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IT運用の「三重苦」から脱却せよ──
クラウド時代の最適解「HARC」が導く、運用変革への道筋

〜Hitachi Social Innovation Forum 2025 JAPAN Digital Week〜

日本企業のIT運用は、業務負担とコストの増大、そしてスキルの空洞化という「三重苦」に長年悩まされてきた。“クラウド化”の進展によるIT環境の複雑化によって、この問題はさらに深刻化している。根底には、属人化や外部委託への依存、そして“オンプレミス時代”から脱却できない旧来の運用思考があるだろう。この構造的な課題からの脱却には、IT運用の目的を「クラウド指向型運用」へと再定義し、Observability(可観測性)やSRE(Site Reliability Engineering:サイト信頼性エンジニアリング)といった新たなアプローチを積極的に取り入れる必要がある。そう提言するのは、アイ・ティ・アール(ITR)シニア・アナリストの入谷光浩氏と日立製作所の酒井宏昌だ。2025年7月に開催された「Hitachi Social Innovation Forum 2025 JAPAN Digital Week」では、IT運用が直面する課題の本質を解き明かし、IT運用部門がめざすべき姿と、ビジネス価値向上に貢献するためのアプローチを両名が解説した。

株式会社 日立製作所 酒井宏昌、株式会社アイ・ティ・アール(ITR)入谷光浩氏

株式会社 日立製作所
酒井宏昌(写真左)

株式会社アイ・ティ・アール(ITR)
入谷光浩氏(写真右)

深刻化する「IT運用の三重苦」と根本原因

日本企業におけるIT運用では、長年にわたり「IT運用の三重苦」と呼べるような構造的な課題を抱えている──そう指摘するのは、ITRの入谷光浩氏だ。過去3年間、IT運用の業務負担は66%の企業で増加し、半数以上の企業では運用コストも増加している。これは人手不足に直結しており、多くの企業(57%以上)が外部委託に頼らざるを得ない状況に陥っているのが現況だ。その結果、自社に運用スキルが蓄積されず、“スキルの空洞化”が進行し、システムがブラックボックス化している。

特に入谷氏が問題視するのは、ツールを導入しても業務の自動化が進まず、結果的に属人化が起こり、外部委託への依存が増している点だ。この状況は、アナリストとして20年以上見てきた中でも変わっておらず、むしろ悪化しているという。

IT運用の三重苦は、システム環境の複雑化によって深刻さが増しており、過去10年で急速に進んだクラウドシフトは、企業が複数のクラウドやオンプレミスを併用するマルチ/ハイブリッドクラウド環境を生み出し、運用業務を一層複雑にしている。また、システム障害が社会問題となるほど増加。ランサムウェアに代表されるサイバー攻撃も活発化するなど、もはやIT環境全体にわたりリスクが高まっている状況だ。

脱却の鍵は「クラウド指向型運用」への再定義

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