Integrated Smart Update Tools (iSUT)をAutoモードで使用していると、メモリリークが発生します。その結果VMware ESXiが無反応となることがあります。最悪のケースでは、VMware ESXi上で動作している仮想マシンが止まり、業務停止に至ります。対策版iSUTに更新し、SPH/SPR適用作業時以外は iSUT OnDemand モードに設定して常駐を解除してください。
重要
高
Integrated Smart Update Tools (iSUT)をAutoモード(AutoStage/AutoDeploy/AutoDeployReboot)に設定すると、iSUTが常駐し常時稼働し続けます。iSUTを常駐させているとメモリリークにより、iSUTのメモリ消費量が約90MB/180日程度増加します。
iSUTはinitのリソースグループに割り当てたメモリを消費し、最終的にリソースグループで使用可能なメモリが不足してVMware ESXiが無応答となることがあります。
メモリが不足した場合、弊社では以下のような現象を確認しています。
SPH/SPR適用作業時以外は iSUT の稼働は不要です。SPH/SPR適用作業後はiSUTをOnDemand モードに設定し、常駐解除してください。
常駐解除すると、iSUTが使用していたメモリは解放されます。
本操作はゲストOSのシャットダウンやESXiの再起動は不要です。
iSUT を OnDemand モードに設定するには、下記コマンドを実行してください。
sut -set mode=ondemand
iSUTの動作モードは下記コマンドで確認できます。
sut -status
Integrated Smart Update Tools (iSUT) バージョン 2.9.0で対策されています。対策版iSUTに更新してください。iSUT更新にはESXiの再起動が必要です。
対策版iSUTは、下記に示すSPH/SPRに収録されています。
対象装置 | 対策版iSUTバージョン | 収録SPH/SPRバージョン |
---|---|---|
RV3000 A1 | 2.9.0以降 | SPR3.50以降 |
HA8000V/DL20 Gen10 HA8000V/DL360 Gen10 HA8000V/DL360 Gen10 for Nutanix HA8000V/DL380 Gen10 HA8000V/DL380 Gen10 for Nutanix HA8000V/DL580 Gen10 HA8000V/ML30 Gen10 HA8000V/ML350 Gen10 HA8000V/DL20 Gen10 Plus HA8000V/DL360 Gen10 Plus HA8000V/DL380 Gen10 Plus HA8000V/ML30 Gen10 Plus |
2.9.0以降 | SPH6.50以降 |
また、下記ESXiカスタムイメージには対策版iSUTが含まれています。
ESXiカスタムイメージ | iSUTバージョン |
---|---|
ESXi 7.0 Update 3c build 19193900 (14-03) 以降 | 2.9.0 |
ESXi 8.0 build 20513097 (11-02) 以降 | 3.0.0 |
SPH/SPR適用作業時以外は iSUT の稼働は不要です。SPH/SPR適用作業後はiSUTをOnDemand モードに設定し、常駐解除してください。
対象製品名 | Integrated Smart Update Tools (iSUT) |
---|---|
対象装置 |
RV3000 A1 HA8000V/DL20 Gen10 HA8000V/DL360 Gen10 HA8000V/DL360 Gen10 for Nutanix HA8000V/DL380 Gen10 HA8000V/DL380 Gen10 for Nutanix HA8000V/DL580 Gen10 HA8000V/ML30 Gen10 HA8000V/ML350 Gen10 HA8000V/DL20 Gen10 Plus HA8000V/DL360 Gen10 Plus HA8000V/DL380 Gen10 Plus HA8000V/ML30 Gen10 Plus |
次の条件のすべてに該当する場合に、本現象が発生することがあります。
Integrated Smart Update Tools (iSUT) バージョン 2.9.0未満
本現象が発生するバージョンのiSUTは、下記SPH/SPRに含まれています。
SPHバージョン | iSUTバージョン | 対象ESXiバージョン | |||
---|---|---|---|---|---|
7.0 | 6.7 | 6.5 | 6.0 | ||
SPH6.40 | 2.8.0 | 〇 | 〇 | 〇 | ― |
SPH6.30 | 2.7.0 | 〇 | 〇 | 〇 | ― |
SPH6.10 | 2.5.0 | ― | 〇 | 〇 | ― |
SPH6.00 | 2.5.0 | ― | 〇 | 〇 | ― |
SPH5.50 | 2.4.5 | ― | 〇 | 〇 | 〇 |
SPH5.10 | 2.4.0 | ― | 〇 | 〇 | 〇 |
SPH5.00 | 2.4.0 | ― | 〇 | 〇 | 〇 |
SPH4.60 | 2.3.6 | ― | 〇 | 〇 | 〇 |
SPH4.50 | 2.3.5 | ― | ― | 〇 | 〇 |
SPRバージョン | iSUTバージョン | 対象ESXiバージョン | |||
---|---|---|---|---|---|
7.0 | 6.7 | 6.5 | 6.0 | ||
SPR3.40 | 2.8.0 | ― | 〇 | ― | ― |
SPR3.00 | 2.5.0 | ― | 〇 | ― | ― |
SPR2.50 | 2.4.5 | ― | 〇 | ― | ― |
SPR2.10 | 2.4.0 | ― | 〇 | ― | ― |
SPR1.60 | 2.3.6 | ― | 〇 | ― | ― |
本現象が発生するバージョンのiSUTは、下記ESXiカスタムイメージにも含まれています。これらのカスタムイメージを使用してOSインストールを行った場合、本現象が発生するバージョンのiSUTもインストールされます。
ESXiカスタムイメージ | iSUTバージョン |
---|---|
ESXi 6.7.0 Update 3 build 17700523 (16-00) | 2.8.0 |
ESXi 7.0b build 16324942 (11-03) | 2.5.5 |
ESXi 7.0 Update 1 build 16850804 (12-02) | 2.7.0 |
ESXi 7.0 Update 2 build 17867351 (13-01) | 2.7.1 |
iSUTのバージョンは、iLO WebインターフェイスかESXi Shell/SSHインターフェイスから確認することができます。
表示されるiSUTの名称は、使用しているVMware ESXiにより、「sut」もしくは「sutComponent」と表示されます。
表示されるiSUTバージョンは、使用しているVMware ESXiにより、6.5.0.x.x.x.y-zや701.x.x.x.y-zOEM…などになりますが、iSUTのバージョンはx.x.xの部分です。
VMware ESXi 7.0
VMware ESXi 6.7
VMware ESXi 6.5
VMware ESXi 6.0
ADV-2020-0017:Integrated Smart Update Tools (iSUT)の動作モードについて
CRI-2020-0009