本文へジャンプ

Hitachi

日立アドバンストサーバ HA8500/9000Vシリーズ

最近はWindowsRなどのGUIを中心とするOSが普及し、コマンドライン中心のHP-UX(UNIX)にはあまりなじみのない方も多くいると思います。HP-UXにおいても管理のGUI化は進んでいますが、使用される多くの業務では操作手順のログを正確に残す必要性から、コマンドラインによる運用が中心となっています。このことから、本特集ではインストールの操作に関わる基本的なコマンドやその意味、実行例まで含めてご紹介します。

ボリューム割り当てとディレクトリ構造

まず、アプリケーションをインストールする説明の前に、HP-UXシステム上のボリューム割り当てやディレクトリ構造について簡単に説明しておきます。

WindowsR上では、一般に物理的なハードディスクドライブをパーティションで分割し、それぞれを「ドライブ」として管理します。それぞれのドライブにはドライブ名称が割り当てられ、ドライブごとにファイルシステムを持っています。DVD/CD-ROMドライブもまた、1つのドライブとして認識されます。(図1上)

これに対しHP-UXでは、まず物理的なハードディスクドライブを複数まとめてVG (ボリュームグループ)を構成します。この中から論理ボリューム(lvol)を切り出し、HP-UXシステム上のディレクトリにマウントして使用します。マウントについては次の項で説明しますが、ディスクなどの記憶装置をディレクトリに割り当てる作業のことです。DVD/CDも同様に、HP-UXシステム上のディレクトリにマウントして使用します。(図1下)

画像 HP-UXとWindowsのボリュームの割り当て方の違い
図1. HP-UXとWindowsのボリュームの割り当て方の違い

HP-UXシステムにおけるディレクトリ構造は、ルート(/)ディレクトリ以下、一般的に次のようになっています。

  • / : ルートディレクトリ
  • /home : ユーザのためのホームディレクトリ
  • /usr : 共有可能なユーザコマンド、ライブラリなどのためのディレクトリ
  • /opt : アプリケーションプログラムのためのディレクトリ
  • /tmp : 一時ファイルのディレクトリ
  • /stand : カーネル用のディレクトリ
  • /var : ログファイル、ダンプファイルなどのためのディレクトリ

HP-UX上で、論理ボリュームはボリュームマネージャにより管理されています。HP-UXで使用できるボリュームマネージャには、LVM (Logical Volume Manager)とVxVM (VERITAS Volume Manager)がありますが、通常はLVMを使用します。それぞれの論理ボリュームは、ファイルシステム*1を構成します。HP-UXで使用可能な論理ボリューム用のファイルシステムにはHFSとJFS(VxFS)がありますが、主にJFS(VxFS)が使用されます。

*1
ファイルを配置する構造についても、ファイルを管理するプログラムについても「ファイルシステム」と呼びます。

メディア(DVD/CD)のマウント

つぎに、メディア(DVD/CD)のマウントについて説明します。前の項でも触れましたが、ディスクなどの記憶装置(論理ボリュームやDVD/CD)をディレクトリに対応させることを「マウント」と言います。また、一度マウントした記憶装置を取り外す作業のことを「アンマウント」と言います。DVD/CDについては、読み込ませたいDVD/CDメディアごとにマウント、アンマウントが必要になります。(図2参照)マウントをする対象のディレクトリのことを、マウントポイントと呼びます。

画像 マウント
図2. マウント

では、実際にマウントをするためにはどうすればよいかを解説します。これ以降の作業は、スーパユーザ権限(root権限)が必要となります。ここでは、DVD/CDメディアからソフトウェアをインストールする場合のマウント方法を説明します。まず、マウントポイントを作成します。mkdir(1)コマンドで、マウントするディレクトリを作成します。

# mkdir -m [mode] [ディレクトリ名]

  • -m [mode] : パーミッション(モード)を指定します。
  • [ディレクトリ名] : 作成するディレクトリ名を指定します。通常は"/SD_CDROM"としてください。

