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[アドバイザリ]
Emulex製ファイバーチャネルホストバスアダプターを使用している環境において、サーバ再起動時にディスクが認識できない、またはSANブートができない現象について

概要

ファイバーチャネルスイッチ (以下、FC-SW)構成でEmulex製ファイバーチャネルホストバスアダプターを使用している環境において、サーバ再起動時に"PLOGI Failure"のOSメッセージが表示されて、ディスクが認識できない、またはSANブートができない場合があります。

発生頻度

低

現象および影響範囲

FC-SW構成でEmulex製ファイバーチャネルホストバスアダプターを使用している環境において、サーバ再起動時に以下に示すような"PLOGI Failure"のOSメッセージが表示されて、ディスクが認識できない、またはSANブートができない場合があります。

RHELでのmessages出力例

May 27 12:26:26 RJ2P0CDB03 kernel: lpfc 0000:11:00.0: 226: [ 13.111610] 0:(0):0929 FIND node DID Data: xffff898e4bb24000 x12900 x80000 x1000001 x8 xffff898e4bb27800
May 27 12:26:26 RJ2P0CDB03 kernel: lpfc 0000:11:00.0: 227: [ 13.111610] 0:(0):0102 PLOGI completes to NPort x012900 Data: x1 x3 x103 x0 x0
May 27 12:26:26 RJ2P0CDB03 kernel: lpfc 0000:11:00.0: 228: [ 13.111612] 0:(0):0108 No retry ELS command x3 to remote NPORT x12900 Retried:1 Error:x3/103
May 27 12:26:26 RJ2P0CDB03 kernel: lpfc 0000:11:00.0: 0:(0):2753 PLOGI failure DID:012900 Status:x3/x103

回避策

回避策はありません。

回復策

FC-SW側から障害が発生しているポートに対して、portDisable/portEnableコマンドを実行することによって復旧出来る場合があります。

注意事項:本現象が発生していない正常なパスに対してportDisable/portEnableコマンドを実行した場合、冗長化された全てのパスが使用不可となる可能性があります。

使用している冗長化ソフトによって、コマンド入力を必要とある場合があります。ご使用中の冗長化ソフトのマニュアルを参照してください。
例として、RHEL環境においてHitachi Dynamic Link Manager Advanced (HDLM)を使用している場合を以下に記載します。

  1. HDLMコマンドで、「Status」がOfflineになっているパスの「HBAPortWWN」を確認します。 HDLMコマンドで、「Status」がOfflineになっているパスの「HBAPortWWN」を確認します
  2. ファイバーチャネルスイッチにsshでログインし、switchshowコマンドを使用して、手順1で確認した「HBAPortWWN」に該当するポート番号を確認します。
    (sw0でヒットしなかった場合は、sw1でも確認します。) 手順1で確認した「HBAPortWWN」に該当するポート番号を確認します
  3. ポートをDisableします。 ポートをDisableします。
  4. switchshowコマンドで対象のポートがDisableされていることを確認します。 switchshowコマンドで対象のポートがDisableされていることを確認します。
  5. ポートをEnableします。 ポートをEnableします。
  6. switchshowコマンドで対象のポートがEnableされていることを確認します。 switchshowコマンドで対象のポートがEnableされていることを確認します
  7. cat /proc/scsi/scsiでLU 一覧を表示させ、ファイバーチャネルホストバスアダプターのパスからデバイスが全て認識されていることを確認します。 デバイスがすべて認識されていることを確認します
  8. HDLMのコマンドにより再二重化します。 HDLMのコマンドにより再二重化します。
  9. HDLMのコマンドでパスが全てOnlineになっていることを確認します。 HDLMのコマンドでパスがすべてOnlineになっていることを確認します。

対策方法

対策版ファームウェアとドライバにアップデートしてください。

次の日立Webページから対策版ファームウェアとドライバを収録したSPH、または対策版ファームウェアとドライバをダウンロードしてください。
対策版ファームウェアとドライバを収録したSPH、または対策版ファームウェアとドライバをダウンロードの上、SPHのReadmeまたはダウンロードページを参照し対策版ドライバとファームウェアを適用してください。

  • ダウンロードサイト(ドライバ/ファームウェア/ユーティリティ)

アップデートはオンラインで可能です。
作業時間は1台あたりオンライン:約20分です。作業時間は対象アダプターのファームウェアおよびドライバのみ更新された場合の目安です。
アップデート後はシステム装置の再起動が必要です。

【Windows Server】

OSファームウェアドライバ
Windows Server 202214.0.499.21(SN1200E/SN1600E) / 14.0.499.20 (SN1610E) (SPH6.70収録) 以降14.0.534.0 (SPH6.70収録) 以降
Windows Server 2019同上14.0.534.0 (SPH6.70収録) 以降
Windows Server 2016同上14.0.534.0 (ダウンロードサイト掲載) 以降
Windows Server 2012R2対策版ファームウェアの提供予定はありません。対策版ドライバの提供予定はありません。

