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[重要なお知らせ]
Integrated Smart Update Tools (iSUT)のメモリリークによりVMware ESXiが無応答となる事象について

概要

Integrated Smart Update Tools (iSUT)をAutoモードで使用していると、メモリリークが発生します。その結果VMware ESXiが無反応となることがあります。最悪のケースでは、VMware ESXi上で動作している仮想マシンが止まり、業務停止に至ります。対策版iSUTに更新し、SPH/SPR適用作業時以外は iSUT OnDemand モードに設定して常駐を解除してください。

重要度

重要

発生頻度

高

現象および影響範囲

Integrated Smart Update Tools (iSUT)をAutoモード(AutoStage/AutoDeploy/AutoDeployReboot)に設定すると、iSUTが常駐し常時稼働し続けます。iSUTを常駐させているとメモリリークにより、iSUTのメモリ消費量が約90MB/180日程度増加します。
iSUTはinitのリソースグループに割り当てたメモリを消費し、最終的にリソースグループで使用可能なメモリが不足してVMware ESXiが無応答となることがあります。

メモリが不足した場合、弊社では以下のような現象を確認しています。

  • SSHを使用したESXiへの接続に失敗する
  • ESXiの再起動を実行しても再起動されない
  • ESXiのメンテナンスモードへの移行に失敗する
  • データストアへのファイルのアップロードが失敗する
  • バックアップ製品による仮想マシンのバックアップに失敗する
  • vSphere Web ClientのWebコンソールから仮想マシンへの接続に失敗する
  • vSphere Client(HTML5)のWebコンソールから仮想マシンへの接続に失敗する
  • VMware Remote Consoleから仮想マシンへの接続に失敗する
  • vSAN(VMware Virtual SAN)上で動作する複数の仮想マシンが停止する

回避策

SPH/SPR適用作業時以外は iSUT の稼働は不要です。SPH/SPR適用作業後はiSUTをOnDemand モードに設定し、常駐解除してください。
常駐解除すると、iSUTが使用していたメモリは解放されます。
本操作はゲストOSのシャットダウンやESXiの再起動は不要です。

iSUT を OnDemand モードに設定するには、下記コマンドを実行してください。

  sut -set mode=ondemand

iSUTの動作モードは下記コマンドで確認できます。

  sut -status

対策方法

Integrated Smart Update Tools (iSUT) バージョン 2.9.0で対策されています。対策版iSUTに更新してください。iSUT更新にはESXiの再起動が必要です。

対策版iSUTは、下記に示すSPH/SPRに収録されています。

対象装置 対策版iSUTバージョン 収録SPH/SPRバージョン
RV3000 A12.9.0以降SPR3.50以降
HA8000V/DL20 Gen10
HA8000V/DL360 Gen10
HA8000V/DL360 Gen10 for Nutanix
HA8000V/DL380 Gen10
HA8000V/DL380 Gen10 for Nutanix
HA8000V/DL580 Gen10
HA8000V/ML30 Gen10
HA8000V/ML350 Gen10
HA8000V/DL20 Gen10 Plus
HA8000V/DL360 Gen10 Plus
HA8000V/DL380 Gen10 Plus
HA8000V/ML30 Gen10 Plus
2.9.0以降SPH6.50以降

また、下記ESXiカスタムイメージには対策版iSUTが含まれています。

ESXiカスタムイメージiSUTバージョン
ESXi 7.0 Update 3c build 19193900 (14-03) 以降2.9.0
ESXi 8.0 build 20513097 (11-02) 以降3.0.0

SPH/SPR適用作業時以外は iSUT の稼働は不要です。SPH/SPR適用作業後はiSUTをOnDemand モードに設定し、常駐解除してください。

対象製品

対象製品名 Integrated Smart Update Tools (iSUT)
対象装置 RV3000 A1
HA8000V/DL20 Gen10
HA8000V/DL360 Gen10
HA8000V/DL360 Gen10 for Nutanix
HA8000V/DL380 Gen10
HA8000V/DL380 Gen10 for Nutanix
HA8000V/DL580 Gen10
HA8000V/ML30 Gen10
HA8000V/ML350 Gen10
HA8000V/DL20 Gen10 Plus
HA8000V/DL360 Gen10 Plus
HA8000V/DL380 Gen10 Plus
HA8000V/ML30 Gen10 Plus

