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Hitachi

日立アドバンストサーバ HA8500/9000Vシリーズ

近年、電子マネーなどの情報インフラが生活に密接に関わるようになり暮らしが快適になってきています。こういったサービスが、災害や天災などによってある日突然使えなくなったらどうなるでしょうか?
一方で情報ネットワークの主役だった電話も、交換機からサーバを使ったNGN(Next Generation Network:次世代ネットワーク)への移行し始めており、こういったインフラの安定稼働にはまず第一に電源の安定供給が不可欠となってきます。安定した電源供給をする為の1つの手段としてUPS(無停電電源装置)があります。

今回はUPSの選び方として以下の項目をご紹介します。

  1. UPSに接続する機器の電源容量を算出する
  2. コンピュータの使用用途により、給電方式を選ぶ
  3. 電源バックアップ時間の確認
  4. 管理ソフトウェアの使用

また、管理ソフトウェアの設定方法についてもご紹介いたします。

UPSに接続する機器の電源容量を算出する

まず初めにUPSを選ぶためにはUPSに接続する対向装置の電力情報を調べる事が必要です。
対向装置に記載されている電力情報には、主に(1)VA値(皮相電力)(2)W(消費電力)、(3)V(電圧)A(電流)の3パターンがあります。以下に上記3つの例をとりあげ、どのように計算すればよいか示し、実際の構成において適切なUPSを選びます。

画像 電源容量からUPSを選定するフロー
図1.電源容量からUPSを選定するフロー

表1. HA8500/9000VでサポートしているUPSの電源仕様
UPS種別 出力電圧 最大出力
1.5kVA UPS 100V 1.2kW
2.1kVA UPS 200V 2.1kW
4.0kVA UPS 200V 4.0kW
6.0kVA UPS 200V 6.0kW
*1
力率は機器により異なりますが一般的にはサーバは1.0程度で周辺機器は0.6〜0.8程度になります。力率など電力情報が記載されていない場合は製品取り扱い元へお問い合わせ下さい。
*2
突入電流とは、電気機器に電源を投入したときに、一時的に流れる大電流の事です。

給電方式の選定

次に、どの給電方式の製品を利用するか決定しなければいけません。
UPSには、主に3種類の給電方式が採用されています。安定した高品質な電源を供給する「常時インバータ給電方式」、構造がシンプルで低価格ながら停電時に瞬断が発生する「常時商用給電方式」、上記2者の中間的な方式である「ラインインタラクティブ給電方式」の3つです。各給電方式には下表の通り、それぞれ特徴があります。

凡例 ◎:とても優れている ○:優れている △:劣っている ×:機能が無い

表2. 各給電方式の長所・短所
  常時インバータ 常時商用 ラインインタラクティブ
電圧変動
瞬停 × ×
ノイズ × ×
サージ*1 ×
コスト
*1
サージ:落雷などにより電源に一時的に大電流が流れることを言います。

サーバはごくわずかな瞬停や電圧変動に耐えうる設計になっていますが、HA8500/9000Vではミッションクリティカルな業務に利用されることが多いことを考慮し、供給電源の最も高品質な「常時インバータ方式」のUPS を採用しています。またBladeSymphonyやEP8000、HA8000、AP8000などのUPSにも採用しています。

電源バックアップ時間の確認

次に、電源バックアップ時間の検討します。電源バックアップ時間を検討する上で、(1)システムのシャットダウン時間(2)バッテリの消耗を考慮する必要があります。

システムのシャットダウン時間を測定

停電時、UPSはコンピュータに対しシャットダウン命令信号を送信します。そこからコンピュータはシャットダウン処理を開始します。シャットダウンが終了する前に、UPSのバッテリがつきてしまうとコンピュータが異常終了して、場合によってはデータや装置の破損などに繋がります。
正常にシャットダウン処理をするためには、その処理に必要な時間分の電源供給をしなければいけません。従ってシステムのシャットダウン時間を測定し、その時間を確保できるUPSや追加バッテリを選ぶ必要があります。

バッテリ寿命時期を考慮したバックアップ時間の確保

通常UPSのバッテリの寿命はバッテリの容量が50%になった時を指します。
例えば、バックアップ時間は導入時14分間であったとすると、寿命時では50%の7分間のバックアップ時間となります。

システム構成によって異なりますが、仮に今回のシステムのシャットダウン時間が10分かかったとします。
下表はHA8500/9000V用のUPS構成例によるバックアップ時間の関係を示しています。

表3. 1.5kVA 100V UPSの選択と導入年数のバックアップ時間の関係
  UPS本体のみ UPS本体+保守バイパスボックス UPS本体+バッテリボックス
納入時 7分 14分 21分
1年後 6分 12分 18分
2年後 5分 10分 15分
3年後 4.5分 9分 13.5分
4年後 4分 8分 12分
5年後 3.5分 7分 10.5分

下記に、シャットダウン処理終了時間とバックアップ時間の関係を示します。

画像 導入年数とバックアップ時間の関係
図2.導入年数とバックアップ時間の関係

上記UPSの特性データより、採用可否については下記のようになります。

表4. 採用可否と条件
  採用可否 条件
UPS本体のみ ×
UPS本体+保守バイパスボックス 2年後にバッテリの交換が必要
UPS本体+バッテリボックス 寿命期までバッテリの交換は不要

TIPSUPSは暑い場所は苦手?

UPSに使用されている鉛蓄電池(バッテリ)は暑い場所が苦手です。
バッテリは周辺温度が高くなるにつれて寿命が早まります。例えば適正温度である25℃の環境で使うのと35℃環境で使うのではバッテリの消耗も2倍の差がでてしまいます。UPSは適正温度の環境で使用してください。

画像 周辺温度と電池寿命の相関グラフ
図3.周辺温度と電池寿命の相関グラフ

TIPSUPSのメンテナンス

HA8500/9000V用のUPSのサポート期間は製品納入後5年間と定めており、その間におけるバッテリ交換や修理対応(納入後1年以内は無償で対応)を行っています。UPSのバッテリは消耗品であり、バッテリの残容量の状況に従い、交換が必要となります。残容量の状況を確認の上、計画的なバッテリ交換をお願いします。
また、UPSに給電しないででおいておくとバッテリが放電して劣化し使用ができなくなります。使わない場合でもバッテリの性能を保持するために半年に1度はフル充電してください。

管理ソフトウェアの使用

停電時、UPSは電源を供給しますが、その間に、システムのシャットダウン処理を終了しないと、正常終了することが出来ません。正常終了する為にはUPS管理ソフトウェアが必要です。このソフトウェアを使用する事で安全にシステムのシャットダウン処理を行います。加えて、UPS管理ソフトウェアは、UPSの系統別の電源ON・OFF、日・週・月・年、各々のスケジュール運転、SNMPトラップの送信、停電時などのメール送信などの機能を使用することで、UPSの効果的な運用ができます。
UPSを使用する際には必ずUPS管理ソフトウェアを使用してください。

TIPS電源のクリーン化

CVCF(Constant Voltage Constant Frequency)などの停電を考慮する必要がない電気設備を持っている場合、UPSは不要と思われる方も多いと思います。しかし、CVCFの電源環境がクリーンではない場合(電圧変動、周波数変動など)、UPSを使用することで電源のクリーン化が可能となりシステムの安定稼働をより確かな物にします。

次のページではHA8500/9000VのUPS管理ソフトウェアであるPower Monitor H for Networkの簡単な概要を紹介いたします。

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