実行例:

# mkdir -m 777 /SD_CDROM

次に、DVD/CD-ROMドライブのデバイスファイル名を確認します。HP-UXでは、ioscanというコマンドにより、接続されている物理デバイスのパスを知ることができます。

# ioscan -fnu -C [クラス名]

  • -f : より詳細な情報を表示します。
  • -n : デバイスファイル名を表示します。
  • -u : カーネル上のI/O情報を表示します。
  • -C [クラス名] : 表示するデバイスのクラスを指定します。

実行例:

# ioscan -fun -C disk
Class   I  H/W Path       Driver    S/W State   H/W Type    Description
============================================================================
disk    0  0/0/2/0.0.0.0  sdisk     CLAIMED     DEVICE      HL-DT-STDVD-ROM 
GDR8160B
                         /dev/dsk/c0t0d0   /dev/rdsk/c0t0d0
disk    1  0/1/1/0.0.0    sdisk     CLAIMED     DEVICE      HP 36.4GST336753
LC
                         /dev/dsk/c2t0d0     /dev/rdsk/c2t0d0
                         /dev/dsk/c2t0d0s1   /dev/rdsk/c2t0d0s1
                         /dev/dsk/c2t0d0s2   /dev/rdsk/c2t0d0s2
                         /dev/dsk/c2t0d0s3   /dev/rdsk/c2t0d0s3
・・・・・・
#

上記では、“Description”により、DVD-ROMドライブは/dev/dsk /c0t0d0と推測できます。正確には、diskinfo(1M)コマンドで確認をします。指定するのは、キャラクタデバイスファイル名(パスが /dev/rdskで始まるもの) ということに注意してください。

# diskinfo [キャラクタデバイスファイル名]

 

実行例:

# diskinfo /dev/rdsk/c0t0d0
SCSI describe of /dev/rdsk/c0t0d0:
             vendor: HL-DT-ST
         product id: DVD-ROM GDR8160B
               type: CD-ROM
               size: 0 Kbytes
   bytes per sector: 0

次に、mount(1M)コマンドで、メディア(DVD/CD)をマウントします。

# mount [デバイスファイル名] [マウントポイント]

  • [デバイスファイル名] : ドライブのブロックデバイスファイル名を指定します。
  • [マウントポイント] : メディアのマウント先ディレクトリ名を指定します。

実行例:

# mount /dev/dsk/c0t0d0 /SD_CDROM

最後に、マウントしたディレクトリ(/SD_CDROM)の中身を確認して終了です。

実行例:

# ls /SD_CDROM
・・・・・・
Base-VXVM PCI-MUX X11MotifDevKit
Bastille PCITR ZWST41_TRY
C-ANSI-C PFIL-HP ZeusIA
C-Dev-Tools PPU catalog
CIFS-Client PRM-Sw-Krn dmzProduct
・・・・・・

アプリケーションのインストール/アンインストール

インストール

次に、HP-UXのアプリケーション(HPミドルウェア)を実際にインストールする方法をご紹介します。
HP-UXでは、インストールに関連して「コードワード」「ソフトウェア・オブジェクト (バンドル、プロダクト、サブプロダクト、ファイルセット)」「デポ(depot)」「パッチバンドル」といった独特の用語が使われます。これらの用語については、用語解説を参照してください。

アプリケーションをインストールするには、基本的にApplicationメディアを使用します。その他に、OEメディアやSoftware Pack、製品個別のメディアを使用することもあります。また、ソフトウェアの種類によってはHP社のWebサイトからソフトウェアを直接ダウンロードしてインストールすることも可能です。

対話形式(GUI)
X Window上で、マウスとキーボードで入力する方法です。
非対話形式(GUI)
端末(ターミナル)画面上でキャラクタベースの擬似ウインドウに対し、キーボードで入力する方法です。
非対話形式(CLI)
端末(ターミナル)画面のコマンドラインで実行する方法です。

