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Hitachi IoT Platform Magazine

2017年11月、東京国際フォーラムにおいて「Hitachi Social Innovation Forum 2017 TOKYO」が開催され、たくさんのご来場者の方へ、お客さまとの協創を通じて進化を続ける日立の社会イノベーション事業を幅広くご紹介しました。ここではお越しになれなかった方のために、「Connected by Lumada」、「SECURITY」、「WORKSTYLE INNOVATION」の3つのカテゴリーについて、編集部が会場でキーパーソンにインタビューしたさまざまなソリューションの新しい価値をご紹介します。


異業種間の煩雑な取引を電子化


日立のブロックチェーン技術について、阿部さんに伺いました。


近年、仮想通貨のしくみを支える技術「ブロックチェーン」が世界的に注目されています。日立が提案するブロックチェーン活用について、阿部さんに聞きます。
ブロックチェーンは分散型台帳技術とも呼ばれています。ネットワークでつながった各企業がビジネスの取引データ(台帳)を分散共有しあうことで、データの改ざんを防ぎ、取引の正当性と透明性を確保することができます。


ブロックチェーンの特長

ブロックチェーンはもともとビットコインから始まった技術のため、金融業界向けというイメージが強いかと思います。しかし日立はその可能性に着目し、流通・小売や政府・自治体、さらには医療、電力、IoTといった幅広い業種への活用を考えています。
実際にはどのようにビジネスに活用されるのでしょうか。
一例として、自動車保険業者向けのプロトタイプがありますので、デモをお見せしましょう。これまで自動車保険への加入や交通事故に遭った場合の保険金請求は、書類やFAXでのやりとりだったため非常に煩雑で時間がかかっていました。ブロックチェーンなら、それらの手続きをすべて電子化することができます。

例えば、Aliceさんという人がC保険会社の自動車保険に加入するとします。氏名や車種、車両識別番号、保険会社名、保険等級などを本人がデバイスに入力するだけでブロックチェーンに登録され、保険への加入が完了するというしくみです。

次に、Aliceさんが車を運転中、Bobさんというドライバーの不注意で事故に遭ったとしましょう。まず、警察が2人の保険番号をブロックチェーンに登録します。
すると、Aliceさんが加入しているC保険会社にその情報が届きます。C保険会社がBobさんの保険番号をブロックチェーン上で検索し、D保険会社の自動車保険に加入していることがわかると、D保険会社へ速やかに保険金を請求することができます。
さらに、E自動車修理会社もブロックチェーンで連携しているので、D保険会社への修理代金の請求を速やかに行うことができます。

第三者機関の仲介がないから、保険会社間はもちろん、業種をまたがっても効率的に手続きを進められるのですね。
それこそがブロックチェーンを利用するメリットなのです。今回は自動車保険への適用例を紹介しましたが、自動車部品のトレーサビリティや貿易金融への活用を想定したプロトタイプも用意しています。

セキュアな取引を実現するPBI技術

ところで、入力者がAliceさん本人かどうかの確認はどうするのですか。
いろいろな方法がありますが、他のプロトタイプではPBI認証を使用しています。入力する前に、デバイスに接続されている指静脈認証装置に指をかざすことで、本人かどうかが識別されます。これは、生体情報から電子署名を自動生成する日立独自のPBI(公開型生体認証基盤)技術を応用したものです。

指の静脈パターンは偽造が極めて困難なためなりすましのリスクが低く、しかも本人認証を手間なく行えるので、セキュアな取引には欠かせません。この指静脈認証を取り入れたブロックチェーン技術を、日立グループにおけるサプライチェーン領域に活用するため、現在実証実験を行っているところです。

ブロックチェーンOSSの開発に大きく貢献

今、多くのITベンダーがブロックチェーン技術の開発に取り組んでいます。日立のブロックチェーン技術の強みは何ですか。
日立のブロックチェーン技術は「Hyperledger Fabric」というOSSを採用しています。これは、The Linux Foundationが設立したブロックチェーン技術の共同開発プロジェクト「Hyperledger」で開発されたもので、日立はその設立当初からプレミアメンバーとして参加しています。システムの稼働安定化やアプリ開発環境の整備などの貢献を通じて、ブロックチェーン活用に関する豊富な知見を培っています。

実際のところ、ブロックチェーン技術をどう使えばいいのか、どんな効果を見込めるのかわからないといったお客さまが多く、本格導入するにはまだまだハードルが高いようです。そこで日立は、月額制でお使いいただける「Hitachi Blockchain PoC 環境提供サービス for Hyperledger Fabric」を用意しています。

「気軽にブロックチェーン環境を試してみたい」というお客さま向けには、シンプルな構成のシステム環境をワンセットで提供しています。また、「ビジネスを見据えた検証をしたい」お客さまに対しては、自社の複数拠点や複数企業での連携も試せるシステム環境を提供しています。


「気軽にブロックチェーン環境を試してみたい」お客さま向けのPoC環境

*1 ピア:チェーンコードと呼ばれるアプリケーションの実行や台帳の保持をするノード。
*2 チェーンコード:特定の条件と成果を暗号化したプログラム。

日立が提供するブロックチェーン技術をご活用いただくことで、企業間のやりとりが格段にスピードアップし、業種の壁を越えたビジネスの推進が可能になります。日立には、幅広い業種への深い理解とノウハウがあります。その知見をブロックチェーン開発に活かし、お客さまのビジネス拡大に貢献していければと考えています。

ブロックチェーンによる幅広いビジネスの進化に、期待がますます高まります。
ありがとうございました。


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