発生条件

次の条件のすべてに該当する場合に、本現象が発生することがあります。

  1. 対象製品に記載の製品、装置を使用している。
  2. ESXiに対象バージョンのiSUTをインストールしている。
  3. ESXiにインストールしているiSUTがAutoモード(AutoStage/AutoDeploy/AutoDeployReboot)で動作している。

対象バージョン

Integrated Smart Update Tools (iSUT) バージョン 2.9.0未満

本現象が発生するバージョンのiSUTは、下記SPH/SPRに含まれています。

SPHバージョン iSUTバージョン 対象ESXiバージョン
7.0 6.7 6.5 6.0
SPH6.402.8.0〇〇〇―
SPH6.302.7.0〇〇〇―
SPH6.102.5.0―〇〇―
SPH6.002.5.0―〇〇―
SPH5.502.4.5―〇〇〇
SPH5.102.4.0―〇〇〇
SPH5.002.4.0―〇〇〇
SPH4.602.3.6―〇〇〇
SPH4.502.3.5――〇〇
SPRバージョン iSUTバージョン 対象ESXiバージョン
7.0 6.7 6.5 6.0
SPR3.402.8.0―〇――
SPR3.002.5.0―〇――
SPR2.502.4.5―〇――
SPR2.102.4.0―〇――
SPR1.602.3.6―〇――

本現象が発生するバージョンのiSUTは、下記ESXiカスタムイメージにも含まれています。これらのカスタムイメージを使用してOSインストールを行った場合、本現象が発生するバージョンのiSUTもインストールされます。

ESXiカスタムイメージiSUTバージョン
ESXi 6.7.0 Update 3 build 17700523 (16-00)2.8.0
ESXi 7.0b build 16324942 (11-03)2.5.5
ESXi 7.0 Update 1 build 16850804 (12-02)2.7.0
ESXi 7.0 Update 2 build 17867351 (13-01)2.7.1

バージョン確認方法

iSUTのバージョンは、iLO WebインターフェイスかESXi Shell/SSHインターフェイスから確認することができます。
表示されるiSUTの名称は、使用しているVMware ESXiにより、「sut」もしくは「sutComponent」と表示されます。
表示されるiSUTバージョンは、使用しているVMware ESXiにより、6.5.0.x.x.x.y-zや701.x.x.x.y-zOEM…などになりますが、iSUTのバージョンはx.x.xの部分です。

iLO Webインターフェイスから確認する方法
  1. iLO Web インターフェースの左メニューの「ファームウェア & OS ソフトウェア」を選択し、「ソフトウェア」のタブを選択する。
  2. 表示される「HITACHIソフトウェア」からiSUTのバージョンを確認する。

HITACHIソフトウェア

ESXi Shell/SSHインターフェイスから確認する方法
  1. ESXi Shell/SSHインターフェイスから下記コマンドを実行する。
    esxcli software vib get -n sut | grep Version

対象OS

VMware ESXi 7.0
VMware ESXi 6.7
VMware ESXi 6.5
VMware ESXi 6.0

関連するお知らせ・ドキュメント

ADV-2020-0017:Integrated Smart Update Tools (iSUT)の動作モードについて

更新情報

2023年6月9日(更新)
概要、現象および影響範囲、回避策、対策方法、発生条件、対象バージョン、対象OSを更新、バージョン確認方法、関連するお知らせ・ドキュメントを追記
2022年7月29日(更新)
対象装置にHA8000V/DL360 Gen10 for Nutanix,HA8000V/DL380 Gen10 for Nutanix,DL20 Gen10 Plus,ML30 Gen10 Plusを追加
2021年10月8日(更新)
現象および影響範囲に具体例を追記、対象製品に対象装置を追記、発生条件を修正
2020年7月20日(公開)
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本ページで記載している内容を予告なく変更することがありますので、あらかじめご了承ください。

文書番号

CRI-2020-0009