【RHEL】

OSファームウェアドライバ
RHEL8.414.0.499.21(SN1200E/SN1600E) / 14.0.499.20 (SN1610E) (SPH6.70収録) 以降14.0.639.18 (ダウンロードサイト掲載) 以降
RHEL8.3同上14.0.639.18 (ダウンロードサイト掲載) 以降
RHEL8.2同上14.0.639.18 (ダウンロードサイト掲載) 以降
RHEL8.1対策版ファームウェアの提供予定はありません。対策版ドライバの提供予定はありません。
RHEL7.914.0.499.21(SN1200E/SN1600E) / 14.0.499.20 (SN1610E) (SPH6.70収録) 以降14.0.639.18 (ダウンロードサイト掲載) 以降
RHEL7.8以前対策版ファームウェアの提供予定はありません。対策版ドライバの提供予定はありません。

【VMware ESXi】

OSファームウェアドライバ
VMware ESXi 7.0 Update3/Update2/Update114.0.499.21(SN1200E/SSN1600E) /
14.0.499.20 (SN1610E) (SPH6.70収録) 以降
14.0.543.0 (SPH6.70収録) 以降
VMware ESXi 7.0 GA対策版ファームウェアの提供予定はありません。対策版ドライバの提供予定はありません。
VMware ESXi 6.7対策版ファームウェアの提供予定はありません。対策版ドライバの提供予定はありません。
VMware ESXi 6.5対策版ファームウェアの提供予定はありません。対策版ドライバの提供予定はありません。

対象製品

対象製品名 SN1200E 16Gb 1ポート FC ホストバスアダプター (TQ-***-Q0L13A)
SN1200E 16Gb 2ポート FC ホストバスアダプター (TQ-***-Q0L14A)
SN1600E 32Gb 1ポート FC ホストバスアダプター (TQ-***-Q0L11A)
SN1600E 32Gb 2ポート FC ホストバスアダプター (TQ-***-Q0L12A)
SN1610E 32Gb 1ポート FC ホストバスアダプター (TQ-***-R2J62A)
SN1610E 32Gb 2ポート FC ホストバスアダプター (TQ-***-R2J63A)
※「***」はお客さまのご購入製品により相違します。
対象装置 HA8000V/DL20 Gen10
HA8000V/DL360 Gen10
HA8000V/DL380 Gen10
HA8000V/DL580 Gen10
HA8000V/ML350 Gen10
HA8000V/DL20 Gen10 Plus
HA8000V/DL360 Gen10 Plus
HA8000V/DL380 Gen10 Plus

発生条件

FC-SW構成で対象バージョンのドライバを使用して再起動を行った際に、本現象が発生する場合があります。
ファイバーチャネルアダプタとストレージとの直結構成では、本現象は発生しません。

対象バージョン

【Windows Server】
Windows Server 2022:14.0.534.0 (SPH6.70収録) 未満
Windows Server 2019:14.0.534.0 (SPH6.70収録) 未満
Windows Server 2016:14.0.534.0 (ダウンロードサイト掲載) 未満
Windows Server 2012R2:全ドライババージョン
【RHEL】
RHEL8.4:14.0.639.18 (ダウンロードサイト掲載) 未満
RHEL8.3:14.0.639.18 (ダウンロードサイト掲載) 未満
RHEL8.2:14.0.639.18 (ダウンロードサイト掲載) 未満
RHEL8.1:全ドライババージョン
RHEL7.9:14.0.639.18 (ダウンロードサイト掲載) 未満
RHEL7.8以前:全ドライババージョン
【VMware ESXi】
VMware ESXi 7.0 Update3/Update2/Update1:14.0.543.0 (SPH6.70収録) 未満
VMware ESXi 7.0 GA:全ドライババージョン
VMware ESXi 6.7:全ドライババージョン
VMware ESXi 6.5:全ドライババージョン

対象OS

Microsoft Windows Server 2022
Microsoft Windows Server 2019
Microsoft Windows Server 2016
Microsoft Windows Server 2012 R2
Red Hat Enterprise Linux Server 8.4
Red Hat Enterprise Linux Server 8.3
Red Hat Enterprise Linux Server 8.2
Red Hat Enterprise Linux Server 8.1
Red Hat Enterprise Linux Server 7.9
Red Hat Enterprise Linux Server 7.8
Red Hat Enterprise Linux Server 7.7
Red Hat Enterprise Linux Server 7.6
VMware ESXi 7.0
VMware ESXi 6.7
VMware ESXi 6.5

更新情報

2023年6月30日(公開)

*
本ページで記載している内容を予告なく変更することがありますので、あらかじめご了承ください。

文書番号

ADV-2023-0047