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Hitachi IoT Platform Magazine

発売から20年を超える歳月の中でお客さまとともに磨き上げた、統合システム運用管理JP1。時代のニーズを先取りしたVersion 11が2016年1月に発表されました。ITシステムの運用を自動化・省力化する一方で、企業価値をさらに高めるためのツールとしても期待されています。今回は、JP1の開発、品質保証、プロモーションを担当するそれぞれのチームの皆さまにお話をお伺いします。

第2回目は、JP1の開発とプロモーションについてお話を伺いました。


(左から)坂西さん、阿部さん、石田さん、加藤さん

──JP1 Version 11はどのような考え方から生まれた製品なのでしょうか。

石田 企業のITには、業務プロセスを効率化し、ビジネスを安定させる、「守りのIT」の部分と、イノベーションを起こし、ビジネスを成長させる、いわゆる「攻めのIT」の部分がありますが、多くの日本の企業はIT投資の7割から8割を守りのITに費やしてきました。それに対して米国では攻めのITに投資する企業の割合が多くなっています。日本の企業が国際的な競争力を強化するためには、攻めのITの部分を増やしていかなければなりません。そのためには守りをいかに効率的にするかが重要です。
Version11は、守りのITのコストを下げ、攻めのITに投資したい時に、JP1の機能をサービスとして提供することや、クラウドで動くアプリケーションなどを迅速に市場に提供することに注力した製品です。ここ数年、多くのお客さまは、オンプレミスシステムにクラウドを組み合わせて使っていますので、JP1もそうした使い方に対応する機能を強化しています。

──ではVersion 11の具体的な特長を教えていただけますか。

加藤 今回3年ぶりのメジャーバージョンアップとなったJP1 Version 11は、「サービスとしてのJP1」、「クラウドを支えるJP1」、「IT運用に革新をもたらすJP1」、という3つの柱をベースにしています。サービスとしてのJP1は、お客さまが使いたい時に使いたいだけすぐに使える、という要望に応えるためのもので、その第一弾としてSaaS型のJP1を発表しました。クラウドを支えるJP1は、最近使われることの多いクラウド環境においても、お客さまの運用管理業務がスムーズに行えるようなJP1の価値を提供します。IT運用に革新をもたらすJP1は、クラウドが混在した複雑な環境でも安定稼働させたり、障害が起きた時に迅速に対応する仕組みを用意しています。Version 11では20年かけて進化してきたJP1を、これからもお客さまに使い続けていただくために、新しい技術を取りこんで進化させています。

──新製品も発表されましたね。

加藤 JP1/Operations Analyticsですね。障害が起きた時にいち早く復旧するためのノウハウを埋め込みました。影響範囲の特定作業を迅速に行えるようにしています。さらにJP1/Automatic Operationという製品は、運用管理を自動化するためのシナリオをいくつも用意しています。今回、お客さまの利用シーンに合わせやすくするために細かなシナリオもたくさん取り揃えました。今後、運用の自律化を進めていくうえで、この2つの製品はキーになると思っています。

──新製品のJP1/Operations Analyticsはどのような経緯から開発されたのでしょうか。

石田 以前クラウドサービスを提供している部門と共同開発を行ったときのことですが、その部門は一度障害が発生すると障害対策ルームに関連者や知見者を集めてホワイトボードに基盤設計図やシステム状態を書き出して原因追及していました。運用エンジニアや開発者がその都度、それぞれ必要な情報を持ち寄って、何度も出入りを繰り返している様子を見かけました。その際に、このようなクラウド基盤の管理については、お客さまも我々と同様のお悩みを抱えていらっしゃるのではないか、と考えたことがきっかけです。

──ダッシュボードの画面にこだわったということですが。

石田 そもそもこの製品のコンセプトはクラウドなどのダイナミックな基盤を監視して、障害が発生した場合にいかに迅速に復旧させるかということに主眼をおいています。そうなった時、一枚の画面でいかに全体を把握できるかということが重要になります。今まで運用してきたノウハウをもとに、どんな情報がどのように可視化されているとよいかにこだわって設計しました。このダッシュボードの画面だけでなく、ひとつひとつの機能にそうした考えが入っています。日立の社内で実際にシステムを運用しているノウハウや状況の捉え方などを製品に込めています。

──モノの提供ではなく、ノウハウや考え方を提供しているわけですね。

石田 そうです。クラウドを本格的に活用しようとすると高度なスキルが必要になることがあり、最近はお客さまからクラウド運用のノウハウを教えてほしいという要望が増えています。また、一旦はプライベートクラウドを構築してみたものの、運用コストがかさみ想定したほどコストが低減できていないなど、期待した効果が出ていないケースがあります。そのため、どういう統合基盤にしたらいいのかとか、どのように運用すればいいのかと聞かれることが増えました。JP1/Operations Analyticsはそうしたニーズへの答えでもあります。

