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Hitachi

日立アドバンストサーバ HA8500/9000Vシリーズ

「バックアップ早わかり」講座

皆さん、データのバックアップってどうしていますか?データがなくなったり、壊れたりしてデータの復旧に多くの時間がかかるなど大変な目にあったことがありませんか?私もこういった経験をしてきたので、惨事を未然に防ぐという意味でも、お客様の装置を扱う際には、必ずバックアップをとるようにしています。
現在、このような課題や最近騒がれているウィルスや不正侵入から大切なデータを守る手段の1つとしてもデータ保護が注目されています。
今回から、データ保護の1つの手段としてバックアップの必要性からシステム構築、さらに最新のテクノロジーまで3回にわたって紹介していきます。

データを保護しなければならない理由とは?

デジタル社会の到来とインターネットの普及やデータのマルチメディア化により、あつかうデジタルデータ量は急激な勢いで増大を続けています。企業のデータも、1年あたり平均して60%も増大している報告もあります。そのような中で忘れてならないのがデータ保護です。

データの増大とデータの損失は表裏の関係にある

データの増大は、裏を返せばデータを失ったときの損害も増大することを意味しています。データを失うきっかけは、人為的ミス、コンピュータウイルス、機器の故障、天災、テロ行為などさまざまなものが考えられますが、これらのいずれもが突然にやってきます。そして、どんな原因であろうとも、いったんデータ損失が発生すれば、企業は多大な損害をこうむることになります。

データ損失による業務停止は企業に大きなダメージを与える

業務停止による1時間あたりの平均損失金額は、証券ブローカーや大規模電子商取引業で1000 万ドル前後、クレジット会社で数百万ドル、通信販売業種で10万ドルから数十万ドル、運輸業で数万ドルにも達します(2004年大手調査会社による調べ)。また、火災によって失ったデータを復元できずに倒産に追い込まれた企業さえあります。このため、企業がこれからも生き残るには、あらゆるデータ損失に対して迅速に対応できるだけの強固なデータ保護体制を確立しなければならないのです。

コンプライアンス(法令遵守)のためにデータの長期保管が求められる

最近では、企業が持つ重要情報の取り扱いに関する法規制が次々と生まれています。米国では、金融業界に対するSEC Rule 17a-4、上場企業に対するSarbanes-Oxley法(SOX法)、医療業界に対するHIPAAなどがその代表例です。日本にもこうした法規制の波が押し寄せ、すでに個人情報保護法やe-文書法が2005年4月から全面的に施行されています。これらの法令では、大量のデータを単に保管するだけでなく、そのデータをいかに安全な形で長期保管するかも重要な要件となっています。

画像 多様化したデータと保管期間
図1.多様化したデータと保管期間

主なデータ保護手法の種類

大量のデータを安全な形で長期保管するためには、データの保護を考慮しなければいけません。データを保護するには、単純にデータをまるごと複製したり、パリティやECC(Error Check and Correct)機能に代表される、データを復元するための特殊な情報を付加しデータの冗長性を保つ手法などがあります。具体的には、以下に挙げるようなデータ保護手法があります。それぞれには長短がありますので、複数の手法を効果的に組み合わせてデータ保護強度を高めます。

RAID(Redundant Array of Independent Disks)

ディスクやフラッシュドライブに保管するデータをリアルタイムに冗長化することで、ドライブの一部に障害が発生した場合でもデータ自身やデータへのアクセス性(可用性)を失わないようにする手法です。RAIDは、基本的に本稼働のディスクやフラッシュアレイ内で用いられるものなので、常に最新のデータを保持できます。ただし、人為的ミスやコンピュータウイルスなどによるデータ損失には対応できません。

スナップショット

ディスクやフラッシュアレイ内容の変更情報を保存する手法です。ドライブ内のデータ位置を指し示すポインタを保存するだけなので、スナップショットの取得には数秒程度しかかかりません。また、多数のスナップショットを簡単に保管できるため、何世代にもわたって過去の状態にさかのぼれます。ただし、実データとスナップショットを保管するディスクやフラッシュアレイ自体に障害が発生したときにはデータを保護できません。

レプリケーション(筐体間ミラーリング)

ディスクやフラッシュアレイ内のデータを別のディスクまたはフラッシュアレイに複製する手法です。基本的にはファイルシステムレベルでデータの複製を行います。データが更新されるたびに即座に複製を行う同期方式が最も高いデータ鮮度を持ちます。十分に離れた場所(リモートサイト)に複製用のディスクやフラッシュアレイを置くことで、天災やテロといった大規模災害にも対応できます。ただし、レプリケーションは総じて高価なソリューションです。

バックアップ

データ全体またはその変更分をテープやディスクに対して定期的に保管する手法です。その多くは 1日1回程度という低い頻度で実行されるため、他のデータ保護手法と比較するとデータの鮮度は低くなりがちです。ただし、人為的ミスやコンピュータウイルスによるデータ損失など、多くの障害に対するデータ復旧で威力を発揮します。

この図の構成は信頼性を重視したデータ保護手法です。

画像 データ保護手法の種類
図2.データ保護手法の種類

しかし、この構成では非常に高価なため、通常は、レプリケーションを除いたRAIDやスナップショットをベースにしながら、定期的なバックアップを組み合わせています。

次ページより、これらデータ保護手法の中で、今回は多くの障害に対するデータ復旧で威力を発揮するバックアップについて解説していきます。

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