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概要

Agentless Management Service (AMS)を使用するLinux環境において、PCI I/Oデバイスのファンクション0が存在しない場合、AMSのセグメンテーション違反が発生することがあります。

発生頻度

現象および影響範囲

AMSを使用するLinux環境において、PCI I/Oデバイスのファンクション0が存在しない場合、AMSのセグメンテーション違反が発生することがあります。本事象が発生した場合には、Linuxの/var/log/messagesに以下のようなメッセージがログされます。

kernel: amsd[749761]: segfault at 16 ip 0000000000413934 sp 00007ffc8e1c27d0 error 4 in amsd[400000+17c000]
kernel: amsd[749761]: segfault at 16 ip 0000000000413934 sp00007ffc8e1c27d0 error 4 in amsd[400000+17c000]
systemd: amsd.service: main process exited, code=dumped, status=11/SEGV
systemd: Unit amsd.service entered failed state.
systemd: amsd.service failed.

本事象は、ネットワークアダプターのSR-IOVを有効に設定し、Linux OS上で仮想NICを作成している場合に起こることがあります。

回避策

BIOSで設定されるSR-IOV VFの数がOSで構成されるVFの数と同じになるようにしてください。

以下に、影響を受けるシステムの例を示します。このシステムでは、BIOSでVFの最大数が64に設定されていますが、OSで16のVFしか使用されていません。

# grep -H ./sys/class/net/ens1f0/device/*vfs
/sys/class/net/ens1f0/device/sriov_numvfs:16
/sys/class/net/ens1f0/device/sriov_totalvfs:64

次の(a)(b)どちらかを実行してください。

(a)
OSで設定されているVFの数と一致するように、BIOSでSR-IOV VFの最大数を減らします。OSで構成されているVFの数とBIOSのSR-IOV VFの最大数を一致させると、システムの出力は、以下のようになります。
 
# grep - H . /sys/class/net/ens1f0/device/*vfs
/sys/class/net/ens1f0/device/sriov_numvfs:16
/sys/class/net/ens1f0/device/sriov_totalvfs:16
(b)
BIOSで定義されているすべてのVFがOSで構成されるようにします。BIOSで定義されているすべてのVFをOSで構成すると、システムの出力は、以下のようになります。
 
# grep -H . /sys/class/net/ens1f0/device/*vfs
/sys/class/net/ens1f0/device/sriov_numvfs:64
/sys/class/net/ens1f0/device/sriov_totalvfs:64

対策方法

将来のLinux用AMSで対策予定です。

対象製品

対象装置 RV3000 A1
HA8000V/DL20 Gen10
HA8000V/DL360 Gen10
HA8000V/DL380 Gen10
HA8000V/DL580 Gen10
HA8000V/ML30 Gen10
HA8000V/ML350 Gen10
HA8000V/DL360 Gen10 Plus
HA8000V/DL380 Gen10 Plus

発生条件

ネットワークアダプターのSR-IOVを有効に設定し、Linux OS上で仮想NICを作成している場合

対象バージョン

Agentless Management Service (iLO 5) for Red Hat Enterprise Linux バージョン2.4.1以前

適用済みバージョンの確認方法

適用済みのファームウェアやソフトウェアのバージョンはiLO Web インターフェイスの「ファームウェア & OS ソフトウェア」のページから確認できます。詳細は「HPE iLO 5 x.xx ユーザーガイド」を参照ください(x.xxの部分にはバージョンが入ります)。
「HPE iLO 5 x.xx ユーザーガイド」はHA8000Vダウンロードサイトの「製品マニュアル」よりダウンロードしてください。

適用したService Pack for HA8000V(SPH)からファームウェアやソフトウェアのバージョンを確認する場合は「Service Pack for HA8000V 補足資料(Readme)」を参照してください。
「Service Pack for HA8000V 補足資料(Readme)」はHA8000Vダウンロードサイトの「技術ドキュメント」よりダウンロードしてください。

「Service Pack for HA8000V 補足資料(Readme)」中で使われているDescription名の対応は以下のとおりです。

FW/SW名称 「Service Pack for HA8000V 補足資料(Readme)」内でのDescription名
Agentless Management Service (iLO 5)
for Red Hat Enterprise Linux (AMS)
Agentless Management Service (iLO 5) for Red Hat Enterprise Linux 7 Server
Agentless Management Service (iLO 5) for Red Hat Enterprise Linux 8 Server

対象OS

Red Hat Enterprise Linux 7
Red Hat Enterprise Linux 8

更新情報

2021年10月1日 (公開)

*
本ページで記載している内容を予告なく変更することがありますので、あらかじめご了承ください。

文書番号

ADV-2021-0091