Hitachi

概要

システムBIOSバージョン2.50または2.52を使用する環境において、拡張メモリテストを有効に設定している場合、起動時に実行される拡張メモリテスト時にUncorrectable Machine Check Exception (UMCE)が発生することがあります。

重要度

重要

発生頻度

現象および影響範囲

システムBIOSをバージョン2.50または2.52を使用する環境において、拡張メモリテストを「有効」に設定している場合、起動時に実行される拡張メモリテスト時にUncorrectable Machine Check Exception (UMCE)が発生することがあります。また、メモリのマップアウトに至ることがあります。
なお、拡張メモリテストのデフォルトは「無効」設定です。
この事象が発生した場合には、IMLに以下のエラーログが残ります。

Uncorrectable Machine Check Exception (Processor X, APIC ID 0x000000xx, Bank 0x0000000x,...
DIMM Failure - Uncorrectable Memory Error (Processor X, DIMM Y) ACTION: Replace Failed DIMM.
Uncorrectable Memory Error Threshold Exceeded (Processor X, DIMM Y). The DIMM is mapped out and is currently not available.
ACTION: Take corrective action for the failing DIMM. Re-map all DIMMs back into the memory map in RBSU. If the issue persists, contact support.

なお、本事象が発生しても、メモリモジュールに異常はなく、メモリ交換の必要はありません。

回避策

システムBIOSをバージョン2.50または2.52を使用する環境では、拡張メモリテストは「無効」に設定してください。
また、BIOS 2.50/2.52へアップデートする場合には、アップデート前に拡張メモリテストの設定を「無効」に設定しておいてください。設定方法は次のとおりです。
なお、拡張メモリテストのデフォルトは「無効」設定です。

  1. システムユーティリティの画面において、システム構成 > BIOS/プラットフォーム構成 (RBSU) > システムオプション > ブート時間最適化 > 拡張メモリテスト を選択する。
  2. 「無効」を選択する。
  3. 設定を保存する。

回復手順

メモリがマップアウトされた場合は、以下の手順で修正不可能なメモリエラーなどの障害イベントが原因で無効になっている可能性のあるシステムメモリを再マップしてください。

  1. [システムユーティリティ] 画面で、[システム構成] > [BIOS/プラットフォーム構成 (RBSU)] > [メモリオプション] > [メモリの再マップ] を選択し、設定値を[すべてのメモリの再マップ]に変更してください。
    手順1
  2. [システム構成] > [BIOS/プラットフォーム構成 (RBSU)] に戻ります。
  3. [BIOS/プラットフォーム構成 (RBSU)]画面でCtrl+Aキーを押して、[サービスオプション]画面を表示させてください。
  4. [DIMMマップアウトレコードをクリア] を選択し、設定値を[有効] に変更してください。
    手順2
  5. [保存]を選択し設定を保存した後、システムを再起動させてください。
    なお、[メモリの再マップ]と[DIMMマップアウトレコードをクリア]の設定値は再起動後に自動的にデフォルトに戻ります。

上記の回復手順は、大量展開の場合は、以下のようにして、RESTfulインターフェースツールによって実行することもできます。

  1. 以下の内容のxxxx.jsonファイルを作成し、C:\Users\Administrator\Documentsディレクトリに保存してください。
    {
       "/redfish/v1/systems/1/bios/settings/": {
          "Attributes": {
             "MemoryRemap": "AllMemory",
             "ExtendedMemTest": "Disabled"
          }
       },
       "/redfish/v1/systems/1/bios/service/settings/": {
          "Attributes": {
             "ClrDimmMapoutRecords": "Enabled"
          }
       }
    }
  2. RESTfulインターフェースツールを起動してください。
  3. 以下の例の要領でilorest rawpostコマンドを実行してください。
    C:\Users\Administrator\Documents>ilorest rawpost xxxx.json -u Administrator -p password --url=15.100.XXX.XX

    iLOrest : RESTful Interface Tool version 3.2.2
    Copyright (c) 2014-2021 Hewlett Packard Enterprise Development LP
    --------------------------------------------------------------------------------
    The operation completed successfully.
    The operation completed successfully.
注1:
上記のユーザー名、パスワード、IPアドレスは一例です。必要に応じて変更してください。
注2:
「MemoryRemap」と「ClrDimmMapoutRecords」の設定は、DIMMがすでにマップアウトされているかどうかに関係なく、再起動後に、それぞれデフォルト値の「No Action」と「Disabled」に戻ります。

対策方法

System ROM(BIOS)をバージョン2.54以降へアップデートしてください。
最新のSystem ROM(BIOS)は次の日立Webページよりダウンロードしてください。

アップデートは、オンライン(Windows/Linuxの場合)もしくはオフラインで可能です。
なお、オンラインでアップデートした場合、サーバの再起動が必要となります。

対象製品

対象装置 RV3000 A1

発生条件

BIOSバージョン2.50または2.52を使用し、拡張メモリテストの設定を「有効」にしている場合

対象バージョン

BIOSバージョン2.50および2.52

対象OS

OS依存はありません。

関連するアドバイザリ

HA8000Vに関する情報は下記の重要なお知らせを参照ください。
CRI-2021-0019:拡張メモリテストを有効に設定した環境においてUMCEが発生する事象に関して

更新情報

2022年3月25日(更新):対策方法に対策版の情報を追記、関連するアドバイザリに説明とリンク先タイトルを追記
2021年10月29日(更新):RV3000 A1向けの情報をCRI-2021-0019からCRI-2021-0019aへ移動
2021年10月15日(更新):回復手順を追記
2021年10月1日(公開)

*
本ページで記載している内容を予告なく変更することがありますので、あらかじめご了承ください。

文書番号

CRI-2021-0019a