメッセージが表示されます。「UPSと通信できません」
      ただし通信異常判定(comm-err-cond:)で指定した台数に満たない場合は表示されません。
注1-3)(1)通信が成功したUPSの台数が指定した台数に満たない場合(監視4台、指定3台、通信成功2台など):
      初期化エラーのメッセージ「UPSの初期化に失敗しました」が表示されます。
     (2)通信が成功したUPSの台数が指定台数以上で通信に失敗したUPSがある場合
      (監視4台、指定3台、通信成功3台など):
      通信エラーメッセージが表示されます。「UPSと通信できません」
      ただし通信異常判定(comm-err-cond:)で指定した台数に満たない場合は表示されません。
注2)停電判定/abnormal(ローバッテリ)判定条件の詳細説明

※監視台数とUPS一覧の登録数に不整合があった場合は、設定不正メッセージが表示されます。
  「MULTIUPS設定ファイル内容が不正」
メッセージ表示後、1分間隔でリトライを30回行います。(サービスを開始してから約30分後)
それまでに初期化に成功しない場合は「Power Monitoring」サービスが停止します。


UPS一覧の設定

1 192.168.10.1 i enable       0 0

2 192.168.10.2 i enable       0 0

上記のUPS一覧の設定は、下記の書式で設定します。スペースで各項目を区切ります。
<番号> < UPSのIPアドレス> <特定/個別> <UPS停止の指定> <遅延><ゲイン>

項目名

設定値

説明

<番号>
注3)

1〜8

tty-listで指定した台数分のUPS一覧を作成します。
番号は、1からの連番で指定する必要があります。

< UPSのIPアドレス>
注3)

192.168.10.1など

監視するUPSのIPアドレスを指定します。

<特定/個別>

i

「shutdown-cond」の値が「special」で、そのUPSを特定UPSする場合以外は「i」を指定してください。

s

「shutdown-cond」の値が「special」で、そのUPSを特定UPSにする場合は
「s」を指定してください。

<UPS停止の指定>

enable

対象のUPSの停止を本ソフトから制御します。

disable

対象のUPSの停止を本ソフトから制御しません。

<遅延>

 

通常は0を指定してください。

<ゲイン>

 

通常は0を指定してください。

注3)<番号>および< UPSのIPアドレス>が設定されたUPSを番号「1,2,・・・8」に対応して本ユーザーズガイドでは「監視対象UPS1,UPS2,・・・UPS8」と呼びます。

UPS一覧の設定で「1」に指定したUPSのIPアドレスは、本ソフトの共有の対象となる動作条件(共有データ)の転送先となります。
起動時に本ソフトと通信が成功しなかったUPSは、以後の監視対象から除外されます。途中で通信が復帰しても、そのUPSが監視対象に加わることはありません。
起動時に本ソフトと通信が成功したUPSは、途中通信が途切れても通信が復帰すれば監視対象に戻れます。
UPS一覧 設定値の詳細 (<特定/個別>)および<遅延><ゲイン>
上記UPS一覧の設定における<特定/個別>および<遅延><ゲイン>の詳細説明を記します。

<特定/個別>:UPSの属性を指定します。

意味

説    明

i

independent

独立したUPSであり、管理対象となります。

s

special

特殊なUPS、shutdown-condに specialが指定されている場合、このUPSが該当する状態になれば、 それ1台で停電/abnormal(ローバッテリ)の判定条件が真(true)になります。
・1番目のUPS以外でも指定できます。
・UPS番号1〜8までで複数台を指定できます。複数台の場合でも指定したUPS1台が停電を検知すると停電と判定されます。
指定していないUPSが停電を検知しても停電と判定されません。
・specialの設定はshutdown-condの判定のみに反映されます。
startup-cond、alarm-cond、comm-err-condの判定には影響しません。



<遅延><ゲイン>:各UPSの停止時と起動時の時間差(単位:秒)を指定します。最大値3600秒です。
  UPS停止時刻-->|-停止遅延時間<遅延>-->|---UPS出力停止---->|--UPS起動ゲイン時間<ゲイン>--|<--次回起動時刻-
UPS1-----------|------>|--------------|-------------------|----------------|<---------|---------------
UPS2-----------|------------->|-------|-------------------|-------|<------------------|---------------
UPS3-----------|--------------------->|------------------ |<--------------------------|---------------

スケジュール設定では、「UPS停止時刻」と「次回起動時刻」の時間差を、[停止遅延時間]+[UPS出力再開時間ゲイン]の値より大きく設定してください。停電によりコンピュータがシャットダウンし、UPS停止後にすぐ復電するような場合は、最も遅くUPSが停止する時刻から最も早くUPSが起動する時刻までの時間差がrebootdelay(再起動までの最小時間)になります。
注)複数電源入力を持つコンピュータに複数UPSで電力を供給する場合、上記の各UPS間の遅延(delay)とゲイン(gain)は同一にする必要があります。
設定ファイル multiups.iniの設定例
UPS2台での設定

startup-cond:  possible
shutdown-cond: all
alarm-cond:    1
comm-err-cond: 1
tty-list:      2

1 192.168.10.1 i enable       0 0
2 192.168.10.2 i enable       0 0



UPS2台で両方が停電したときにシャットダウンさせる設定になっています。

startup-cond:  possible
shutdown-cond: all
alarm-cond:    1
comm-err-cond: 1
tty-list:      2

1 192.168.10.1 i enable       0 0
2 192.168.10.2 i enable       0 0 



UPS3台で2台が停電したときにシャットダウンさせる設定

startup-cond:  2
shutdown-cond: 2
alarm-cond:    1
comm-err-cond: 1
tty-list:      3

1 192.168.10.1 i enable       0 0
2 192.168.10.2 i enable       0 0 
3 192.168.10.3 i enable       0 0 



UPS3台でUPS1のみの(他UPSの状態無視)停電でシャットダウンさせる設定

startup-cond:  possible
shutdown-cond: at-least-one
alarm-cond:    1
comm-err-cond: 1
tty-list:      3

1 192.168.10.1 s enable       0 0
2 192.168.10.2 i enable       0 0 
3 192.168.10.3 i enable       0 0




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