対話形式のswinstallは、それぞれSAM (System Administrator Manager) から起動できます。
今回は非対話形式(CLI)を中心に紹介します。これは、インストール時の操作ログを記録したい場合にはCLIを使用することが多いためです。しかし、対話形式のswinstallを利用することで簡単にインストール、アンインストールが可能なため、状況によって使い分けていただくことをお奨めいたします。

# swinstall -s [ソース名] [-x [option=value] -x [option=value]…]
[ソフトウェアの種類]

  • -s [ソース名] : ソフトウェアのインストール元(ソース名)を指定します。
  • -x [option=value] : オプションを指定します。オプションには下記があります。
  • Codeword : valueとして、コードワードを入力します。
  • customer_id : valueとして、Customer IDを入力します。
  • ソフトウェアの種類] : インストールするソフトウェアの種類(バンドル、プロダクト、サブプロダクト、ファイルセット)を指定します。

実行例 (MirrorDisk/UXの場合):

# swinstall -s /SD_CDROM -x \
codeword=xxxxxxxxxxxxxxxx -x customer_id=xxxxxxxxxxxx B2491BA
  • * 実行例中の“\”マークは、1回のコマンドの文字数が多い場合に、見やすくするために行を分けて入力する際に使用します。

ソフトウェアの種類(上記の例ではB2491BAというバンドル)が不明の場合は、次ページの「メディア内容の確認方法」により確認してください。

ソースにDVDまたはCDを使用する場合には、上記コマンドを実行する前にマウントが必要です。マウントの方法については、「メディア(DVD/CD)のマウント」の項をご覧ください。なお、対話形式で実行した場合は、自動的に/SD_CDROMにマウントされます。

アプリケーションの種類によっては、再ブートが必要なものがあります。このような製品で上記のようなコマンドを実行するとエラーが表示されます。この場合は、必ず再ブートしてよい状況にしてから「-x autoboot=ture」オプションを指定して実行してください。

アンインストール

次に、アプリケーションをアンインストールする方法を説明します。インストールと同様に、対話形式(GUI、CUI)と非対話形式を選択可能ですが、ここでは非対話形式の例でご説明します。アプリケーションをアンインストールするにはSD-UXの swremove(1M)コマンドを使用します。

# swremove [ソフトウェアの種類]

  • [ソフトウェアの種類] : アンインストールするソフトウェアの種類(バンドル、プロダクト、サブプロダクト、ファイルセット)を指定します。

実行例 (MirrorDisk/UXの場合):

# swremove B2491BA

インストールされたソフトウェアの種類(上記の例ではB2491BAというバンドル)が不明の場合は、次項のインストール製品の確認方法により確認してください。

より詳しい情報につきましては、下記HP社Webサイト「ソフトウェア製品のインストール」や、HP社Webサイト「テクニカル ドキュメント」の「HP-UX 11i インストール/アップデートガイドを参照ください。

インストール製品の確認方法

インストールされているアプリケーションの情報を表示する方法を紹介します。

# swlist -l [レベル]

  • -l [レベル] : 情報を表示するレベル(ソフトウェア・オブジェクトの種類)を指定します。

ソフトウェア・オブジェクトについては、次ページの用語解説をご参照ください。

実行例1:

# swlist
・・・・・・
B2491BA      B.11.23      MirrorDisk/UX (Server)
・・・・・・

上記の実行例では省略していますが、このコマンドを実行することにより、動作しているHP- UX上にインストールされているソフトウェアが全て表示されます。上記の実行結果より、MirrorDisk/UXがインストールされていることと、そのバージョン(B.11.23)を確認できます。

実行例2:

# swlist -l bundle | grep Mirror
  B2491BA                       B.11.23        MirrorDisk/UX (Server)

上記の例では、ソフトウェア・オブジェクトの種類としてbundleを指定し、grepにより“Mirror”を含む行のみ表示しています。上記の場合、大文字と小文字の区別が必要なのでご注意ください。一般にHP-UX(UNIX)では、大文字と小文字を別の文字として扱います。

2ページ中1ページ