──お客さま側の運用担当者の意識が変わってきたのですね。

石田 運用よりも、ビジネスに直結する部分にITの投資をしたいという考えになってきており、運用の手間はできるだけ削減したいという要望が出てきています。そのために運用に対するノウハウを知りたいというニーズが高まっていると思います。

──今後どのような方向にJP1を磨き上げていかれるのでしょうか。

石田 一つは、運用を省力化するお手伝いとして、より自動化、自律化を進めていきたいですね。そのためには機械学習や人工知能などの活用も視野に入れています。もう一つの方向性は、運用をサービスとして提供できるように進化させていきたいです。業務システムやデータセンターの運用管理を”As a Service”として提供することも検討しています。

──ありがとうございました。
さて、よい製品ができたら、そのよさを伝えるためにプロモーションが大切になります。次にプロモーションチームの皆さんに伺いますが、今回はグローバルで同時発表ということもあり、準備が大変だったのではないですか。

阿部 今回のVersion 11はグローバルで初めて同時発表しましたので、国内同様に海外のパートナーさまにも同じタイミングで情報を届けるため、早くからカタログなどの拡販ドキュメントの制作に着手しました。弊社での販売開始に合わせて、国内・海外のパートナーさまにも取り扱いを開始していただくためには、パートナーさまの準備期間も考慮する必要があります。発表の3か月前までには、必要な情報を日本語・英語ドキュメントにまとめ、国内・海外のパートナーさまに届けられるように制作を進めました。

──製品が完成してからでは準備が間に合いませんよね。

坂西 その通りです。今回のVersion 11はサービス商品はじめ新製品も多かったので、製品開発と並行してドキュメント制作を進めました。今回特に苦労したのは新製品JP1/Operations Analyticsの紹介です。この製品は反復開発をしておりましたので、1か月ごとに仕様が変わって、紹介している内容もその都度見直しが必要になり、なかなか確定できませんでした。そのため、原稿の締め切りを段階的に設定して、ぎりぎりまで最新の情報を取り込めるように工夫し、開発部門と密に連携して進めることで、なんとか間に合わせることができました。

──発表の3か月前にパートナーさまへ新製品・エンハンス製品の情報をまとめて提供しているケースはあまり多くないですよね。

阿部 はい。発表に向けて販売準備がスムーズに進められるとパートナーさまにとても好評で、これだけの情報が揃っている製品はJP1以外にないよと言っていただいたこともあります。

──今回、カタログの構成も大きく変えられたそうですね。

坂西 今回は最初の企画段階から、お客さまのためにできることは何かを、マーケティング、開発をはじめ関係部署と徹底的に議論しました。Version 11の総合カタログは、JP1をあまりご存知ない方も読者として想定しています。JP1がお客さまに提供できる価値、なぜ多くのお客さまに選ばれているのかということを明確にし、導入後の効果をあわせてご紹介する構成にして、製品特有の用語は使わずに説明するようにしています。

阿部 制作にあたっては、シンプルにわかりやすく伝えることにも時間をかけて取り組みました。JP1はオートメーション/モニタリング/ITコンプライアンスと製品分野が多岐にわたり、製品の機能も豊富です。だからこそ、カタログに掲載する内容はお客さまの課題に即したポイントに絞って、シンプルにわかりやすく伝えることが重要と考えました。また、カタログのラインアップとして、総合カタログに加え、製品や機能について、より詳しい情報を知りたい方に向けた製品ごとの個別カタログもご用意しました。お客さまが知りたい内容に応じた適切な情報を提供できるように心がけています。

──評判はいかがですか。

阿部 総合カタログではいきなり製品説明から入らず、お客さまに選ばれる理由として、品質・サポートなどJP1の良さを5つのポイントで紹介している点が、海外のお客さまからとても喜んでいただけました。また、巻末に掲載している全製品の一言紹介も評判が良いですね。製品ごとの個別カタログも、知りたい情報がコンパクトにまとまっていると好評です。そうした声を聞くことは、とても嬉しくてやりがいがあります。

──セミナーやイベントもJP1プロモーションチームの中では大切な役割なのですね。

加藤 設計のメンバーが想いをこめて作った製品をどのような言葉で表現すればお客さまに伝わるかを考えるのが私たちのミッションです。機能を説明するのではなく、お客さまの課題をいかに解決できるか、ということが何よりも伝えたいことです。だから機能の伝え方は、お客さまによって変えています。セミナーなどで、お客さまからの「ああ、なるほど!」という声を増やせればいいなと思っています。

──製品開発もプロモーションもお客さま視点に立つという点では、まったく同じ思いなのですね。
ありがとうございました。




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