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Hitachi

日立アドバンストサーバ HA8500/9000Vシリーズ

SAS

Serial Attached SCSI

高速化の限界を迎えたパラレルSCSI

市場に登場してから20年にわたり進化を続けてきたSCSI(Small Computer System Interface)は、その優れたパフォーマンスやインテリジェンス性、下位互換性などによって、エンタープライズクラスのストレージの主役となってきました。しかし、インターネットの普及などに伴い、扱うデータ量は爆発的に増大を続けており、ストレージへのパフォーマンス要求はますます高まっています。こうした中で、パラレル方式によるSCSIの限界が目立つようになってきました。
もちろん、パラレルSCSIも進化の努力を怠ったわけではありません。最新のUltra 320 SCSIでは、最大転送速度320MB/秒を達成しています。しかし、パラレル方式が本質的に抱える技術的課題を解決するには複雑な仕組みを取り入れる必要があり、そのためのコストも膨大なものとなります。こうしたことからパラレルSCSIは、さらなる高速化のためのロードマップ作成を断念。今後は SAS(Serial AttachedSCSI)へ移行することとなったのです。

パラレルの限界を打ち破るシリアル化の流れ

パラレル方式のインタフェースでは、複数の信号線を利用する、各信号線の転送速度を上げる、という2段構えの方法でインタフェースのパフォーマンスアップを図ってきました。しかし、転送速度が上がるにつれ、複数の信号線から同時に送り出された信号が受信側でばらついて到着するという「スキュー」、あるいは複数の信号線が相互に干渉してしまうことで生まれる「クロストローク」といった現象の影響が増大。スムーズで正確な転送を妨げる要因になっていました。
一方、シリアル方式ではシングル・ストリームで信号を送るため、パラレル方式が抱えていたスキューやクロストロークの問題は原理的に発生しません。こうしたメリットから、多くのインタフェースがすでにシリアル方式へ移行しています。USBやIEEE1394、PCI Expressなどはいずれもシリアル方式です。
また、ストレージ分野でもATAがシリアルATA(SATA)へ移行するなど、シリアル化は急速に進んでいます。

SASの高いパフォーマンスと信頼性、スケーラビリティでも大きな余裕

パラレル方式の技術的限界を一気に打ち破るシリアル方式。SASはSCSIの持つ高信頼性を踏襲しながら、性能とスケーラビリティにドラスティックな進化をもたらします。

パラレル/シリアル接続

SASがもたらす数々のメリット

パラレル方式の技術的限界を一気に打ち破るシリアル方式。SASはSCSIの持つ高信頼性を踏襲しながら、性能とスケーラビリティにドラスティックな進化をもたらします。

SASがもたらす数々のメリット
特長 メリット
シリアル転送 高いパフォーマンス
ポイント・トゥ・ポイント接続
プロトコルはパラレルSCSIを継承 高信頼性
2.5インチHDDに対応 省スペース、高密度化、低消費電力
インタフェースはSATAの上位互換 SATAとの共存可

SASのメリット1:未来につながる高パフォーマンス

スケーラビリティの点でも大きな進化
SASが採用するシリアル転送方式では、原理的にスキューやクロストロークが発生しないため、転送速度の大幅な向上が可能になります。現在のSASでは、各リンク(デバイス)ごとに最大300MB/秒(3Gb/秒)の転送速度を達成。接続形態も、バスを共有しないポイント・トゥ・ポイント接続を採用しているため、接続デバイス数が増えてもシステム全体のパフォーマンスは落ちません。また、将来にわたるロードマップも用意。第2世代のSASは6Gb/秒、さらに12Gb/秒までが見込まれています。マルチリンク(2×、3×、4×)もサポートするため、さらなる高速化も可能です。
また、スケーラビリティの面でも、ポイント・トゥ・ポイント接続のメリットが活きてきます。バス接続のパラレルSCSIでは、最大の接続デバイス数は16台(コントローラ含む)でした。しかし、SASでは16,000を超える膨大なデバイスを接続することが可能になります。エンタープライズ用途では、この優れたスケーラビリティも大きなメリットです。

SASのメリット2:より強化された信頼性

20年にわたるパラレルSCSIの信頼性を継承
パラレルSCSIは、RAIDをはじめとするミッションクリティカル用途を含め、エンタープライズクラスのストレージ分野で約20年にわたる利用実績を持っています。この間に、ディスクドライブおよびプロトコルをはじめとするソフトウェアの両面で進化が図られてきており、信頼性に対する確固とした評価を得てきました。SASは、パラレル SCSIとの互換性こそないものの、こうした高い信頼性を継承しているのです。
実際、平均故障間隔(MTBF)はパラレルSCSIが規格として150万時間を想定しているのに対し、SASはそれを上まわる170万時間。エンタープライズクラスのストレージでますます高まる高信頼性への要求に対して、SASは十二分に応えるだけの能力を備えているのです。
またSASではケーブルやコネクタが小型化し、システム内部のエアフローが改善されることも、高い信頼性につながります。

SASのメリット3:2.5インチHDD対応で大幅な省スペースと高密度化、低消費電力

発熱量の低減は安定性の面でもメリット
パラレルSCSIでは3.5インチHDDのみがサポートされていました。これに対し、SASでは3.5インチ型に加え、2.5インチ型のHDDもサポート。2.5インチHDDは、3.5インチ型と比較して、体積比で約70%減という圧倒的な省スペース化が図れます。
この結果、サーバ本体や外部ストレージに、より多くのディスクを搭載できるようになり、システム全体のストレージ性能向上が図れます。
さらに2.5インチHDDの消費電力は、3.5インチ型の約半分。マシンルームの電力コスト削減に貢献するだけでなく、発熱量が減少することで、システムの安定性にも良い効果をもたらします。

SASのメリット4:SATAとの共存が可能

目的に応じてSASとSATAを使い分ける SASは、プロトコルをパラレルSCSIから、物理的な特性をシリアルATA(SATA)から継承しています。実際、物理デバイス・コネクタは、SASコネクタ用の拡張部分を除き、SASドライブとSATAデバイスで共通した形状になっています。またSASはSATA用のプロトコルもサポート。このため、 SASドライブとSATAドライブを混在させることが可能です。
デバイス選択の柔軟性が向上することで、信頼性やパフォーマンス、コストといった条件に応じて、1つのシステム内で自在にSASかSATAかを選択し、組み合わせることが可能になります。つまり、頻繁なアクセスが発生し、高い信頼性が必要なトランザクション・データを扱うストレージにはSASを、アクセス頻度が少ないアーカイブ・データや長期保存用データであれば、コストの安いSATAを選択する、といった使い分けができるようになります。パラレル SCSIでは不可能だったこうした柔軟性は、SASならではのメリットです。

真剣に将来を考えたら、結論はSAS

パラレルSCSIが克服できなかった技術的課題をSASは軽々と乗り越え、さまざまなメリットをお客様に提供します。すでに、ストレージ・ベンダー各社もSASへの移行に積極的に取り組んでおり、ストレージのこれからの主流はSASになることが明らかになっています。