
−「HDP*1」と「HDT*2」でより投資効果の高い提案へ−
*1 Hitachi Dynamic Provisioning *2 Hitachi Dynamic Tiering
リプレース計画を作成している最中に、途中段階の見積もり案を見られてしまい、部長の不興を買ってしまった国府津さん。
改善のヒントを教えてくれるはずのピーちゃんはなんとバカンス中。
仕方なく国府津さん1人で見直しをする羽目に…
――――翌朝

(ぜぇぜぇ…)
前回、ピーちゃんが言っていた、ストレージのシンプロビジョニング(ボリューム容量の仮想化)、というのを思い出して、最初から見積もったスペックどおりの物理容量が必要になるわけではない、というところまではなんとかたどり着いたんだけど…。これを実際の計画にどう反映したものか…。

グッモーニーン!しばらくぶりだけど、元気だったかな。

ピーちゃーん。待ってたよぉー。

どうしたんですか、そんな涙目で。

という訳で…
困っていたんだよー。

なるほど、そんなことが。
ごめんなさい、バカンスのことで頭が一杯で、ピーちゃん、すっかりフォーゲットしていました。

(すっかりフォーゲットって…)

それで、シンプロビジョニング(ボリューム容量の仮想化)を思い出すところまでは、たどり着いたと…。素晴らしい!よく思い出しましたね。
その通り、中長期的なデータを基に必要な容量を見積もったまでは良かったのです。ただ、その容量が最初から必要になるわけではないのです。

はい。そこまではなんとか…。

見積もりで算出した将来必要となる容量は、最初は仮想ボリュームとして用意するのです。
このとき、実際にその物理容量があるということではなく、将来的に必要になる容量として仮想的に定義しておくということになります。そして、業務の拡張などによって増えていく容量をHitachi Command Suiteでチェックし、必要に応じて実際の物理ボリュームを増やしていくのです。


さて、容量はこれで適正化されました。リプレース計画をさらにワンステップ上のレベルにするためには、もう一つ考えなくてはならないポイントがあります。何だかわかりますか?

えーと、性能、ですかね…?

グッドアンサーです。一般的に、ストレージシステムは、何種類かのディスクドライブによって構成されますが、よく使用されるディスクドライブの種類には、それぞれ次のような特徴があります。


つまり、「高速だけど容量は小さい」方向と「高速ではないが容量は大きい」方向に大別され、ストレージシステムはこれらの複数の階層で構成されています。
このようなストレージシステムの構造に対して、性能を十分に発揮するためには、アクセス頻度に応じて、データは適正な階層に格納されている必要がありますが、これをストレージ管理者が手作業で実施するのはなかなか大変ですよね。

うーん、単純にデータの種類だけで分類できるわけでもないし、考えただけでも大変そう…

そこで登場するのがストレージ階層の仮想化機能「Hitachi Dynamic Tiering (HDT)」です。HDTでは、このストレージ階層間のデータの移動を、データのアクセス頻度に応じて、自動的に実施してくれるのです。


なるほど…。これは便利ですね。

ちなみに、あらかじめスケジュールを設定しておくことで、業務時間中にモニタリングした結果で、業務時間外にデータの再配置を実施できるため、業務への影響が発生することもないんですよ。
8:00〜20:00をモニタリング期間とし、21:00からデータの再配置を開始するという設定例です。



すごーい!!ぜひ、これも今回のリプレース計画に盛り込まなきゃ。
ピーちゃん、色々とありがとう。やっぱり僕のこと忘れてなかったんだね。

え、ええ、まあね(忘れてたけど…)。
頑張ってくださいね!ピーちゃんもオールウェイズ応援してますよ。
――――さらに数日後
部長「 …(見直し後のリプレース計画を確認して)なるほど、「HDP」と「HDT」か。
国府津くん、よく調べてくれたな。
見積もり金額も妥当な線じゃないか。よし、この計画で行くこととしよう!」
国府津「ありがとうございます!部長(涙)」
(ピーちゃん!やったよ!!)
(次回へと続く…)